食育の必要性や食について知っておくべきこと
食育は、いまや日常生活に欠かせないものになってきました。食についての問題は幅が広く、食事摂取について多くの問題が生じる、栄養成分の問題、病気との関連性、食品の安全性など食に関しても様々な視点からの問題点があります。
食育は、働いている20代から50代の人だけの問題ではなく、離乳食を摂取するようになった子どもから80代〜90代の高齢のお年寄りまで関わっている問題であり、決して人事ではありません。
なぜ、そのくらいの幅広い年齢層でも食育が必要と言われているのか、食育にはなにが重要なのかなどを詳しく説明していきます。
食育の必要性
食育は子どもからお年寄りまで、全ての人に必要なもの
食事は、私たち人間が毎日欠かさずに行う日常生活の習慣の1つです。生きていくうえで食べることは、欠かせない大切なことなので食育は子どもからお年寄りまで全ての人に必要なことなのです。もちろん、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層なので食べる食事内容や食べる量は異なり、気をつける点も異なってきます。年齢層に分けて大まかに説明していきます。
子ども(幼少期〜小学生)は、栄養バランスが整った食事をきちんと摂取し味つけにも気をつけます。栄養バランスと味つけ(味覚)は、子どもの頃に形成されたものが基盤になるので子どもの頃からきちんとバランス良く手作りの食事を3食摂取する必要があります。
また、マナーを身につける、食事を楽しみな時間にする、家族や友だちとコミュニケーションをとる大切さを学んでいく必要があります。中高生、大学生になるとサークルや習い事などが盛んになり、家でゆっくり食べることが難しくなります。すると栄養が偏ることやひとりでご飯を食べる機会が多くなります。
また、女性は、体型を気にして過剰なダイエットをする人が多くなっていますのできちんと栄養バランスを考えて食事を摂取する必要があります。社会人になると忙しくて自炊をせずコンビニ弁当や惣菜、外食に頼ることが多くなります。そこで栄養バランスが崩れ、肥満になる、生活習慣病になるリスクが高くなります。
さらに、ストレスも多いので栄養バランスの乱れに加え身体への悪影響が大きくなります。お年寄りになると加齢による影響や身体を動かす機会が減る、義歯が合わないなどの影響で食べる量がぐっと減りますよね。そうなると低栄養になりやすいです。低栄養になると病気になりやすく、認知機能低下、骨量減少など大きな影響があります。
このように様々な世代に個々の問題があり、ひとつひとつ注意して食育に取り組む必要があります。
食育は特別なことではなく、継続的な習慣づけが重要
食育とは、学校や地域にわざわざ学びにいくものではありません。学校や地域のイベントに参加するのはもちろん大切なことですが、食事の基盤は家庭です。家庭で毎日食べている食事から食べる力、生きる力を学んでいきます。
ご飯が美味しいね、楽しいねと話をするのもいちばん最初は、家庭でしたよね。お箸の持ち方や食事の挨拶、マナーを教えてもらったのも家庭が最初ではないのでしょうか。そのように家庭で知ったこと学んだことが食育の基礎になります。なにか特別なことを学ぶ必要はなく、毎日の継続的な習慣が大切です。
「こ食」の傾向と影響
弧食、個食、固食、粉食、小食、濃食
食の問題で大きな影響があるのは、子どもたちです。成長途中であり心身の影響を受けやすい子どもたちが抱えている問題に「こ食」があります。「こ食」には様々な問題点があり、知っておくべきことがたくさんあるのでひとつずつ紹介していきます。
「弧食」は、1人でご飯を食べることです。現代ではあまり珍しくないかもしれません。こうなると食事は、コンビニ弁当や惣菜などと疎かになり、会話をする相手がいないので会話もなく食事が憂鬱なものになります。
また、好き嫌いやマナーを注意してくれる人がいないので社会に出たときコミュニケーションやマナーで恥をかくことや困ることがあります。
「個食」は、家族それぞれが自分の好きな食べ物を食べることです。もちろん栄養は偏り、家族みんなで食事をしていても美味しさや楽しさを共有できず弧食と変わらない状態になってしまいます。
「固食」は、自分の好きな決まったメニューのものしか食べないことです。これも栄養が偏ります。また自分の意見しか押し通さないわがままで協調性がない子どもになってしまいます。
「粉食」は、パンやパスタなど粉製品の主食を好むことです。パンやパスタなど味付けする必要があるのでさらにカロリーが高くなります。腹持ちもお米に比べると良くないので間食が増えてさらに肥満に繋がります。
「小食」は食べる量が少ないということです。食べる量が少しだけですと低栄養や発育不全になり身体が弱くなりがちです。
「濃食」は味が濃いものを好んで食べることです。まだ味覚が完全ではないうちから濃いものばかり食べていると徐々にもっと濃い味のものを求めるようになります。素材そのものの美味しさもわからなくなってしまいます。そのうえ塩分や糖分が多いので身体へ悪影響や肥満になる可能性が高くなります。
栄養バランスの重要性
生活習慣病の子どもが増加している(偏った食生活などが原因)
生活習慣病は、大人だけの病気だと思っていませんか。いまや大人だけではなく子どももかかる病気なのです。大人同様に長年の偏った食生活や運動不足が主な原因になり、糖尿病や心筋梗塞、高血圧などになってしまいます。
適切な栄養バランスや摂取カロリーなどを親がきちんと管理してあげないと子どもが病気になり、苦しむことになります。食事の管理は、親の義務です。親が子どもを守ってあげる必要があります。子どもの頃にきちんとしていれば、大人になってからも規則正しい食生活を送ることができるのです。
○食事バランスガイドを取り入れ、「何を」「どれだけ」食べたら良いのかを考えられるようにする(主食、主菜、副菜、乳製品、果物)
肥満を防ぐために低カロリーの食材を使ってご飯を作る、摂取量を減らすなどをすれば確かに肥満予防にはなりますが、栄養バランスは崩れています。きちんとバランス良く摂取することが必要なのです。
しかし、何をどのくらい食べるべきかわからない人は多いですよね。そんなときに「食事バランスガイド」がとても役に立ちます。「食事バランスガイド」とは、健康的な食生活のために摂取する食品の組み合わせや摂取量をイラストで示した図になります。
コマの形をしており、上の大部分を占めているのが「主食(ご飯やパンなどの炭水化物)」、その続きに「副菜(野菜やきのこ、芋などのミネラルやビタミン)」「主菜(肉、魚、卵などのタンパク質)」があり、「牛乳・乳製品(牛乳やヨーグルト、チーズなどのカルシウム)」「果物(りんご、みかん、苺などのビタミンCやカリウム)」と5つに分類されています。
大部分を占めているものほど多めに摂取し、全ての分類されたカテゴリーを摂取していく必要があります。一部分だけ多い場合や少ない場合、コマは不安定な形になって回ることができなくなってしまうのでバランス良く摂取しましょう。
毎日、このコマのような綺麗な形になるような食事を摂取することが効果的ですが、毎日は、難しいので1週間で帳尻が合うように調整することも有効ですよ。できる範囲で無理なく実施していきましょう。
食育の必要性や食について知っておくべきことまとめ
食育の必要性を改めて理解して頂けたのではないでしょうか。特に難しいことはなにもなく、子どもからお年寄りまで楽しく食事を摂ることがいちばんの食育ですよね。
子どものときからの食育が大きく左右すると言いましたが、大人やお年寄りになってからでも遅いことはありません。大人になった今からでも食生活について見直してみるのは、心身の健康に効果的で病気予防にも繋がります。
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健康食・食育の資格
- 薬膳調整師認定試験
- 薬膳の基礎知識、薬膳に対する一定以上の理解、漢方的な観点から見た各種食材の効能などの知識を有する人に対し与えられる資格です。
- 薬膳資格詳細を見る
- 漢方コーディネーター認定試験
- 漢方・漢方薬に対する基本的な知識、漢方独自の診断方法や養生などへの理解が一定以上あると認められた人に対して認定される資格です。
- 漢方資格詳細を見る
- 食育健康アドバイザー認定試験
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食育健康アドバイザーとして、食育の基本的な知識を有していることを認定されます。
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- 幼児食マイスター認定試験
- 子どもの成長に合わせて栄養バランスを考えた献立を作ることができる知識や離乳食から幼児食に変える時期、幼児食に向く食材・不向きな食材など幼児食に関する知識を有する人に対し与えられる資格です。
- 幼児食資格詳細を見る
- スーパーフードアドバイザー認定試験
- スーパーフードアドバイザーはスーパーフードが具体的にはどのような食品や種類があるのか把握し、それぞれの食品がどのような健康効果や美容効果があるのかを理解された方に認定される資格です。
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- 発酵食品マイスター認定試験
- 発酵食品マイスターとは、発酵食品に関する幅広い知識を有していることを証明する資格です。
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- 酒粕・糀マイスター認定試験
- 酒粕・糀マイスターとは、酒粕や糀に関する様々な知識を有していることを証明する資格です。
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- 介護食マイスター認定試験
- 介護食マイスターとして、介護食についての基本的な知識を有していることが認定される資格です。
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- 乾物ソムリエ認定試験
- 乾物ソムリエとして、乾物についての基本的な知識を 有していることが認定される資格です。
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- 雑穀ソムリエ認定試験
- 雑穀のダイエット効果、雑穀を楽しむ 方法などの知識を有することが証明されます。資格取得後は、雑穀ソムリエとして活躍することが できます。
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