発酵食品でおこなう菌活とは?毎日食べて美容と健康な身体を
菌活や腸活という言葉を最近どこかで聞いたことがある、そんな方はいませんか。様々な種類があって、健康や美容に良いということを聞いたこともある、という方もいることでしょう。
菌活のブーム到来により、発酵食品が見直されていますが、何か特別なことをしなければいけないのでしょうか。難しいと、考えてしまう方もいますね。
そんな皆さんのために、簡単で手軽にできる菌活をご紹介しましょう。
菌活とは?
健康や美容に良いらしいけれど、何かサプリメントを飲み続けなければならないなら難しいと、思ってしまうことありますよね。わざわざ購入したり、意図的に続けるのは簡単ではありません。
しかし、こちらでご紹介する菌活は、普段の食生活で簡単にできます。それは発酵食品の利用です。
菌を体に取り入れる美容・健康法
いつもの食品に菌が含まれるものを入れるだけで、菌を体に取り入れることができます。菌活によって得られることは美容と健康です。
なぜ菌活で美容に効果が表れるのでしょうか。
それは、善玉菌を体内に取り入れることで、便秘を予防し新陳代謝を上げます。便秘は肌荒れやニキビの原因にもなるため、便秘改善効果が見られる菌活は、美容にも効果があるということです。
健康面では、便秘の他に新陳代謝をアップすることで免疫力もアップします。免疫細胞の7割近くが集中している腸内環境が良くなることは、免疫細胞にとっても住みやすい環境になるということです。
免疫力が高くなると、風邪やインフルエンザにもかかりにくくなり、健康効果もアップします。
腸内環境を整えることが主な目的
菌活の一番の目的は、腸内環境を整えることです。
私たち人間の腸内には100種類以上、100兆個の菌がいます。特に、大腸はただ食べ物のカスをまとめるだけでなく、身体全体の健康状態を左右する大切な場所です。
菌活で腸内環境を整えることは、風邪やインフルエンザ予防だけでなく、アレルギー、肥満、自己免疫疾患といった様々な病気を予防する効果もあります。そのためにも、腸内環境を整えることが菌活の主な目的です。
きのこや発酵食品を摂取しておこなう
菌活は菌を持つ食品を取り入れて善玉菌の数を増やし、腸内の7割以上を占める日和見菌の数を善玉菌の働きへと向かわせることです。
菌活の中で、他の善玉菌と一緒に食してほしいのがきのこです。きのこは菌そのものが食べられる唯一の食材です。豊富な食物繊維も含むため、善玉菌の餌として最適です。
悪玉菌は、食生活以外にもストレスや運動不足、年齢でも増えてしまいます。
しかし、善玉菌は食品から摂取して行う活動になります。そこで善玉菌のもとになる、きのこや発酵食品を摂取して、菌活を行うようにします。
6つの菌
腸内細菌の割合は、
「善玉菌:悪玉菌:日和見菌」が「2:1:7」
になるのが理想です。
全く悪玉菌がなくなってしまうと、強烈な悪玉菌が入り込んでしまうため、在住の悪玉菌も善玉菌の半分は必要になるということです。
しかし、悪玉菌は食生活以外でも増えることができます。普通の社会で生活していれば、ストレス社会の今「悪玉菌がない」ということは、おそらくないでしょう。
それでは、代表的な善玉菌と取り入れ方をご紹介しましょう。
乳酸菌
善玉菌には代表的な6つの菌があります。乳酸菌は、乳酸発酵してできる漬物やヨーグルトなどの乳酸菌飲料に含まれる菌です。
乳酸球菌と乳酸桿菌があり、どちらも善玉菌の代表的な菌になります。
チーズやヨーグルトから摂ることができるのが動物性乳酸菌、漬物や味噌・醤油に含まれるのが植物性乳酸菌になります。
酵母菌
イースト菌とも呼ばれる酵母菌は、広義の意味では真菌全般になってしまいますが、一般的には狭義の、出芽酵母を意味します。
パンの発酵やビールやワインを生成する際に用いられる菌になります。
出芽酵母から抽出されたベータグルカンが身体に良いということで、最近は酵母菌のサプリメントやビール酵母のサプリメントなども作られています。
麹菌
米、麦、大豆などの穀物に「コウジカビ」などの食品発酵に有効な微生物を繁殖させたものを麹と呼びます。
麹菌には、黄麹菌・白麹菌・黒麹菌がありますが、味噌、醤油、日本酒、酢、味醂などを醸す麹菌のほとんどは黄麹菌になります。
麹菌の違いは、麹に含まれるアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼの3酵素力のバランスの違いで決められます。
酢酸菌
酢酸菌は、その名の通り食酢に含まれる菌ですが、国内ではナタデココ、紅茶キノコ、カスピ海ヨーグルトを生成する時に酢酸菌を使用しています。
アルコールの一種エタノールを酸化発酵して、酢酸を生産する「好気性細菌」の総称を酢酸菌といいます。好気性細菌とは、酸素に基づく代謝機構を備えた生物です。
糖や脂質を酸化してエネルギーにするために酸素を利用する、という働きをするのが好気性菌です。その総称を酢酸菌といいます。
納豆菌
枯草菌の一種で、稲の藁に多く生息し日本産の稲の藁1本には、ほぼ1000万個の納豆菌の芽胞が生息しているといわれています。
かつては、腸チフスや赤痢、病原性大腸菌などの菌の増殖を抑える働きがあることから、腹痛や下痢の治療に使われていたという説もあります。
納豆菌は非常に強く、麹菌や虫歯の原因菌も形を変えてしまったり働きを抑制してしまいます。そのため、日本酒の杜氏や、チーズを作る人は仕込みの時期、納豆を食さないよう注意します。
酪酸菌
酪酸菌は、動物の腸内にはもともと存在する菌です。整腸作用がある、大腸がんを抑制する作用があるとされている酪酸菌ですが、まれに自然の酪酸菌の中に、ボツリヌス菌を産生する株があるため、食中毒の原因になることもあります。
菌活におすすめの発酵食材
菌活を意識的に行うのは、難しくなります。そこで、毎日の生活で何気なく取り入れる工夫をしてみましょう。
毎日取り入れやすい食材
まずは、毎日取りやすい食材を使って、善玉菌を摂取します。皆さんは、どんな食材なら毎日食べても飽きないでしょうか。
味噌
味噌は、麹菌の他に酵母菌や乳酸菌が含まれています。
味噌汁や味噌カツ、味噌漬け、味噌ダレなど調味料として利用することができるため、毎日手軽に摂ることができます。
納豆
菌活をするうえで、一番好みが解れる納豆ですが、納豆に含まれる納豆菌は、様々な菌を抑制したり形を変えて働きを抑えるがこともできます。そのため、腸内の悪玉菌と戦うことができる強い味方です。
原料の納豆そのものも、高たんぱくで低カロリー、たくさんの無機質を含む優良食材です。不飽和脂肪酸も多く含まれますので、毎日摂ってほしい食材です。
キムチ
発酵食品のキムチには、植物性乳酸菌が豊富に含まれます。ぬか漬けと違い洗わずに食べることができるため、キムチの発酵に使われた乳酸菌をそのまま摂ることができます。
また、原料の白菜を始めとする野菜からも食物繊維やビタミンCを摂ることができます。
納豆と合わせると、さらに健康・美容効果がアップする食材です。
ぬか漬け
ぬか漬けも、乳酸発酵した食品です。植物性乳酸菌を多く含み、野菜からビタミンCや食物繊維を摂取できます。その上、ぬかからも多くのビタミンB群や、コレステロール値の上昇を抑える不飽和脂肪酸を摂ることもできます。
酢
酢酸菌を含む酢は、酢酸菌の他に、麹菌や酵母菌を多く含みます。
抗菌作用も高く美容効果も高い酢ですが、菌活で使用するなら砂糖が含まれるフルーツ酢ではなく、「醸造酢」を選ぶようにしましょう。
菌活に適した食材
その他にも、菌活に適した食材を続けてご紹介しましょう。
ヨーグルト
ヨーグルトは、菌活では必ず名前が出る代表的な食材の1つです。ヨーグルトには、乳酸菌、酵母菌が含まれます。中でも乳酸菌は、善玉菌が腸内環境を整え腸の働きをスムーズにすることでご存知の方がいらっしゃることでしょう。
美容を考えた菌活の食材選びなら、余分な糖を摂らない無糖のヨーグルトがおすすめです。
ピクルス
ピクルスは野菜の酢漬けです。
酢そのものを摂るよりも、漬物として摂る方が食事の1つとして摂ることができますね。酢をそのまま飲むというのは難しいので、ピクルスから摂ってみましょう。
ワイン
ワインだけではありません。日本酒やビール、甘酒などにも酵母菌は含まれています。お酒はアルコール発酵の段階で発酵食品となります。
アルコールですので適度な量を嗜む程度にしましょう。
チーズ
チーズは、菌活によい食材の1つと言われています。種類によって菌の量は異なりますが、乳酸菌や酵母菌などが含まれています。
チーズはそのままでも、お菓子の材料や料理の材料にもなります。様々なメニューに活用できますが、塩分が多いので摂りすぎには注意しましょう。
菌活のポイント
菌活といっても、普通の栄養素を摂ることも大切です。食物繊維やたんぱく質、糖質、脂質、無機質、ビタミンと全ての栄養素をバランスよく摂ることが一番の重要ポイントになります。
1品食べはしない
バランスの摂れた食生活のためにも、1品食べはしないようにしましょう。できるだけ、毎食10種類の食材を取り入れ、その中に菌活食材を数種類摂るようにすると、健康にも美容にも最大限の効果を発揮します。
複数の食材から豊富に栄養を摂る
ぬか漬けやヨーグルトを単体で摂ると、塩分や動物性脂肪分の摂りすぎになります。他の野菜やご飯、味噌汁などを一緒に、豊富に栄養を摂ることが大切です。
無理なく摂りいれていく
毎日これを食べなければ、とあまり意識をしないでください。無理なく食べられる範囲で自分に合った菌を取り入れやすい食事を選択するようにしましょう。
発酵食品でおこなう菌活とは?毎日食べて美容と健康な身体をのまとめ
腸内をスムーズに活性化するために、必要なものが菌です。そして、それを毎日摂り入れて、美容や健康に生かすのを菌活といいます。
皆さんの周りにある発酵食品は、こんなにもたくさんあります。アレがないからできない、ではなくあるものからできるのが菌活です。
皆さんも、好きな発酵食品を摂って、上手に菌活をしてみましょう。
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