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マクロビオティックの陰陽調和の意味と「陰陽表」の見方

マクロビオティックには、「陰」「陽」という言葉が頻繁に登場します。アメリカでは、陰=Yin(イン)陽=Yan(ヤン)と発音されます。日本でも陰陽道、陰陽論など耳にすることもあり、東洋的な理論、世界観といったものがイメージされるかもしれません。

 

では、マクロビオティックでの「陰陽」とは、どういう意味をもつのでしょうか。ここでは、マクロビオティックで大切にされている「陰陽調和」の意味と「陰陽表」について説明していきます。

 

マクロビオティックの「陰陽論」とは

 

マクロビオティックの「陰陽論」は、提唱者である桜沢如一が日本に古くから伝わる食養生に東洋の易を融合して理論づけた考え方でマクロビオティックの原理、原則のひとつです。

 

マクロビオティックでは、全てのものに「陰」と「陽」があると考えられており、健康を維持するためには「陰陽のバランスをとること」が重要とされます。

 

陰と陽は、食べ物や人間関係、体質、自然現象、政治経済などを含め神羅万象に存在するものでプラスとマイナス、光と影、など相反する2つの物体のことも指すと同時にひとつの物の中にも陰の部分、陽の部分があると考えられています。

 

陰と陽は、互いに影響し、引き合い、補い合い、絶えず変化しながらバランスをとっており、2つの性質がほどよく保たれている状態がよいとされます。また、「全てのものには両方の局面がある」という原理も示しており、全ての物事は、どちらか一方だけの偏りがあるとよくない状態になるという意味でもあります。

 

それぞれの性質として「陰」は、拡散していく遠心的なエネルギー、上昇性、静的、冷たいという状態を指し、「陽」は収縮していく遠心的なエネルギー、下降性、動的、熱いという状態のことを指しています。

 

食べ物にも反映する陰陽バランス

 

マクロビオティックにおいて、特に食生活での陰陽の意味と役割は大きく、食材選びをはじめ調理法、食べ方など様々な面で陰陽バランスを気にかけ実践することが必要になります。食材においての陰陽それぞれの区分の例は、以下のようになります。

 

陰性の性質

・植物性のもの

・身体を冷やすもの

・上に向かって育つもの

・暑い地方でよく育つもの

・甘みの強いもの・酸っぱいもの・・・など

 

食材:なす・とまと・はちみつ・唐辛子・バナナ・アーモンド・アイスクリームなど

飲み物:コーヒー・ウイスキー・豆乳など

調味料:砂糖・化学調味料・はちみつ・わさびなど

調理法:火を使わないもの・冷たいもの・サラダなど

 

陽性の性質

・身体を温めるもの

・下に向かって育つもの

・寒い地方でよく育つもの

・苦いもの・辛いもの・・・など

 

食材:にんじん・ごぼう・マグロ・サバ・ハム・ベーコンなど

飲み物:たんぽぽコーヒー・梅醤番茶

調味料:塩・味噌

調理法:温かいもの・じっくり煮込むもの・シチューなど

 

中庸:陰陽のバランスがよいとされているもの

食材:玄米・小麦粉・もち・もりそば・小豆・わかめ・小松菜・大根・りんご

飲み物:ほうじ茶

調味料:白ゴマ塩・くず

 

マクロビオティックでは、陰陽区分で中庸にあたる食材をとることが理想的とされますが、偏った食生活を勧めているわけではありません。例えば、陰性の食材を陽性の調理法で加熱する、陽性の強い食材を陰性の調味料で調理するといった方法で中庸に近づけることもできます。

 

陰陽は、工夫次第で変えることができるというのもマクロビオティックの考え方です。原則である「身土不二」や「一物全体」の思想をベースにしてバランスのとれた食生活をしていくことが大切です。

 

マクロビオティックの「陰陽表」とは

 

マクロビオティックの陰陽を見分けるために食材が整理されている表のことを「陰陽表」といいます。陰陽表は、マクロビオティックの食のガイドラインでもあり、この表を参考にしながら食生活を整えていくことになります。

 

左に陰性の強いもの、真ん中には中庸、右に陽性の強いものという並び方で食材や調味料、飲み物の名称が並べられています。また、色でも区分がされており、(陰性)紫・藍・青・緑(中庸)・黄・橙・赤(陽性)に分けられた列をみていくことでも判別ができます。

 

区分の条件として、植物性なのか動物性なのか、身体を冷やすもの・温めるものなのかといった性質や味や刺激、大きさ、硬さ、色、育ち方、気候、成分、季節など多方向の条件から細かく区分がされています。

 

マクロビオティックを実践する人は、この陰陽表を基準に食生活を送りますが、気をつけなければならないのは陰陽表あくまでも目安であり、厳格に縛られる必要はないということです。同じ食材でも食べる人の体質や状況によっては、異なる反応をもたらします。

 

また、日頃バランスのよい食生活を送り、しっかりとした体と心を保っている人ならときには、陰性、陽性の作用の強い食べ物をとったとしても回復できる力があるはずです。

 

大切なのは、自分の今の状況をしっかりと把握し、今何が必要なのか、何をどのくらい食べればいいのかを感じながら生活をすることであり、その指標として陰陽表を活用していくという姿勢を念頭においておきましょう。

 

マクロビオティックの食材・飲み物の陰陽表

 

マクロビオティックの陰陽表には、食材や飲み物の区分が表記されています。陰陽表を見るとナスややトマトは陰性、人参やゴボウは陽性の食材ととれますが、実は陰陽はひとつの食材の中にも両方存在します。

 

野菜で説明すると大根は、食材としては中庸に分類されますが、上に向かって伸びるエネルギーを陰性ととらえるため葉の部分は「陰」、逆に地中へ向かって伸びるエネルギーは陽性ととらえられるため根の部分は、「陽」となります。

 

食材そのものの性質とともに食べる部分にも意識を向けなければならないと思うと複雑に感じるかもしれませんが、マクロビオティックの原則「一物全体(食材を丸ごと食べる)」を実践し、葉も根も含め丸ごと食べることで陰陽のバランスがとれ中庸を目指すことができるようにもなっており、この点でも理にかなっているといえます。

 

また、食べる人の体質が陽性であれば、陰の食材を、陰性体質であれば陽の食材をとることでもバランスを保つことができます。例えば飲み物でも陰性だからダメ、陽性だから避ける、という単純な方法ではなく、自分の状態が陽性に傾いているときには、陰性性質のあるコーヒーを飲んでバランスをとり中庸に近づける飲み方をするなど柔軟な考えも必要です。

 

さらに、食材の季節や産地、栽培方法によっては、同じ食材でも陰陽に変化が起こります。そのことも踏まえて正しい知識を学び、陰陽表にある食材や飲み物はガイドラインと考え、とらわれ過ぎないよう上手に活用していくようにしましょう。

 

マクロビオティックの調理法陰陽表

 

最後にマクロビオティックの調理法の陰陽を詳しくみていきます。ベースとなる考え方として冷たいもの、あまり火を通さないものは陰性、温かいもの、じっくり煮込むようなものは陽性と捉えます。具体的には、下記のように分類することができます。

 

陰性の調理法

・火の使用が少ないもの

・時間をかけないもの

・圧力をかけないもの

・油・水を多くつかうもの

・酢・甘味料・ハーブなど陰性調味料をつかうもの

・調理器具:土鍋・木製

・小さめに切った野菜を調理したもの

 

陽性の調理法

・火の使用が多いもの

・時間をかけたもの

・圧欲をかけたもの

・油・水を少なくする

・塩・醤油・味噌など陽性の調味料をつかうもの

・調理器具:鉄鍋・金属性の調理器具

・大きめに切った野菜を調理したもの

 

食材と同様に調理法にも陰陽があると考え、陰性の食材を陽性の調理法で調理する、陽性の食材を陰性の調理法で調理するといった逆の要素でバランスをとることにより、中庸に近づけることができます。

 

マクロビオティックの陰陽調和の意味と「陰陽表」の見方まとめ

 

マクロビオティックの陰陽調和の意味、陰陽表の見方を説明してきました。マクロビオティックの目的は健康な生活を送ることですが、そのためには陰陽調和を意識した食生活で身体と心のバランスをとることが大切だと考えられています。

 

陰陽表を目安にして食材を選び、中庸に近づけるために調理法も工夫します。ただし、ルールばかりに縛られず、自分の状態をしっかりと見極め、今の自分に必要なものを正しくチョイスできる力が必要になります。そのためにも正しい知識を学び深めて実践しましょう。

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