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パンが老化するって本当?パンの老化と老化を遅らせる方法について

パンが老化をするって知っていましたか?老化という言葉に拒否反応が出てしまう女性も多いでしょうが、皆さんがすぐに頭に思い浮かべる老化とパンの老化は少し違います。

 

パンの老化は、実はほとんどの人が経験したことのある現象なのです。今回はそんなパンの老化や遅らせる方法についてご紹介いたしましょう。

 

パンの老化とは?

 

パンも老化していきます。食パンや菓子パンを買い、数日を過ぎるとそんな状況が起こってきます。

 

水分が蒸発して硬くなること

パン生地を捏ねて発酵させることで、十分な水分を含んでしっとりふっくらと仕上がります。出来上がったばかりのパンは、とてもふっくらでもちもちしています。

 

しかし、そんなパンも数日過ぎるとだんだんと水分が抜けていきます。乾燥している部屋ではそのスピードがより速まるでしょう。かといって湿気ている部屋にパンを置いておくと、カビが生えてしまいますので、乾燥も湿気も天敵です。

 

水分が蒸発してパン自体が固くなってしまうことを「パンが老化する」という表現をするのです。

カサカサになるという部分では、「老化」と一般に使われている言葉と近いですね。

 

味や香りが抜けることを老化現象という

パンは沢山の種類があり、その1つ1つに味や香りが違います。そんなパンの特徴ともいえる味や香りが、数日過ぎてしまうとだんだんと抜けて行ってしまいます。

 

味や香りが抜けてしまうこともパンの老化現象の1つです。

 

老化を遅らせるには?

 

パンをできるだけおいしい状態で食べたいものです。老化を遅らせることができるのなら、パンをより長く楽しむことができます。その方法をご紹介いましょう。

 

油脂と卵を使う

パンを作る際に油脂と卵を使うことで、パンの老化を遅らせることができます。小麦粉と水と塩のみで作るリーンなパンと、小麦粉や水、塩に加えて卵や牛乳やバターを使うリッチなパンでは、明らかにリッチなパンの方が老化の速度が遅いです。

 

フランスパンをカットして置いておくと、次の日にはすぐにカチカチになってしまうのはこのためです。

 

油脂

油分は水分をコーティングする役割を果たします。そのため、外気に触れていても乾燥のスピードを遅らせることができるのです。油脂の多いパン生地は保水性が高いので、でんぷんの老化を遅らせることができ、パンが固くなりにくいのです。

 

パンの中の水分には自由水と結合水とがあります。自由水が多いと腐敗の速度が速まります。

つまり、老化が早いということです。

 

そんな視点から見たときに、卵は大きな役割を果たします。卵の中のレシチンが乳化すると、パンの生地の自由水が細かい分子になります。

 

細かく分子になった自由水はパン生地と結びつきやすくなり、結合水にかわります。水は水でも、腐りにくい水に変化させることができるのです。

 

また、焼く際に発生するアミロースに卵黄のレシチンが反応して、焼きあがったパンの中にあるでんぷん粒に付着して守ってくれます。

 

老化を遅らせる材料のポイント

 

老化を遅らせるには材料を選ぶ際にもポイントがあります。この3つのポイントを押さえておくと、老化の遅いおいしいパンが出来上がります。

 

高タンパクの小麦粉を使う

小麦粉を選ぶ場合、高たんぱく質のものを使うようにしましょう。一般的にパンを作る時には強力粉を使うことが多いでしょう。

 

強力粉に含まれるたんぱく質量は11.5~13%、それに比べ最強力粉は13%以上です。

最強力粉を使うと、膨らみや甘みがととても強くしっかり膨らみます。

 

吸湿性、保水力の高い材料を使う

水分が蒸発してしまうことが、パンの老化の原因です。そうならないために、吸湿性、保水力の高い材料を選ぶようにしましょう。油脂は、水分をコーティングしてくれますし、卵は結合水にしてくれます。ほかにも砂糖や乳製品は吸湿性、保水力の高い材料にあたります。

 

トレハロースを使う

トレハロースは2㎏で750~850円ほど、つまり上白糖の2倍以上のコストがかかります。動植物の中にトレハロースは存在しているので、人工的な甘味料ではなく自然由来の甘味料です。

安全に安心して使用することができます。

 

主な特性として、でんぷんの老化の防止に優れています。

 

老化を遅らせる作り方のポイント

 

パンの老化を遅らせるには、作り方にもポイントがあります。

 

中種法

使用する小麦粉の一部をイーストと水、副材料を加えて中種を作り、2時間以上発酵時間を取った後、残りの材料を加えて本捏ねし、生地を作ります。日本のパン工場ではほとんどがこの製法です。

 

利点としては、ボリュームがでてソフトな食感になります。もちろん、パンの老化を遅らせることにも適しています。

 

ストレート法に比べて1.5倍の時間がかかり、約6時間30分ほどになります。

 

中種を作ったあと本捏ねまでに少々手間はかかりますが、手順を間違えないようにすることで、生地が一定に馴染みやすくなり、修正もしやすいという利点もあります。

 

発酵過不足にならないこと

発酵時間は2時間以上必要ですので、根気のいる作業となります。発酵は長ければ長いほどいいというわけではありません。短いとふっくらと膨らみきれないままの生地になってしまいますし、長すぎると同じように膨らみが悪くなります。

 

発酵時間の過不足がないように注意しなければなりません。

 

適正な焼成

焼き時間や焼き加減も大切です。焼くという段階も同様に適正な時間が大切です。水分が蒸発してしまっては、せっかく老化を遅らせようとしているのに本末転倒です。

 

パンの表面を油脂、砂糖などでコーティングする

油脂は、水分をコーティングする役割があるので、老化を遅らせる作用があります。同様に砂糖も保水性や吸水性がありますので、蒸発を防ぐことができます。そのため、油脂や砂糖を使用するとパンの老化を遅らせることができるのです。

 

砂糖を多めにする場合は、水分を減らします。この時、少し固めの生地にしてしっかりと捏ねることがコツになります。

 

パンの保存方法

 

パンが老化すると、固くパサパサになり、風味や味も落ちてしまうことはわかりましたが、すぐに消費でない場合もあります。そんな場合に少しでもおいしく保存する方法をご紹介いたしましょう。

 

冷蔵庫は乾燥しやすいので要注意

冷蔵庫でパンを保存するのはNGです。はっきり言っておすすめしません。それは、冷蔵庫の仕組みに関係があります。冷蔵庫の中はとても乾燥しています。そんな状態の中にパンを置いておくと、乾燥をどんどん早めてしまいパンの老化が進んでしまいます。

 

ラップをしていても固くなる

ラップをしていても、老化を防ぐことはできません。冷蔵庫に入れるくらいならば、常温で食べきってしまうか冷凍庫で保存することをおすすめします。

 

時間を置く時は冷凍保存

購入後すぐに食べきれない場合には冷凍保存がおすすめです。1枚ずつラップで包むか、ジップロックに入れるなどして冷凍保存しましょう。

 

購入した袋にそのままに入れてしまうと、水分が凍ってパンとパンがくっついてしまうこともありますし、霜が降りてしまうこともありますので、1つずつの保存が理想です。

 

温め方

食べる場合には電子レンジ、オーブントースターを使い分けましょう。

 

電子レンジ、オーブントースターの使い分けの方法

まず、電子レンジでふっくらさせます。そのあと、オーブントースターで表面をカリッとさせます。

食パンであれば、いい焼き目がつくまで待ちます。2段階にすることで、焼きたてのようなふっくらした状態に仕上がります。

 

 

霧吹きで水分補給

電子レンジに入れる際、霧吹きで水分補給をしましょう。よりふっくら、もっちりします。

 

パンが老化するって本当?パンの老化と老化を遅らせる方法についてのまとめ

 

パンには、老化という現象があります。パンから水分が蒸発してパサパサになり、味や風味が抜けてしまうことを指します。そんなパンの老化が起きないように、材料や生地の作り方、焼き方までしっかりとポイントを抑えるようにしましょう。

 

保存方法も大切です。冷凍保存でおいしさを保つことができます。パンの老化を徹底的に防いでおいしいパンを食べましょう。

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