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パンをおいしく作る焼き時間と上手に焼くコツを徹底分析

パンは、焼きあがって初めて食べられるものです。いくら上手にパン生地をつくっても、焼き時間を間違えてしまっては今までの時間が台無しです。

 

とは言っても、どれくらい焼くべきなのか、実際にオーブンに入れてみると疑問が沢山出てきたりします。そんなことにならないように、おいしく焼き上げる時間と焼くコツを知っておく必要があります。今回は、そんな上手に焼く時間をコツをご紹介します。

 

パンの焼成

 

まずは、基本的な「パンの焼成」という工程の意味から知ってみましょう。

 

パンを焼く工程を焼成という

その名の通り、パンを焼く工程のことを「パンの焼成」と言います。大きさやパンの種類によって温度や時間は変わってきますが、この焼成を抜かして完成するパンはありません。

 

パンを作る工程で欠かすことのできない手順です。

 

火を通して食べられる状態にする

二次発酵の後に生の生地をオーブンに入れて、食べられる状態に焼き上げる作業です。

パンの工程としては最終段階です。

 

オーブンによって温度や時間などが若干変わってきてしまいますが、パン初心者の方はあまり冒険をせずに、まずはレシピ通りの温度と時間で焼いてみることをおすすめします。回数を重ねると、微調整ができるようになってきます。

 

焼成のステップ

 

焼成のステップを順にご紹介していきます。

 

窯伸び

生地の温度が上昇、炭酸ガスが膨張、約60度でイースト菌が死滅

パンは焼いている最中もイーストの発酵を繰り返し、気泡の膨張を行います。そうすることで、どんどんと膨らんでいきます。イーストは約60℃を超えると死滅してしまいます。それまでは活発に活動していきます。

 

この現象を「窯伸び」と言います。これにより、パンの表面が薄く引き伸ばされて、中がソフトなものになります。

 

60℃を過ぎると、今度は炭酸ガスが膨張して含まれていた水分が水蒸気になってパンがさらに膨らんでいきます。

 

生地の温度や発酵の度合い、グルテン組織の形成の状態やオーブンの温度などに関係しています。

 

糊化

クラストを形成、グルテンが凝固していく

パン生地の温度がどんどんと上がり続け、仕上がりまでの7割くらいが経過すると生地の温度は80℃以上にもなります。外皮にクラストを形成しはじめ、内部ではグルテンが凝固し始め、同じようにでんぷんも糊化へと進んでいきます。

 

色付き

表面に色がつき、パンらしい香りを放つ

焼成も最終段階になります。だんだんと表面に色がつき、パンらしい香りを放つようになります。

 

焼き時間の設定方法は?

 

続いては、焼き時間について詳しくみていきましょう。

 

焼き時間を決める要素

分割したサイズ、オーブンの特性、パンの種類

焼き時間は、レシピに書かれている通りですが、焼く環境や状況によって多少変わってきます。分割した生地のサイズによっては時間が異なります。

 

また、ご家庭にあるオーブンの特性によっても異なります。パンの種類が違えば、焼成時間は明らかに異なります。

 

おいしいパンを焼くためには、1つの目安として「焼減率」を計ってみることをおすすめします。パンが焼かれている間にどれくらいの水分が蒸発したかを表したものです。

 

自分好みのパンを焼く、1つの目安になります。

 

<計算方法>

焼減率=(生地重量-焼成後重量)÷生地重量

 

例えば、焼き上がりの重量が200gだった場合、(250-200)÷250=0.2

パーセントで示すとすれば、0.2×100=20 で20%ということになります。

 

パンによってその焼減率は変わってきます。

 

フランスパン・・・22%

 

食パン・・・・・・・8~10%

 

菓子パン・・・・・10~15%

 

と、だいたいの目安となります。

 

この値が低いと、水分が十分に蒸発せずに重いパンになり、高い値ですと水分が抜けすぎてパサパサのパンになってしまいます。

 

糖分の量(焦げやすさ)

焼成の段階で、焦げることも心配の1つです。パン生地に含まれる砂糖の含有量によっては、糖分の影響により焦げやすくなってしまいます。そのため、パンの種類によっては気を付けなければなりません。

 

リッチ…低め

リッチなパンは糖分が入っていますので、温度は低めに設定しましょう。

 

 

リーン…高め

リーンなパンには糖分が入っていませんので、温度は高めで大丈夫です。

 

分類別の焼き時間目安

 

パンの種類によって焼成時間は大幅に変わってきます。

 

ハード系、バゲットなど

ハード系のパンは表面をパリッとさせましょう。焼成前に霧吹きで水をかける手間を忘れないようにします。表面を湿らせることで表面に火が通り、固まるのが遅くなります。生地がスムーズに膨らむため、ボリュームがあり表面が薄いパンに仕上がります。

 

高温で焼き上げるのが必須です。

 

上火240℃、下火220℃で30分が目安です。

 

ソフト系 丸パンなど

170℃の予熱で温めておいたオーブンに入れて焼き上げましょう。

だいたい10~12分が目安です。

綺麗な焼き色がついたら、オーブンから出して粗熱をとります。

 

菓子パン(砂糖が乗っているタイプ) メロンパンなど

180℃の予熱で温めておいたオーブンに入れて焼き上げましょう。

だいたい13~15分です。

砂糖が入っているパンなので、焦げやすいという欠点があります。注意しておくと安心ですね。

 

白いパン

180℃の予熱で温めたオーブンで、160℃に下げて7分、150℃に下げて7分焼成しましょう。

白いパンですから焼き色がついてはいけません。この時間は、焼き色がほぼつかない焼成時間です。

 

それぞれの焼き時間は、オーブンや季節によって異なりますので、あくまでも目安です。

 

パンのレシピには焼き時間や温度がはっきりと掲載させていますので、まずはそのレシピ通りに作ってみましょう。1度レシピ通りに作ると、レシピ通りにした状態のパンが仕上がりますので、それを基準にすることができます。

 

2回目以降に、自分なりに調整しておいしいパンができるようにしましょう。

 

焼成のコツ

 

焼き時間は、レシピにしっかりと記載されていますが、いろいろな状況によって少し違ってきます。

焼成のコツを掴むといろいろな場面で臨機応変に対応することができます。

 

家庭のオーブンの特性をしっかり知っておくこと

家庭のオーブンによって、同じ180℃でも違いがあるのが事実です。

 

また、オーブンのドアを開けている時間も、温度を変化させてしまう大きな原因の1つです。その温度に保つためには、オーブンのドアの開閉をできるだけ短時間でおこないましょう。

 

また、予熱をレシピよりも10℃ほど高めにセッティングしておくと、間違いはありません。家庭のオーブンが表示温度に比べ高いのか低いのかなどの特性を知っておくと、パンを焼く際に調節しやすいですよ。

 

焼き時間は延ばさず、温度で調整する

焼く時間が足りないからと時間を伸ばしてしまいがちですが、それはNGです。焼き時間が足りないと感じた場合は、温度で調整するようにしましょう。

 

パンをおいしく作る焼き時間と上手に焼くコツを徹底分析のまとめ

 

パンをおいしく焼き上げるためには、焼き時間がとても大切です。パンによっては焦げてしまったり、カリッと感が出なかったりしてしまいます。ハードなパンであれば高温で、糖分があるパンであれば低温で焼き上げるようにしましょう。

 

また、家庭のオーブンによってその温度や時間にも違いがあります。ご家庭のオーブンのクセを把握しておくと、パンを焼く段階で失敗するという落とし穴を回避できます。

 

まずは、レシピ通りに作ってみて、それからご家庭のオーブンや好みによって調整をしていってください。どんどん上手になりますよ。

 

最適な焼成時間を見つけて、おいしいパンを作ってください。

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