発酵食品に関わる仕事や資格について研究開発やアドバイスの仕事は?
発酵に関わる仕事がしたい、と思った人はいますか。子どものころ荒川弘の「銀の匙」、石川雅之の「もやしもん」を読んで、発酵食品に関する仕事をしてみたいと思った人もいるのではないのでしょうか。
こういった作品の人気で、大学の農学部や生命科学部・食品学科は人気が高く、年々レベルを上げています。
発酵食品を扱うメーカーはたくさんあります。
しかし、どんな仕事があるのか、そしてどんな資格が必要なのか、なかなか解りにくいかもしれません。
そこで、今回は、発酵食品に関する仕事や資格についてご紹介をします。
発酵に関わる仕事
発酵に関わる一番の仕事は「食」に関する仕事です。チーズやヨーグルトメーカー、お酒メーカー、味噌や醤油のメーカーが主です。
しかし、それ以外にも「酵母」を利用した健康食品や肥料、中には燃料を生み出す研究をしていることもあります。
食品以外では化粧品や化学薬品メーカーもあります。
発酵食品メーカー
発酵食品メーカーと言えば、「味噌」や「醤油」を製造販売しているメーカー、「チーズ」や「ヨーグルト」を製造販売しているメーカー、「ワイン」「ビール」「日本酒」などを製造販売しているメーカーがあります。
さらに、肉や魚・野菜を会社経営で製造しているベンチャー企業の中には、肥料や餌に発酵食品を使用するなど、研究職の大学生が活躍を始めています。
販売、企画、製造
こういった発酵食品メーカーは、自社で企画・研究・製造・販売までを全て社内で行っています。
その中で「理系」出身者の皆さんは、企画・研究・製造のいずれかで仕事をすることを目標にされるのではないでしょうか。
文系の方は、企画や運営、販売・営業にかかわることになるのではないでしょうか。
醸造・発酵技術者
醸造・発酵技術者は資格が必要です。酒造技能士は実務経験が必要となるため、高校や専門学校、大学を卒業後2年、7年と実務経験を積んで始めて「酒造技能士」の資格を取ることができます。
大学
大学では、東京農業大学は当然のことながら、京都府立大学・三重大学・立命館大学・東海大学をはじめとする「醸造家」「農学部」「生命科学部」「食マネジメント」などの学部学科で研究をすることができます。
発酵技術を学ぶことができる大学はさらに多く、東京大学・京都大学・北海道大学といった全国の国公立大学の農学部、東京薬科大学・北里大学といった医歯薬系大学の生命科学系学部で勉強することができます。
その中で一番特殊な大学が山梨大学生命環境学部地域食物科学科「山梨大学工学部ワイン学科特別コース」です。こちらでは6年間ワイン製造のプロになるための勉強と研究を身につけることができます。
管理栄養士の資格
女子学生の場合は、家政学部系大学の食物学科や管理栄養士コースで管理栄養士の資格を取得すると、企画や運営、研究の仕事に就き、実務経験を積むことができます。
専門学校
専門学校では、東京バイオテクノロジー専門学校という、発酵や醸造を学ぶ専門の学校があります。専門学校という名前ですが4年制で卒業後は各大学院への進学をすることもできます。
通信教育
このほかに通信教育で取ることができる資格には、「発酵食健康アドバイザー」「有機美容発酵食品マイスター」「健康食品コーディネーター」「発酵マイスター」「発酵食スペシャリスト」といったものがあります。
発酵食品技術職に必要なこと
発酵食品技術職に必要なことは、食品や発酵に必要な免許やスキルを学べる学校で資格を取ったり、研究をして実績を上げることです。
他にも、試験醸造所免許を持つ学校で専門的な知識や技術を身につけることも必要です。
微生物に関するバイオテクノロジーの知識や技術
微生物に関するバイオテクノロジーの知識や技術は、すべて専門的な言葉ばかりです。他にも、実験器具や装置の使い方、薬品の取り扱い方を身につけることも必要です。
しかも、就職後グローバルな仕事をする人もいるため、専門的な言葉の英語学習やコンピューター解析の知識も必要になります。そして、何よりも「研究」が何よりも好きなことが重要なのです。
有利な資格
それでは、発酵食品技術職に就くため、またその中で自分が望む資格を活かすために有利な資格をご紹介しましょう。
バイオ技術者認定試験
バイオ技術者認定試験初級は農業高校を卒業した学生でも合格可能な、日本バイオ技術教育学会(民間)の資格です。
中級以上になると、大学、短期大学および専門学校のバイオ技術に関する課程の卒業生か、高校卒業後実務経験3年以上経った人に受験資格があります。
上級は、大学のバイオ技術に関する課程の3年次修了見込み以上の人が受験することができる認定試験になります。
危険物取扱者
危険物取扱者の資格は、「甲乙丙」があります。丙種は誰でも受験することができますが、甲種は大学または短期大学・専門学校などで「化学」に関する必要単位を取得した人、「化学」に関する15単位を取得した人に受験資格が与えられます。
物理学や化学の知識の他に、危険物に関する法令、危険物の性質、火災予防、消火の方法などの勉強が必要になります。
甲種は、全ての種類の危険物についての取扱いと立会いができますが、乙種は次の6種となっています。
乙種第1類 |
次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化性固体 |
乙種第2類 |
硫黄、マグネシウムなどの可燃性固体 |
乙種第3類 |
リチウム、ナトリウムなどの自然発火性物質及び禁水性物質 |
乙種第4類 |
エタノール、灯油、ガソリンなどの引火性液体 |
乙種第5類 |
ニトログリセリンなどの自己反応性物質 |
乙種第6類 |
硝酸、過酸化水素などの酸化性液体 |
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、1日6時間以上の講習を受けることで修了書を受けることができる公的資格です。栄養士や調理師・医師の有資格者や大学で農生化学部卒の人は講習を受けることなく取得できます。
醸造技術者になるには?
それでは受像技術者になるにはどうしたらいいでしょうか。
高校卒業→専門学校または大学→メーカーまたは研究機関に就職が一般的
「銀の匙」では、元々中高一貫の進学校にいた主人公の少年が、受験勉強に疲れて農業高校に進学、農業高校でチーズやワインの研究をしたいという友人たちと出会い、会社を立ち上げようとする物語です。
物語はまだ途中ですが、結果的に会社にするために必要な資格があることを知り、結果的に大学進学をすることになります。
発酵や醸造に関する仕事は、高校を卒業してもなれないことはありませんが、専門学校や大学に入学し、そこで必要な単位を取得し卒業、メーカーや研究機関に就職することが一般的です。
発酵に関わる資格
それでは、普通の高校を卒業した後、特に生化学系の勉強をしなければ発酵に関わる仕事ができないのでしょうか。そんなあなたのために、卒業後も取れる発酵に関わる資格をご紹介しましょう。
発酵食健康アドバイザー
発酵食健康アドバイザーは、発酵食品だけではなく発酵食品を利用した料理などの幅広い知識が必要な資格になります。
発酵食品を食べることだけではなく、微生物の働きや人体への有益性、例えば腸内環境正常化や代謝アップ作用、発酵食の作り方、発酵食品を生活に取り入れる方法など、幅広い知識が必要になります。
この発酵食健康アドバイザーの資格は、発酵食品・発酵食食品を利用した料理について、非常に幅広い知識を持っているということを証明することができます。他の資格に比べ、勉強する内容が濃く、覚える範囲も幅広いため、意外と難易度が高くなります。
資格取得後は様々なアドバイスができるようになるので、人気が高い資格でもあります。その知識を利用して、講師として活躍することもできますよ。
有機美容発酵食品マイスター
有機美容発酵食品マイスターは、発酵食品に関する幅広いノウハウに関する知識が必要な資格です。
主に、発酵の過程をより詳しく理解し、発酵食品の働き、健康や美容に関しての効果など知識になります。
美容とついていますが、発酵食品は健康への効果も非常に高いものですので、男女関係なく資格取得を目指すことができますよ。
この資格は、飲食店だけではなく、病院・介護施設など人の健康を考える仕事や、食育に関わる仕事など、多くの仕事に生かすことができます。
日本安全食料料理協会(JSFCA)が主催している発酵食品の資格です。
発酵プロフェッショナル
発酵プロフェッショナルは、発酵マイスターの上の資格です。日本発酵文化協会の資格です。
発酵食の魅了として、「日本の発酵食品」清酒・焼酎・食酢・みりん・納豆・そのほか日本各地の発酵食品についての講座「発酵食品の上手な使い方」栄養学・消化と吸収・味覚・腸内細菌・発酵食品の活用方法などの勉強をします。
このほかに、グループワークでは日本各地で発酵食品を根付かせるために、プロフェッショナルとしてやる活動などの勉強もします。資格を持つためには、試験と面接もあります。
醸しにすと
発酵食スペシャリストの資格の1つ「醸しにすと(かもしにすと)」があります。
醸しにすとという発酵食スペシャリストは、味噌や醤油などの調味料やその地域独自の漬物や海外の珍しい発酵食品まで、国内外の発酵食品に詳しくなれる資格です。
今まで馴染みがなかった発酵食品や調味料も使いこなせるようになります。一般社団法人ホールフード協会が運営する通信講座の修了で認定される資格です。
発酵食の選び方から、調理のコツまで、詳しく学びながら、発酵食レシピをマスターすることができます。
講座修了で資格を取得できます。勉強をして試験を受けるのが苦手な人にはおすすめの資格です。
発酵食品に関わる仕事や資格について 研究開発やアドバイスの仕事は?のまとめ
発酵食品のプロは、研究や開発技術職から、発酵食品を活かした食生活のアドバイスをすることができます。
発酵の資格を持っている人には、本を出したり、サイトでレシピを紹介している人もいますよ。
大手メーカーの研究職はかなりの狭き門です。目指す人は日々すべての勉強を頑張って下さい。
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