トレーニング前後の食事についての知識や注意点
トレーニング中の食事は、トレーニングの効果を高める役割があります。正しい食事の方法を摂る事で自分の目的の体型を手にする事が出来ます。トレーニング前後の食事は、トレーニングの効果を左右するほど重要なのです。
自分のトレーニングの目的に見合った食事はどのようなものなのか、具体的な食事の時間はいつが良いのか、トレーニング前後の食事についての知識や注意点をご紹介致します。ぜひ、食事もトレーニングの一環として生かしてください。
トレーニング前の食事について
減量目的の場合(脂肪燃焼に効果ありの可能性、低血糖を起こす危険性も)
減量が目的の場合は、空腹の状態でトレーニングをすることによって脂肪燃焼に効果があると言われます。ですが、絶食をするなど体の栄養状態が極端に悪い場合、糖質が十分に足りず低血糖になる可能性があります。低血糖を引き起こすとめまいやふるえ、意識の低下を招くので危険です。
ウエイトトレーニング目的の場合(筋肉の材料となるたんぱく質をとる)
ウエイトトレーニングが目的の場合は、何も食べていないと筋肉の材料となるたんぱく質が足りずに効果が得られません。たんぱく質は、肉や魚、大豆製品や牛乳などに多く含まれているのでしっかりと摂取してからウエイトトレーニングをすると良いです。
時間別おすすめの食事(トレーニング開始30分前、2時間前)
効率の良いウエイトトレーニングや体調管理の点からも特に前の食事はとても大切です。トレーニング開始の30分前には、消化吸収が速やかに行われるゼリー飲料やバナナ、BCAAのアミノ酸などがおすすめです。
肉など消化吸収に時間がかかる食べ物は、トレーニング時に胃の中に溜まってしまいエネルギーに変化しづらいです。また、気分が悪くなる可能性もあります。トレーニング開始2時間前には、おにぎりなどの食物繊維や脂質を含まない複合炭水化物やホエイプロテインがおすすめです。
2時間あればたんぱく質などの成分は、消化吸収が進みトレーニング時に有効的に利用されます。トレーニング開始に合わせて逆算して食事を摂るようにして下さい。
ホエイプロテインは体内への吸収が早く、胃がもたれにくいです。炭水化物は、運動時のエネルギー源になるので積極的に摂取しましょう。揚げ物などの脂質が多いメニューは、消化に時間がかかり胃がもたれやすいので避けた方がよいです。
トレーニング後の食事について
栄養の吸収が早いので体に必要な栄養素を取る(たんぱく質、炭水化物、アミノ酸、ミネラル)
トレーニング後の体は、貯蔵されていたエネルギーがなくなり使われた筋肉の細胞が損傷した状態です。マグネシウムやカルシウムなど体を動かす電解質が汗と一緒に流れ出てしまっています。
しかし、トレーニング後すぐに栄養補給をすることでグリコーゲンやアミノ酸が筋肉合成に使われ、栄養不足から起こる筋肉の分解を止めてくれます。グリコーゲンを速やかに摂取することで疲労回復にも繋がります。
トレーニング後は、栄養の吸収が早いので出来るだけ早く栄養補給をすると回復効果があります。トレーニング後は、たんぱく質、炭水化物、アミノ酸、ミネラルを摂取するように心がけましょう。
たんぱく質は、傷ついた筋肉の修正や筋合成に使われ、筋肉、内蔵、皮膚、血液の材料となります。炭水化物は、消耗したグリコーゲンの回復を速やかに行います。アミノ酸は、筋合成の促進や筋分解の抑制、筋肉痛の軽減に効果があります。ミネラルは、神経系に関与しており、不足すると筋肉の痙攣や集中力の低下を招きます。スポーツドリンクなどから摂取すると良いでしょう。
プロテインを飲むなら30分以内がおすすめ
強靱な筋力や体を作りたい時には、トレーニング後30分以内にプロテインを摂取するのがおすすめです。トレーニング直後は、体への栄養吸収率が高まります。
更にウエイトアップをしたい時には、食事と併用することや食後や補食にプロテインを摂取しましょう。健康維持や栄養バランスを整えたい時には食事の前後、疲労回復が目的なら就寝前が良いです。
甘いお菓子やアルコールはNG
アルコールには、利尿作用があります。アルコールを摂取すると摂取した水分以上に体から水分が失われて脱水症状を起こします。運動して水分が失われている所にアルコールを飲むと脱水の危険性が高まります。脱水が正常な睡眠のリズムを乱す可能性もあります。
アルコールを摂取すると味の濃い食べ物や高カロリーの食べ物が欲しくなる傾向にあります。甘いお菓子などは、高カロリーで筋合成に必要な栄養素は皆無と言っても良いのでトレーニング後は控えましょう。
トレーニング目的別の効果的な運動とタイミング
ダイエット目的の場合(食前に有酸素運動)
脂肪を燃焼させるダイエット目的の場合、食前に有酸素運動を行うと効果があります。なるべく空腹を避けて行うと運動の効果も上がります。食後に軽く無酸素運動の筋トレを行うことで更にダイエットの効果が期待されます。空腹時の運動は、体脂肪を燃焼させる効果が高いです。
しかし、筋肉が分解されて筋肉量が落ちてしまうデメリットもあります。また、集中力がなくなりハードな運動は、効率が落ちてしまう可能性もあります。
筋肉目的の場合(食後2時間空けて筋トレ)
筋肉をつけることが目的のダイエットの場合、食後の2時間を空けて筋トレをすると効果があります。有酸素運動は、避けましょう。
満腹時の運動は、体脂肪の蓄積を防ぐ効率があり、エネルギーが満タンなのでトレーニングに力が出ます。消化不良が起きる、脂肪燃焼効果が低いなどのデメリットがあります。
目的別摂取目安量(筋肉を増やしたい人の場合、ダイエットをしたい人の場合)
筋肉量を増加したい場合、運動後のたんぱく質を摂取するのが望ましいです。たんぱく質は、体重1kgあたり0.28~0.3g、糖質は体重1kgあたり1時間に1~1.2g必要と言われます。
例えば体重60kgのアスリートの場合、運動後にたんぱく質15~25g、糖質60g(おにぎり小2個分)が望ましいです。ダイエット目的の場合もたんぱく質の摂取は必要です。たんぱく質が不足すると筋肉が分解してエネルギーを得ようとします。筋肉が落ちると基礎代謝が落ち、減量しにくい体になってしまいます。
糖質もエネルギーになるので運動後に摂取するべきですが、摂り過ぎるとダイエットの効果は薄れます。ダイエット中の運動後の場合、たんぱく質は10g前後、糖質は15~25g(バナナ1本分)が望ましいです。
トレーニング前後の食事についての知識や注意点まとめ
減量目的のトレーニングの場合、空腹時に運動することで脂肪燃焼効果がありますが、低血糖によるめまいや意識低下を引き起こす可能性があります。
ウエイトトレーニングが目的の場合は、たんぱく質を十分に摂取してから運動すると効果が高まります。トレーニング開始前には、食事の時間を逆算して消化吸収の良い食べ物を摂取しましょう。トレーニング後は、体の栄養の吸収が早いので出来るだけ早くたんぱく質など体に必要な栄養素を摂取しましょう。プロテインは、トレーニング後30分以内に摂取すると効果的です。
運動後のアルコールや甘いお菓子などの摂取は、控えましょう。ダイエットが目的のトレーニングの場合は食前に有酸素運動、筋力増加が目的の場合は食後2時間空けて筋トレをするとより効果的です.
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