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マクロビオティックの基本食「玄米」の健康増進効果

「玄米菜食」を中心にした食生活をおくるのが、マクロビオティックライフです。その基本食である玄米には、健康食、美容食のイメージもあります。玄米には、具体的にどのような健康増進効果があるのでしょうか。白米との違い、栄養価や食べる際の注意点など気になる点を説明していきます。

 

マクロビオティックで玄米食を基本とする理由

 

マクロビオティックが玄米食を基本としているのには、このような理由があります。

 

・マクロビオティックの2大原則「身土不二」と「一物全体」の考え方に玄米が適している。

・マクロビオティックの「陰陽論」の理論により導きだされて食材が玄米であり、玄米を陰陽の中心軸

と位置付けることで食のバランスを見極めやすくしている。

 

玄米は、食物としてもその栄養価の高さから健康食として支持される食材ですが、マクロビオティックにおいては、そのことだけでなく独自の理論や考え方の軸にもなる象徴的な食材です。マクロビオティックのルールや理論を学ぶことで玄米菜食が推奨される理由がさらに見えてきます。

 

マクロビの基本ルール

 

マクロビオティックが大切にしている2大原則と言われる「身土不二」と「一物全体」、そして「陰陽論」を詳しくみていきます。

 

身土不二(暮らす土地の旬のものを食べること)

人が健康に生きていくためには、自分が暮らしている土地で旬のものを食べて生活することだとマクロビオティックではこのように教えられています。

 

暖かい土地で暮らす人、寒い土地で暮らす人、それぞれの生活とその土地でとれる食べ物にはとても深い結びつきがあり、季節と収穫の時期にも意味があります。玄米を食べることもその考えに即したことであり、日本人が本来食べてきた身近な食材で身体に適した食材は、穀物だと考えられているため玄米はマクロビオティックの中心食となっています。

 

また、わざわざ遠くから時間やお金をかけて運ばれてきた食材を食べるよりも自分の暮らす土地でとれた食べ物を食すことは、自然なことであり、環境や安全性の面でもメリットがあるとされています。

 

一物全体(自然の恵を残さず丸ごといただく)

その漢字の意味の通り、ひとつのものを丸ごと、全体を食べるというマクロビオティックの教えを示しています。野菜なら皮ごと料理し、根や種など食べられるものはすべてをいただくようにします。

 

マクロビオティックでは食べ物は全体があってひとつの命と考えられるため精製などせず、捨てるところなく材料を使い切るように調理し、命をいただいたことに感謝をしながら食べることも大切だと考えられています。

 

お米に関しても精製されていない玄米は、穀物本来の姿に近く、撒けば芽を出す生命力にあふれていて栄養価も高いこと、また、よく噛んで食べるようになることも健康につながると考えられています。

 

陰陽論

マクロビオティックの陰陽区分に基づき生活をすることで、心身のバランスを保つ。という考え方です。

 

陰陽論は、マクロビオティックの提唱者である桜沢如一が、日本古来の食養生に中国の易の理論を融合して実用化したもので食材や調理法から人間の特徴まで様々な事象や現象に応用ができます。食材の選び方から食べ方にも陰陽を適合し、そのバランスをとることで中庸(バランスのとれた状態)を保つようにしていきます。

 

 

例えば、陽性の食べものを取りすぎると身体が陽性に傾き、陰性の食べものを取りすぎると身体が陰性に傾き、その偏りのせいで体調の崩れや精神的な調子が悪くなると考えらえています。

 

食材でいうと陽性の代表的なものは、肉、魚、卵、チーズなど、陰性の代表的なものは、砂糖、菓子類、はちみつなどで玄米は、中庸の食材とされ陰陽のバランスのとれた食材と位置付けされています。

 

玄米食の栄養価と健康増進効果

 

次にマクロビオティックの基本食材である「玄米」についてです。栄養価では、評価の高い玄米ですが、具体的な内容と健康面での効果についてみていきます。

 

玄米の栄養価について

玄米は、白米に比べ栄養価が高く、特にビタミンB1、食物繊維の量は圧倒的に多くなっています。玄米は、稲の果実(籾)から殻を取り除いた状態のお米です。白米は、玄米をさらに精米することで外側を削り、糠の部分を落としていくことになりますので糠に多くの栄養価が含まれるお米の場合、精製すればするだけ栄養価が減ってしまうということになります。

 

つまり、精製される部分の少ない玄米が最も栄養価が高く、続いて三分づき米・五分づき米…と精製度が高くなるほど栄養素の残りは少なくなるということになります。

 

白米と玄米の比率から見た場合、ビタミンB18倍、食物繊維は6倍ほど玄米の方が高いという結果になっています。

 

玄米の健康面での効果

玄米を食べることで得られる効果、効用としては以下のようなことがあげられます。

 

・腸内環境の改善・便秘改善

・免疫力・抗酸化力・抗ガン作用のアップ

・生活習慣病の予防

・低体温の改善

・食のバランスを保つ

・ダイエット効果

 

高い栄養素と豊富な食物繊維を含有していることで便秘解消をはじめ体質の改善につながります。また、たくさん噛むことでもメリットがあり、腹もちもよいのでダイエットにも効果的とされています。

 

玄米食の注意点

 

身体面やダイエットでもメリットが多い玄米食ですが、注意したい点もあります。その具体的なポイントと改善方法をあげてみましょう。

 

消化吸収しにくい

玄米は、白米に比べて消化しにくいため胃腸の働きに負担がかかることがあります。また腸での吸収も遅いため栄養を吸収しにくいというデメリットがあります。胃腸の弱い方は、特に注意が必要です。

 

改善策

よく噛んで食べるようにします。できれば一口につき30回を目安に噛むことで消化吸収がしやすくなり、身体への負担も軽減されます。また、調理器具や水分を工夫して柔らかく焚くことも改善策となります。

 

玄米で便秘になる

本来、便秘改善効果があるはずの玄米ですが、食べ方によっては便秘を悪化させてしまうことがあります。これは、玄米の食物繊維が不溶性であるため腸の水分が吸収し過ぎてしまい、便を硬くしてしまうことが原因です。

 

解決策

消化吸収率をあげるためよく噛んで食べるようにします。また、ご飯と一緒に水分をとる、日常的にも水分が不足しないように注意しましょう。

 

アブシジン酸に注意

玄米には、人の細胞にあるミトコンドリアを傷つけてしまうアブシジン酸(ABA)というものが含まれています。これは、種子植物に本来から備わっている成分で他の動物から食べられないように身を守り、腐敗を防ぐなどの役割を果たしている因子です。

 

人にとってもその毒性の影響はあるといわれ、アブシジン酸の影響で起こる症状には疲労感、無気力感、生理痛や生理不順、老化促進、病気にかかりやすくなるといった症状が考えられます。

 

改善策

玄米の浸水時間を長くとる、フライパンで焙煎し浅炒りして食べる、発芽玄米にするといった方法でアブシジン酸の毒性が弱まり、無毒化されるようになりますので調理前にひと手間をかけて食べるようにします。

 

また、一方でアブシジン酸には、体温維持などエネルギー代謝には有効な面もあること、学会や調査機関の発表でも人体への危険には是非があり、深刻な症状が報告されているわけではありませんのであまり神経質にならず適正に食べるようにしましょう。

 

健康によいイメージの強い玄米食ですが、このようにデメリットになる面もあります。食べる人の体質や状況によっても身体への反応は違うものです。

 

マクロビオティックをはじめてみようという方は、はじめは少しずつ玄米菜食に移行するようにし、体調の様子をみて進めるようにしていくのがよいでしょう。マクロビオティックの大切にしているバランスをとるという考え方を基準にして、自分に合った方法を模索しながら実践していくことが大切です。

 

マクロビオティックの基本食「玄米」の健康増進効果まとめ

 

マクロビオティックの基本食「玄米」の健康増進効果について説明してきました。マクロビオティックの食生活の中でも玄米は、「中庸」というバランスのとれた位置に置かれ、献立の基本とされています。

 

玄米の健康効果は、ビタミンや食物繊維の高さなど科学的な分析からも明白ですが、身体への効果、精神面への効果、そして社会面での効果についても影響があることがわかります。

 

ただし、体質や状況に合わせて食べ方や調理の仕方を工夫することも必要ですので実践時には、注意してください。

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