ソムリエになりたい!ワインソムリエになるための勉強方法は?
ホテルやレストランで、お客様にワインを説明しながらスマートにサーブする「ソムリエ」の姿は、とてもかっこいいですね。ソムリエは、幅広いワインの知識を身につけたワインのプロフェッショナルとして、ホテルやレストランなどで活躍しています。
日本でも、近年ソムリエという職業は広く認知され、人気のある職業のひとつになっています。では、このソムリエになるには、どうしたらよいのでしょうか?ソムリエの資格試験や勉強方法についてご説明していきます。
ソムリエ試験とは?
「ソムリエ」には、正式な国家試験のようなものは日本にはありません。
民間のソムリエ試験に合格すれば「ソムリエ」と名乗れる
そのかわりに、ソムリエと認定してくれる民間の資格がいくつかあります。代表的なものが、一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)による「ソムリエ呼称資格」です。資格試験の合格者には、ソムリエバッジが授与されます。
ソムリエの資格試験では、ワインの知識を問われる筆記試験・論述、テイスティング試験・サービス実技の試験などが行われます。ソムリエとして働くことを目指すなら、資格を所有することで職を見つけるときにも断然有利となり、周囲からの信頼もぐっと高くなるでしょう。
勉強の方法
では、どのように資格試験に挑めばよいでしょうか。勉強方法にはいくつかありますが、自分にあったスタイルを見つけることが大切です。
学校に通う
一般的なのは、ワインスクールが開講しているソムリエ試験対策の講座を受講する方法です。授業では、筆記テスト対策だけでなく、テイスティングやサービスの実技対策も行ってくれます。
大手のワインスクールの授業から、個人のソムリエや酒販店の方が開く教室まで、多様な種類があります。
近所に通えそうなスクールがない場合は、通信講座もあります。テキストと試飲用のワインがセットになっている講座が多く、実技対策も可能です。
本格的に学びたい人には、お金と時間が許すならばワイン留学という道もあります。本場フランスをはじめ、ワイン産地で畑や醸造施設に実際にふれながら深く学ぶことができます。
また、日本の調理専門学校やホテル・サービスの専門学校の中には、ワインのコースを設けている学校も増えてきました。そちらに入学して、みっちり学ぶという方法もあります。
独学で学ぶ
独学でも、ソムリエの資格試験に合格することは十分に可能です。参考書、問題集はたくさん市販されていますし、現在ではDVDや動画、アプリで勉強することも可能です。
ソムリエの学校の選び方
では、どんな学校があるのでしょうか?選び方と合わせてご紹介していきます。
大学・短大
日本国内でも、ワイン科を有する大学が登場しましたが、現状ではソムリエよりもワイン醸造家を目指す人に向けた内容が主流となっています。
専門学校
上述の通り、国内の専門学校でワインを学ぶことができますが、勉強の中心は料理やサービスとなることに注意が必要です。調理専門学校では、ワインと料理のマリアージュをしっかり学ぶことができます。
将来何を目指すかをよく考えて、それに合った学校を選ぶとよいでしょう。
海外には、ソムリエ育成の専門学校が数多くあります。語学力が必要となりますが、国際的に通用するソムリエ資格取得を目指す場合は、検討する価値があります。
ワインスクール
現在仕事をしながらソムリエ資格取得を目指す人にとって、一番実用的なのが、ワインスクールでソムリエ資格試験対策の授業をとることです。
夜の時間帯に開講しているものも多く、仕事帰りに通学することができます。資格取得に直結する授業が行われ、また同じ資格を目指す仲間と一緒に学んでいけるのも励みになります。
ただ、講座には毎回数種類のテイスティング代も含まれるため、受講料が高額となる場合が多いです。
独学のひとの勉強方法
もちろん、スクールなどに通わず、自力のみで試験に挑戦することもできます。
受験資格を満たしていれば独学でもOK
ソムリエ協会の資格試験には、飲食店、酒販店、ワイン輸入業者などのワインに携わる職種で3年以上の実務経験が必要となりますが、これさえ満たしていれば誰でも受験する資格はあるのです。
まずはじめにやること
独学を始める場合、まず自分の受ける試験の内容をしっかり把握しましょう。筆記試験の出題範囲、実技には何があるのかを調査し、それに合った試験対策を考えていきます。
用意するもの(あるといいもの)
試験の内容がわかったら、必要な教材を揃えましょう。教材を選ぶ際に重要なのは、必ず最新版を購入することです。
AOCやDOCなどのワインの制度や法律は頻繁に変わりますので、最新情報でないと間違った知識を覚えてしまうことになりかねません。教材の年度は必ずチェックしましょう。
参考書
ワインの醸造方法から世界のワイン産地まで、ワインに関わる全ての範囲を網羅するアトラスのような参考書がよいでしょう。
ワイン産地の地図帳
世界の主要ワイン産地の詳細な地図帳は必須アイテムです。(例えば、ブルゴーニュなら、村ごとの特級畑の場所まで明記されているものです)産地によっては、現地のワイン委員会が公式の産地マップをホームページに載せていることもあるので、ぜひ探して活用しましょう。
問題集、過去問
出題パターンを把握して慣れるために、問題集、入手が可能なら過去問題集があるとよいでしょう。
音声教材
最近は、ソムリエ資格試験の勉強ができる動画やアプリもたくさん登場しています。テキストの文字を読むと眠くなる人には、こちらがおすすめです。
グラス
さらに、実技試験対策として、テイスティンググラスやデカンタも必要となります。グラスは、ワインの比較をするために数脚は用意しておきましょう。
試験に向けた勉強方法
では、試験に向けて、効率の良い勉強の方法をご紹介します。
試験の情報収集
まずは、受験資格や試験の内容をしっかりと把握することから始まります。そして、自分に合った試験への対策を練りましょう。
テキストはいろいろありますが、気に入ったテキストを選びましょう。自分が気に入ったテキストで勉強をすることが長続きのコツでもあります。
さて、いざ試験対策の勉強を始めるのですが、テキスト順に順番に勉強する必要はありません。
ただ、「ワインとは」「ワインができるまで」などの基礎知識は最初に身につけておくことがおすすめです。
<筆記試験対策>
知識を取りいれる
おそらく勉強のメインとなるワインの産地・呼称・地図・品種については、覚えなければいけないことが膨大の量となります。
ざっとした全体の把握
自分の好きなワインがある産地、行ったことのある国の産地など、身近でなじみのある箇所から手をつけると、すんなり頭に入っていきやすく自分に合った覚え方を発見しやすいです。
細かいところを詰めていく
ワイン名・産地名は、当然そのワイン産地国の言語です。英語だけでなく、フランス語、イタリア語、ドイツ語などが登場します。原語表記とカタカナ表記を併せて覚えていき、言語の読み方に慣れることも大切です。
暗記する、問題をとく
とにかく暗記することが多いので、社会人の方は学生の頃の試験勉強を思い出して、単語帳の活用や、自分が覚えやすいゴロ合わせを考えるのも有効な手段です。
ある程度暗記勉強が進んできたら、どこまで暗記できたかを確かめるためにも、問題を解いてみましょう。クイズ感覚で楽しく進めていけるといいですね。間違いが多かった分野をチェックし、そこを重点的に暗記の復習をしていくといいでしょう。
知識の強化
過去問にチャレンジすることも大切ですが、くれぐれもその答えが古い情報でないことを確認することが必要です。
<実技試験対策>
テイスティングやサービスの実技対策も忘れてはいけません。これらは、決して短期間で身につくものではありません。少しずつでよいので、早い時期から始めることが大切です。
たとえそのような試験が二次試験であっても、一次試験に受かった後に始めるのではなく、受験を申し込んだ時点から対策をスタートさせましょう。
ソムリエになりたい!ワインソムリエになるための勉強方法は?のまとめ
ソムリエの資格試験は、決して簡単ではなく、合格率も高くありませんが、きちんと計画を立てて勉強していけば、必ず合格への道は開けてきます。
また、頑張って獲得した知識は、ソムリエとして働く時に存分に活用できるでしょう。
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