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味噌の効果と発酵する仕組みについて 種類で違う味噌の味や香りと旨み

発酵食品が身体に良いのはわかるけれど、意識的に摂るのは面倒、と思っていませんか。

そんな私たちですが、実は毎日の食事で無意識に発酵食品を摂っていることにお気づきですか。

 

それは味噌汁です。そう、味噌汁で必ず利用する「味噌」こそ、私たちが無意識に摂ることができる発酵食品です。

 

それでは、優れた発酵食品「味噌」の効果と発酵する仕組みについてご紹介をしましょう。

 

味噌とは?

 

味噌は、私たち日本人が古くから馴染みのある調味料です。

 

蒸した大豆をつぶして、塩と米麹や麦麹、大豆麹でよく混ぜて漬け込むこと数カ月以上たつと、美味しい「味噌」が出来上がります。

 

〇日本の伝統的な発酵食品のひとつ

味噌は大豆を使った日本の伝統的な発酵食品のひとつです。原型となったのは弥生時代や縄文時代からという説もありますが、現在の形の味噌になったのは、奈良時代と言われています。

 

1000年以上もの間受け継がれてきた味噌は、私たち日本人にとって、最も身近な発酵食品になります。

 

大豆、米、麦を食塩を混ぜて発酵させたもの

主な原料は大豆で、そこに米や麦(穀物)に含まれる黄麹菌などの麹菌を繁殖させた麹や塩を混ぜ合わせ、発酵させて作ります。

 

味噌は、発酵することで大豆のタンパク質を消化しやすく分解し、旨みの元になるアミノ酸をたくさん作りだします。麹が多いと麹の原料のでんぷんが糖に変化して甘みが増え、大豆が多いとアミノ酸が増え旨みが増します。

 

地方によって特性がある

味噌は、長年作られてきた地方によってそれぞれの特性があり、色や味が異なっています。

 

赤みそ、白みそ

一般的に北関東や東北、上信越で作られている味噌を赤味噌、関西とくに京都周辺や広島、九州で作られている味噌を白味噌といいます。

 

赤味噌は大豆を蒸すのに対して、白味噌は大豆を煮ます。

 

また、関西や九州・中国四国のお味噌は麦麹を使いますが、それ以外の地域のほとんどは米麹を使っています。

 

 

赤味噌

白味噌

食べられる地方

東北・関東・上信越

関西・中国四国・九州

大豆の加熱方法

蒸す

煮る

米・麦

関西・中国は米 九州は麦

熟成期間

1年以上

数カ月

塩分濃度

11~13%

5~7%

 

赤味噌の方が塩分濃度が高いものが多いため、関東の味噌汁は塩辛い、とイメージされています。

 

しかし、一部ですが東京には江戸の甘味噌というものがあり、こちらは塩分が5~7%で、赤味噌でも九州の辛口麦味噌(11~13%)よりも甘い味噌になります。

 

また、上信越でも信州味噌はあっさとりした米麹の白味噌になります。

 

豆みそ、米みそなど

色が濃いと塩辛い、というイメージが強い味噌ですが、その最も間違った考えを受けてしまったのが、愛知県の「八丁味噌」です。

 

八丁味噌は、大豆を原料とするだけでなく、麹も大豆を使います。そのため、出来上がりの見た目が赤く濃い色になります。

 

しかし、味は、それほど塩辛くなく濃厚な旨みが特徴のお味噌です。

 

赤味噌が「塩辛い」というのは、東北や北関東の赤味噌で、八丁味噌は見た目とは全く違い、塩辛くありません。

 

 

赤味噌

八丁味噌

食べられる地方

東北・関東・上信越

愛知県

大豆の加熱方法

蒸す

蒸す

米・麦

大豆

熟成期間

1年以上

およそ1年

塩分濃度

11~13%

10~12%

 

 

味噌が出来るメカニズム

 

一般の家庭では市販されている麹を使ってしまうことがあります。

 

しかし、味噌だけでなく麹も手作りで作りたいという場合は、次のような行程で麹から味噌を作ります。それでは味噌づくりのご紹介です。

 

麹作り、仕込む

米を蒸して、そのまわりに種麹菌をまぶします。その後、温室で2日程度置くと米自体も麹へと変化していきます。

 

①主原料の大豆をよく洗い、一晩(18時間以上)水(大豆の3倍以上の量)に芯がなくなるまで、つけておきます。つけておく間にも何度か水を取り替えて大豆を洗います。

 

②大豆を煮ます。圧力鍋があると30分ほどで柔らかくなります。普通の鍋なら3時間以上かけて煮込みます。この間も、灰汁を取りながら煮続けます。

 

③指先でつぶれるくらいの柔らかさになったら、火を止めて手で触れるくらいまで冷めたら、大豆をつぶします。ミンチ状になるまでしっかりとつぶしましょう。

 

④つぶした豆は、25~35度になるまで冷まします。

 

⑤塩きり麹を作ります。塩と麹をよく混ぜます。この時、塩の影響で一度麹の中の麹菌が死滅します。その時に発生する酵素によって、味噌が発酵熟成します。

 

⑥塩きり麹と大豆をしっかりと混ぜ合わせます。硬さは耳たぶくらいの硬さにしましょう。

 

⑦家庭の場合、この後味噌を保存するための密封容器に入れます。入れる時は、大きな野球ボール位に丸めて、器の中に空気を抜きながら打ち込むように入れていきます。

 

⑧最期にラップをして、しっかりと数カ月熟成させます。

 

デンプンやたんぱく質を分解

麹菌は「菌」で人体には害のない「コウジカビ」というカビの1種です。コウジカビそのものは、塩切り麹を作った時点で死滅してしまっています。味噌作りはこのコウジカビから出る酵素が発酵に関わります。

 

この時、コウジカビから出る酵素が、デンプンを糖分に変え、たんぱく質を分解する働きをします。

発酵する時に、この酵素が味噌の主成分となる大豆、米・麦のたんぱく質や脂質・炭水化物に影響を与えます。

 

大豆のたんぱく質 は「旨み成分のアミノ酸」に、米や麦の炭水化物(デンプン) は「甘みのもとになる糖質」に大豆脂質は舌触りよくする「脂肪酸」になります。

 

これが、味噌の甘みや旨みのもとになります。

 

甘みや旨みがでる

米や麦はそのほとんどが炭水化物、つまり糖質です。ここで麦よりも米麹の味噌の方が、「甘み」が増し、大豆麹を使う八丁味噌は「旨み」が増します。

 

どんな麹を使うか、また麹と大豆の比率や発酵する時間によっても、甘み、旨みは違ってきます。熟成期間が長いほど、旨みは濃いものになります。

 

乳酸菌・酵母

味噌に使う麹の米や麦は、甘み成分の糖質となった後、乳酸菌と酵母を発酵させます。

 

酸味や香りをつくりだす

この時作られる乳酸菌が、味噌の酸味を作り、さわやかな味に仕上げます。そして、酵母がアルコール有機酸を、乳酸菌が乳酸有機酸を作り出し、独特の香りを作り出します。

 

味噌の種類

 

よく、濃い色の味噌は塩辛い、という人がいますが。それは本当でしょうか。

 

そこで、こちらでは地方とは、違った観点からの味噌の種類のご紹介をしましょう。

 

味噌の種類は豊富にある

料理のレシピでは白味噌・赤味噌と分けてしまうことが多い味噌ですが、同じ白味噌の中でも麹の種類や塩の量によって、味に違いがあります。

 

実際に味噌の種類は大きく分けても10種類以上と豊富にあります。

 

麹の種類

味噌が作られる発酵のもととなる麹の種類だけでも、米・麦・大豆と3種類あります。

 

米麹は、もっとも種類が多く色が濃く塩辛い味噌から、色が薄い白味噌で塩辛いものや甘いものまであります。

 

 

味 色 の分類

味噌の名前

米味噌

甘味噌

西京味噌・府中味噌・讃岐味噌

江戸甘味噌

甘口味噌

淡色

相白味噌

御膳味噌

辛口味噌

淡色

信州味噌・白辛味噌

仙台味噌・津軽味噌・越後味噌・佐渡味噌・加賀味噌・北海道味噌・秋田味噌

 

麦みそは九州や中国四国地方で多く作られていますが、関東でも埼玉県を中心に作られています。

 

 

     味 色 の分類

味噌の名前

麦味噌

甘口味噌

麦味噌

辛口味噌

麦味噌・田舎味噌

 

 

大豆

大豆麹を使った大豆味噌は、八丁味噌の他に三州味噌・三河味噌・名古屋味噌があります。

 

麹と塩の量

同じ材料でも麹と塩の量を変えることで、甘みや塩辛さが違ってきます。

 

麹量の多い白みそは甘く、少ない赤みそはコクがでる

麹量の多い白味噌は甘みが強くなります。少ない赤味噌は旨みが高くコクが出ます。

 

味噌の熟成期間

 

味噌づくりの本やレシピを見ると、おすすめしている人によって熟成期間が異なります。早い人では数カ月ですが、長い人になると1年以上という人もいます。

 

それでは、どれくらいの期間熟成させるのが最適なのでしょうか。

 

2,3ヶ月、半年くらいが一般的

味噌は大豆を煮たり蒸して柔らかくし、そこに麹と塩を合わせたものとよく混ぜて熟成させます。

 

しかし、色々な手作り味噌を紹介している味噌屋さんや、料理の専門家の人の中で、熟成の期間に大きな違いがあり迷ってしまうことはありませんか。

 

味噌づくりを本やサイトで調べると、この熟成期間が短い人と長い人がいます。早ければ1カ月で食べられます、という人がいる一方で、最低でも一年以上熟成させてください、という人もいます。

 

それでは、短期間発酵の場合と、長期間発酵の場合で、味噌はどう違うのでしょうか。

 

大豆は仕込みをする時期によっても違いがあり、4~6月に作り熟成させる夏熟成の場合は、2、3カ月くらいから食べることができます。

 

しかし、秋に作り冬に熟成させる冬熟成の場合は、半年以上置いてから食べるのが一般的になります。

 

短期間の場合…色が明るい、軽い、さっぱり

熟成期間が短い場合は、色が薄く味も軽めでさっぱりとしています。

 

長期間の場合…赤褐色となる、風味が増す、濃い

熟成期間が長い場合は、色がどんどんと赤褐色となり風味が増し、コクも増し濃いものなります。

 

味噌の効果と発酵する仕組みについて 種類で違う味噌の味や香りと旨みのまとめ

 

味噌は私たちにとって一番身近な発酵食品です。味噌は、利用する麹の種類や塩の量、熟成期間によって味も香りも全く違ってきます。

 

地方や色で決めつけずに、色々な味噌を使って自分に合った味噌を見つけて、味噌汁以外の料理も楽しんでみましょう。

 

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