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流動食とはどのようなものかと、作り方について

介護食でも家庭で与えることができる一番やわらかい段階の食事です。固形物は全くなく、トロトロの液体になります。刺激がなく全く噛むことができない、飲む力もかなり弱っている高齢者などに適しています。

ほとんど形がなく味も薄味な食事形態になります。

流動食とは?

乳児が食事を始める順番と逆になるのが介護食です。

しかし、その中で乳児にはないのが流動食になります。乳児にとっての流動食は、母乳になります。

高齢者の場合は、それと同じくらいの濃度のものを食材で作ることになります。

固形物を除去した流動タイプの食事

流動食は固形物を完全に除去した流動タイプの食事です。液体よりは少しとろみがありますが、ミキサーよりは薄くなります。

しかし、サラサラになり過ぎると飲み込む時に誤嚥を起こしてしまいます。そこで、液状だけれど液体ではないぎりぎりの濃度の食事になります。

液状で全く噛まずに摂取することができる

液状で噛まずに摂取することができるのが、流動食です。咀嚼や嚥下に障害がある人に適した食事形態になります。

ミキサー食でもむせるような状態になったら、流動食に変えた方が良いかもしれませんので、病院の医師や看護師、介護の専門の人に相談をしましょう。

流動食の条件

流動食の条件は、噛まずに摂取できることです。そのため、固形物は全く残らないようにしっかりとミキサーにかけるか、裏ごしをします。

かまずに摂取できる

一番の特徴は、噛まずに飲み込むということです。

しかし、飲み込む力も弱くなっているとも考えられますので、あまりサラサラした液体でも誤嚥しないように工夫も必要です。

消化がよい

消化が良いので、小食になった高齢者でもしっかりと吸収することができます。胃腸が弱った人でも利用できますので、若い人の中でも術後などに口にすることがあります。

刺激が少ない

飲み込むだけのため、誤嚥を防ぐために香辛料などを使わず刺激が少ないようにします。香辛料や酸のものは、むせてしまうため避けるようにしましょう。

味が淡白

濃い味付けは、のどを通る時にむせたり誤嚥の原因になります。そのため、薄味で香辛料や酸などの刺激的な味も避けます。薄味で淡白なものが特徴です。

口当たりが良い

飲み込むためには、口に入れてボソボソするものは使うことができません。のどからするっと入っても、間違って気管支に入らないような、口当たりが良いものを用意しましょう。

流動食が向いている人

流動食は薄味で刺激が少ないといっても、自ら胃腸でしっかりと消化吸収ができなければなりません。そのため、咀嚼や嚥下に障害があっても、腸の機能がしっかりしていることが大切です。

咀嚼・嚥下障害があるが腸は機能している人

軟菜食やミキサー食では、口をもぐもぐすることも難しい咀嚼や嚥下障害がある人が対象になります。

その中でも、内臓が機能をしていることは重要で、自分の腸で消化吸収できることが条件になります。

流動食の種類

流動食の中には、いくつかの種類があります。

流動食にするほど体力がない人の多くは、持病を持っている可能性もあります。すると、普通の流動食では、体調を悪化させてしまうかもしれません。

同じ流動食でも、利用する高齢者によって個々に変える必要があります。

普通流動食

一般的な流動食です。飲み込む力や噛む力が弱ってしまい、自分の口で食べ物を粉砕できない高齢者に利用します。

内臓疾患の大きな病気がないことが条件になります。

固形物の咀嚼ができない場合

一般的な流動食は、固形物などの咀嚼ができない場合に使われます。高齢者の中でも、歯や顎、嚥下に障害がある場合、ミキサー食ではむせてしまう場合は、こちらに変えることもあります。

術後、絶食後など一時的な利用も

高齢者以外でも、大きな術後の絶食後に一時的に利用することもあります。もちろん高齢者の場合も同じです。術後しっかりと完治したら、徐々に普通の食事へと戻してあげましょう。

濃厚流動食

流動食そのものが量が少ないため、カロリーを充分に摂れない場合があります。元々食が細く体重減少傾向にあると、体力も衰えて生活に支障が出ることもあります。

少量で高カロリー、栄養バランスが整っている

小食で体力が落ちてしまう、体重がどんどん減少しているといった場合は、少量でも高カロリーの濃厚流動食を利用しましょう。

痩せ気味の高齢者は、体重の減少が肺の病気や、骨粗鬆症を重症化させてしまうこともあります。

気を付けてあげましょう。

特殊流動食

持病がある場合は、摂る栄養も異なってきます。病気に合わせた流動食を利用することも大切です。

疾病に対応させた食事

高齢者の持病といっても、肺や心臓といった循環器の病気だけではありません。腎臓や肝臓、すい臓など弱っている臓器の部位や、病名に合わせて食事の内容も変えてあげましょう。

腎臓病における低たんぱく質食

腎臓病の高齢者は腎臓保護のために、たんぱく質を制限しながらも体たんぱく質異化という症状を防ぐために、エネルギーを必要とします。

若い人は高たんぱく低脂肪といいますが、こちらは低たんぱくで糖質や脂質をしっかりと取れる食事内容を考えます。一般的な流動食は高たんぱくを目的としたものが多くあります。

難しい時は、専門の流動食を利用することも必要です。

膵炎における低脂肪食

膵炎を起こしている時は、低脂肪食になります。特に、急性膵炎は膵液分泌の刺激が強くなるため、脂肪の摂り過ぎで悪化してしまいます。

そのため脂肪制限摂取の流動食になります。

循環器疾患におけるナトリウム制限食

循環器に異常がある場合は、血管の流れが悪くなることを防ぐ必要があります。

しかし、循環器疾患になると、体重が落ちる人もいます。そのため、脂肪分で血液がどろどろになることを調整するよりも、ナトリウムを制限した食事で血管の流れが悪くなることを予防しましょう。

流動食の作り方とポイント

流動食の基本はご飯を使った主食になります。

ご飯を摂ることで、糖質をしっかりと摂取しエネルギーを保持するようにします。

主食

主食はご飯にしましょう。パンや麺はミキサーにかけても食べやすい濃度にすることは難しくなります。

米は水加減で固さを調整することができますので、介護食に最適です。

お粥の上澄み液である重湯

お粥をご飯と一緒に炊いて、上澄み液の重湯を利用することができます。味も淡白で癖がなく、糖質を摂ることができるため、介護食にはお粥を利用しましょう。

炊飯器の真ん中に、少し高めの湯飲みを入れ、その中にわずかな米粒と水を入れて炊くと、中はかなり重湯に近い粥ができます。

栄養の補完

米はほとんどが糖質のため、他の栄養も必要になります。重湯と一緒に食べることで、たんぱく質やエネルギー、ミネラルを補う食材を考えましょう。

重湯にエネルギーやたんぱく質を補う食材を加える

重湯は必須アミノ酸のリシンが不足しています。このリシンを多く含む食品と一緒に摂ると、その食品のたんぱく質量に、米のたんぱく質量が加わった数値に変わります。

これをたんぱく質の補足効果といいます。

病気による流動食ではない限りは、組み合わせでたんぱく質を摂ることも大切です。そこで、卵や牛乳、豆乳などを利用して少しでもたんぱく質量を増やすようにしましょう。

卵黄

卵黄はコレステロールやビタミンAを豊富に含む食材です。たんぱく質も摂りやすく、とろみもつけやすいためできるだけ毎日利用しましょう。

牛乳、豆乳にバター、生クリームや脱脂粉乳、チーズを加える

牛乳や豆乳、バター、生クリーム、脱脂粉乳、チーズなどの乳性品は色々な食材と合い、またとろみをつけることもできます。

更に、たんぱく質、脂質をしっかりと摂ることができるため、特定の病気以外の高齢者に適した栄養を含む食材になります。

たんぱく質量を増やす場合

栄養の補充として特にたんぱく質を増やす場合は、次のような食材を利用しましょう。

卵、白身魚、豆腐などを加える

卵・白身魚・豆腐は高タンパク質の食材です。上手に使うと、とろみがつき食べやすくすることもできます。食材のとろみをつけるときにも利用しましょう。

流動食を調理するときの注意点

流動食を調理する時には、どんな注意点があるのでしょうか。

衛生面はもちろんですが、それ以外の注意点について調べてみましょう。

1食当たりのカロリーが低い

流動食は、どうしても1食当たりのカロリーが低くなります。高齢者の場合は、咀嚼や嚥下能力も低下していますので、一度にたくさん食べることもできません。

そこで、食材などでカロリーが高いものを使う工夫をしましょう。

3食+おやつなど回数でエネルギーを補う

小さな子どももそうですが、1回で食べられる量では栄養が充分に摂れるわけではありません。そこで、3食の他におやつなどを数回摂って不足したエネルギーを補いましょう。

基礎代謝(1200kcal)を上回るよう濃厚流動食も用いる

高齢者の1日の基礎代謝(命をつなぐために必要な最低のエネルギー)が1200kcalになります。

流動食でもそれを上回るだけの量を摂るようにしましょう。

誤嚥を防止

高齢者にとって気を付けなければならない障害に、誤嚥障害があります。誤嚥をしてしまうと、誤嚥性肺炎を起こしてしまい、命の危険もある事故です。

健康に見えても飲み込む力が弱っていると、誤嚥を起こすこともあるため気を付けましょう。

皮や粒が残らないよう、濾す

ミキサーにかけても筋や皮、粒が残ることもあります。できるだけミキサーでつぶしますが、食べる時には一度確認をしましょう。

裏ごし器があれば、裏ごしをするという方法もあります。

とろみをつける

液体がサラサラでも、勢いよく飲み込んでしまい誤嚥の原因になります。寒天やくず、かたくりなどを利用して、スープなどはとろみをつけてあげましょう。

低栄養を防止する

高齢者は一度にたくさん食べることができません。

若い人でダイエットを目的としている人には絶対に避けたいような食材を、しっかりと高齢者の流動食に利用しましょう。

家庭で作る場合は、低栄養になりがち

家庭で作る流動食では、栄養が偏ったりエネルギーが不足してしまいます。低栄養になりがちなため、家庭で作る流動食だけでなく、市販のものも利用しましょう。

高栄養・高カロリー食で補う

味も淡白になりがちな流動食ですので、高栄養・高カロリー食で補いましょう。高齢者向きの高カロリー食は、ちょうど良いとろみがあるスムージーのようになっています。

市販の濃厚流動食は開封したら飲み切る

家庭の流動食を基本に、おかずは市販の濃厚流動食を使うのも1つの方法です。

しかし、高齢者が利用する流動食には添加物などが入っていないこともあります。濃厚流動食は、開封をしたら飲み切るようにしましょう。

流動食レシピ

それでは、基本の流動食のレシピをご紹介しましょう。

定番の野菜スープです。

材料(2人分)

・にんじん 20g(2cmくらい)

・玉ねぎ 30g(1/4個)

・キャベツ 30g(葉1~2枚)

・かつおぶし 15g

・水 300cc

・塩 少々

・片栗粉 少々

作り方

①野菜は皮をむいて、小さ目に切ります。

②鍋に水、かつおぶしを入れて出汁を取ります。

③だし汁に小さく切った野菜を入れ、火が通るまで煮ます。

④塩を加え味を整え火を止め、具が入らないよう裏ごし器を使って濾します。

⑤ほんの少し、片栗粉でとろみをつけます。

流動食とはどんなもの?作り方も合わせて紹介します!のまとめ

流動食は、簡単なようで難しい食事形態です。介護はそれだけでも体力が必要な作業です。

特別に流動食を作ることをせず、市販のものを利用するのも1つの方法になります。

持病などがある場合は、介護食専門会社の流動食の利用の方が安心という場合もあります。

無理をせず介護をする人にとって時には息抜きも必要ということも、忘れないようにしましょう。

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