パンに卵は必需品!パンにおける卵の役割に何?
最近、人気の食パンにも菓子パンにも必ず含まれているのが「卵」です。卵を入れないフランスパンなどとは、見た目も食感も違います。卵がパンに大きな影響を与えていることは、明らかです。
では、パンにおける卵の役割って何か知っていますか?卵を入れることでコクや風味が出るだけでなく、パンの老化を防ぐこともできるんです。
パンにとって、必需品である卵の存在ってどんなものなのか、見てみましょう。
パン作りにおける卵の役割
小麦粉と水、塩のみを使ってできたリーンなパンに比べ、リッチなパンは小麦粉や水、塩に加えて卵や牛乳、バターなども使って作ったものです。最近人気の食パンや菓子パンは、このリッチなパンです。
パン作りをする前に、卵の役割を知っておきましょう。
パン自体の栄養価を高める
卵自体が非常に栄養価の高い食品です。動物性たんぱく質、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンEや、リン、鉄、亜鉛、銅などのミネラルが豊富に含まれています。卵は完全栄養食品と呼ばれています。
そんな卵が、材料の1つになっているので、必然的にパンの栄養価が高まるのです。
コクを出す
卵を入れることで、味にコクが出てリッチなパンに仕上がります。だからと言って卵白を多く入れすぎると、卵白の中のたんぱく質が固まってしまって、パサついたパンになってしまいます。卵白を入れすぎるのもよくありません。注意しましょう。
パンの仕上がりを美しくする
卵黄に含まれるレシチンと呼ばれるリン脂質が、乳化剤の役割をしてくれます。そのことで、生地の中にある水と油脂が乳化して、生地が滑らかになります。そして、パンのボリュームが増してふっくら仕上がります。食感も軽くて口どけのよいパンが出来上がります。
色や艶を出す
また、卵黄のカロチンによって、パンの表面に黄みがかった色がつきます。卵白に含まれるたんぱく質がオーブンの熱によって照りとなります。ツヤツヤの仕上がりになります。
卵をいれるメリット
パンに卵を入れると、いろいろなメリットがあります。そんなメリットがあるからこそ、リッチなパンが仕上がるんです。どんな効果があるのでしょう。
パンの老化を防ぐ(触感を保つ)
時間が経つにつれて水分が蒸発し、表面が乾燥してパサパサになることを「パンが老化する」と言います。そんな老化の状態を防いでくれる働きが、卵にはあります。
焼きあがったパンの水分の蒸発を防ぐ
卵黄には、生地の水分と油脂を混ぜ合わせる働きがあります。この働きで、焼きあがったパンの水分の蒸発を防ぐことができ、結果としてパンから水分が蒸発していくことを防いでくれるのです。
卵が入っていないリーンなパンよりも、砂糖や卵、油脂が多く入っているリッチなパンの方が老化が遅いといえます。
卵黄と卵白
卵には、卵黄と卵白が含まれています。パンによって卵黄と卵白の必要量が違いますので、その役割を理解しておきましょう。
卵白と卵黄では特性が異なる
特性を比較してみましょう。
<卵白>
パンにはぜひ入れてほしい卵白ですが、入れすぎるとパンが固くなってしまうので、あまり入れすぎることは避けたい材料です。パンによっては卵白は使わずに卵黄のみを利用することも多いです。
パンのボリュームアップ
卵白を加えることでパンにボリュームが増します。
保形成
卵白の中に含まれるたんぱく質によって生地が固まります。形を保つことができますので、形を出したいパンの時には、重宝させる性質です。
<卵黄>
卵黄を加えることで、パンに大きな影響を与えます。
卵黄が味にコクと風味を与える
卵黄の味によってパンにコクや風味が増します。
こくがでる、色艶をだす
卵黄のカロチンによって、パンの表面に黄みがかった色がつきます。色や艶を出してくれます。
卵黄のみを使用することが多い
卵がパンに入ることで、リッチなパンに仕上がり栄養価もよく、老化も防ぐことができるのですが、よい影響を与えてくれるのは、ほとんどが卵黄の方で卵白はあまりいい影響がありません。
卵白が多いとパンが固くなりやすい
卵白に含まれるたんぱく質が熱によって固まってしまうために、パンが固くなります。パン作りはでは卵黄のみを利用して、卵白は利用しないことが多いです。
卵液の塗り方
パンの表面に卵液を塗ると照りが出て、パンの仕上がりがより美味しそうになります。出来上がりをきれいにするために、パン作りではよくある工程です。
卵液を上手に塗る方法をご説明しましょう。
卵液を一度こす
卵液は一度こしてから、使用しましょう。卵にはとろみなどもあり、どんなに混ぜても均等ではありません。こすことで、卵液の濃度を均等にできるので、塗るときに均一にすることができます。
刷毛をねかせて塗る
生地に卵液を塗るときに、刷毛を生地に対して垂直に立てると、卵液が均等に塗れません。塗るときには刷毛を少しねかせて塗るようにしましょう。
塗るときは力を入れない
生地に卵液を塗るときには、力を抜いて塗るようにしましょう。力を入れると、均等に塗ることができませんし、生地に刷毛の跡がついてしまう可能性があります。せっかく膨らんだ生地が綺麗に焼きあがらなくなってしまうこともあります。
大切に仕上げた生地です。最後の最後は生地をより丁寧に扱うことを心がけましょう。何度も発酵させ時間をかけているのに、最後の手作業で台無しにしてしまう可能性があります。
「優しく丁寧に」がポイントです。
卵を使う時の注意点
卵を使用する時には、いくつかの注意点があります。パン作りには欠かせません。必ず覚えておきましょう。
パンによって卵の割合は10~70%ほどと開きがある
パンは沢山の種類があります。どんなパンを作るかによって、卵がどれくらい必要かが変わってきます。卵1つといってもグラム数はいろいろですので、しっかりとレシピを見てその通りに使うようにしましょう。
卵の水分を差し引くこと
卵を生地に入れるとなると水分量が増すので、全体の水分量から差し引く必要があります。卵に限らず、バターや牛乳なども、同じことが言えます。
全卵水分は76%に計算して、差し引くことが重要です。
例えば、水分が150g必要なパンの場合、卵を入れるとします。
その卵が、45gだったとすると、45gの76%(45×0.76)は34gとなります。
つまり、150-34=116gとなり、差し引いた水分の116gを加えることになります。
パンの状態によって、水分が足りないと感じる時には少しずつ水分を加えるといいでしょう。最初から多く入れすぎてしまうと、パン生地が台無しになってしまいます。
卵のサイズに注意
卵1つといえども、卵にはいろいろな種類があります。S~LLとそのサイズは幅広く、「1つ」という単位は一緒でもその量は明らかに違います。レシピにどんな風に書かれているかによりますが、もしグラム数が書かれているのであれば、その通りに計量して使いましょう。
卵1つと書かれている場合は、その水分量などを計算して差し引くようにしましょう。
卵の量を調整するには、艶出し用として少し残しておくことも1つの手です。計量をして数グラム減らすことで、手元にある卵がLLサイズでもMサイズほどに減量して使うことができます。
パンに卵は必需品!!パンにおける卵の役割に何?のまとめ
パンに卵が入ることで、とてもリッチなパンに仕上がります。日本で市販されている食パンや菓子パンは、このリッチなパンですので、卵を使ってパンを作ることで皆さんの口に合ったものができるでしょう。
卵は、味を深くするだけでなく、見た目をよくすることやパンの老化を防ぐこともできます。1つ入れるだけでいろいろな効果があるというのは、素晴らしい食材です。
卵の扱い方を覚えておいしいパンを作ってください。
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