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パン作りにおすすめな小麦粉の種類とは?小麦粉の種類と特徴をご紹介

パン作りをするために必要なものが、小麦粉です。小麦粉といってもどんなものでもいいというわけではありません。パン作りに適した小麦粉は強力粉など、粘りがあり焼き上げた後にふっくらと膨らむことが大切です。そのために、小麦粉に含まれるグルテンの量が重要になってきます。

 

パン作りをするためのおすすめの小麦粉の種類とはどんなものがあるのでしょうか。今回は、パン作りをするための、小麦粉についてご紹介をしていきましょう。

 

小麦粉の種類と特徴

 

小麦粉には、大きく3つに分けられています。

 

「薄力粉」

「準強力粉(中力粉)」

「強力粉」

 

薄力粉は、天ぷらの衣やお菓子・ケーキ作りに利用します。

中力粉は日本ではうどん作りに利用されます。

強力粉は、パン作りやピザの生地を作る時に利用します。

 

この違いはどんなことなのでしょうか。

 

小麦粉はたんぱく質の量で分類わけされる

小麦粉は中に含まれる「たんぱく質」の量によって「薄力粉」「中力粉」「強力粉」に分けられます。

 

「小麦粉にたんぱく質?」と疑問に思った人はいませんか?

 

私たちが一般的にたんぱく質食品と呼ぶものは肉や魚・卵・大豆・乳製品といったものですね。筋肉や皮膚・毛髪の原料になるものと学んでいます。

 

たんぱく質は20種類のアミノ酸から作られた物質ですが、この中の9種類を必須アミノ酸と言います。私たちがたんぱく質食品と呼ぶものは、この必須アミノ酸を大量に含む食材です。

 

一方、米や小麦粉にもアミノ酸は含まれています。米・小麦といった食材は9種類の必須アミノ酸のうちの「リシン」と呼ばれるアミノ酸だけが不足しています。

 

しかし、それを除くロイシンやイソロイシン・トリプトファンといった8種類のアミノ酸は十分に含まれます。

 

小麦粉の場合は、このたんぱく質の含有量によって薄力粉・準強力粉(中力粉)・強力粉と分けています。

 

少ない順から薄力粉、準強力粉(中力粉)、強力粉

たんぱく質の含有量はどれくらいかというと、次のようになります。

 

薄力粉         7~8.5%

準強力粉(中力粉) 8.5~10.5%

強力粉        11.5~13.5%

 

たんぱく質の含有量が多いほど、小麦粉は粘りがありもちもちとした生地が出来上がります。逆に、少ないと混ぜるものでふっくらしたり、カリッとした生地になります。ケーキのスポンジや天ぷらの衣などがそうですね。

 

たんぱく質が少ないとハードに、多いとソフトになる

小麦粉の主成分は炭水化物(糖質)ですが、穀物にもたんぱく質の成分となるアミノ酸が含まれます。このアミノ酸の量で、たんぱく質含有量というのが違ってきます。たんぱく質量が多いと捏ねたときは弾力があるのに、焼きあがるとふわっとしたソフトなものになります。

 

一方、たんぱく質量が少ないと、捏ねたときは柔らかいのに焼き上げるとハードな生地やカリっとしたものになります。これが、小麦粉の性質です。

 

うどんを作る時に使い中力粉は、強力粉と薄力粉の両方の性質を持ち合わせます。そこで、うどん生地を捏ねて寝かせることで腰の強い麺になったり、柔らかい麺を作る性質ができます。

 

そのため、同じピザを焼いても、薄力粉の量が多いとハードでカリカリ、サクサクのクリスピー生地ができます。強力粉が多い生地の場合は、ふわっとしたソフトなパンが出来上がります。

 

最近カリカリ、サクサクのクリスピー生地が人気ですが、元々ピザはパン生地にトマトソースを乗せたものが発祥です。アメリカで人気のシカゴピザはフワフワのパン生地のようなものに、ミートソースをトッピングしたものです。

 

ピザは元々、パンから発祥したものですので、ピザの生地からパン生地がイメージしやすいですね。

こういった理由から、もちもちふっくらのパンを焼くときに強力粉を使います。

 

たんぱく質と灰分

 

たんぱく質と灰分につてい詳しくみていきましょう。

 

たんぱく質は粘りのあるグルテンを形成する

 

皆さんは、「お麩」を食べたことはありますか?お麩は生のままではもちもち、乾燥するとカリカリに、湯で戻すとフワッとします。このお麩こそ、小麦粉のたんぱく質が形成するグルテンの塊になります。

 

小麦粉に水を混ぜて、小麦粉の球を作ります。ひたすら水をたらたらと流しながら、小麦粉の球を捏ね続けるとグルテンだけが残ります。

 

出来上がった球は、スーパーボールのように弾力があり粘りがあるものが出来上がります。これが生麩です。

 

天ぷらの衣を作る時に、カリっとした衣を上げるためには粉っぽさが残るようにすると良いと言われますね。これは、衣を混ぜすぎるとグルテンが形成されて、天ぷらの衣がもちもちとしたものになってしまうからです。天ぷらというよりも、フリッターのようになります。

 

これも必要以上のグルテンが形成されてしまい、重い天ぷら衣になってしまうからです。

 

このように、たんぱく質は水を混ぜて捏ねると、粘りのあるグルテンを形成します。

 

多いほどパンはふっくらやわらかく焼きあがる

ピザの生地やフリッターからもわかるように、グルテンが多いほど小麦粉で捏ねたものはふっくらとします。パンも同じで、グルテンの多い強力粉ほど、パンはもちもちふっくら柔らかく焼きあがります。

 

同じ強力粉でも色々な種類があり、たんぱく質の含有量は10%~15.2%まであります。灰分も0.37%~0.55%までと様々です。

 

たんぱく質の含有量が多いと言ことは、それだけグルテンの量が多く、フワフワのふっくらとしたパンが出来上がります。

 

ふわっとした食感が美味しいイギリスパンを作るための強力粉は、たんぱく質が13.5%~15%と含有量が多いものになります。たんぱく質が多い強力粉は、焼き上がりが柔らかなため菓子パンにも、使用されています。

 

一方、10%のフランス産強力粉は、カリカリふわっとしたフランスパンのバゲットやブリオッシュに使われています。ベーグルを作るために最適とされている埼玉県産の「ハナマンテン」も、たんぱく質の含有量が10%前後、もちもちしっかりとしたベーグル独特の生地作りにピッタリです。

 

このように強力粉に含まれる、たんぱく質のグルテンが多いほどパンはふっくらやわらかく焼きあがります。

 

灰分が多いほど栄養も多い

小麦粉の等級を表すときに必要なものが「灰分」になります。灰分とは、栄養学的には食物中に含まれる無機物、すなわち鉱物質のことを表します。ミネラルとも言い、それの全量に対する割合の高低で、色が白くなったりくすんだりします。

 

小麦粉の等級は、小麦粉の胚乳部分にある灰分の含有量によって決まってきます。

 

小麦粉は炭水化物・たんぱく質・無機質・脂質・水分によって作られています。小麦の胚乳はほとんどが炭水化物とたんぱく質です。そして、胚芽に含まれるのが、無機質、つまり灰分です。灰分が多いとその分他の成分は減少します。

 

しかし、灰分が少ないと他の成分が多くなります。灰分が多いとミネラル豊富なパンを作り上げます。

一等級の強力粉のパンの灰分は0.4g/100g中ですが、全粒粉と呼ばれる強力粉で焼き上げたパンには灰分が1.6g/100g中含まれます。

 

灰分にはカルシウム・マグネシウム・りん・カリウム・ナトリウム・鉄・銅・マンガンなどが含まれますが、一般的な強力粉のカルシウムは米粉の4倍20mg/100g中にもなり、さらに灰分を多く含む全粒粉の強力粉は、80mg含まれることになります。

 

灰分が少ないと白く、多いと色がくすむ

灰分は、小麦の胚芽に含まれます。小麦粉の白さは炭水化物とたんぱく質を多く含む胚乳分になりますが、灰分は胚芽となるため、焼き上がりの色が違ってきます。

 

例えば、焼き上がるとパンの中が白く仕上がるイギリスパンは、灰分が少ない強力粉を使います。全粒粉のパンは胚芽が多く灰分が多くなります。その分胚乳分が減って、焼き上がりの色がくすんだ仕上がりになります。

 

パンにおすすめの強力粉

 

小麦粉には、薄力粉・準強力粉(中力粉)・強力粉の3種類があります。この違いで、作りたい小麦料理によって、使う小麦粉が違います。

 

パンにおすすめの強力粉は、同じ強力粉でも、たんぱく質の含有量・灰分によって大きな違いがあります。そこで、同じ強力粉でも、作りたいパンの種類によっても違ってきます。

 

強力粉はパンのふっくら感、もちもち感をつくる

強力粉は、他の小麦粉よりもたんぱく質量が多いため、グルテンの含有量も高くなります。そのため、焼きあがった生地はふっくらもちもちになります。これが、パンのふっくら感、もちもち感を作ります。

 

中でもふっくらとした食感を味わうイギリスパンには、よりグルテンを多く含む強力粉を使います。

 

一方、カリっとした食感・固めの食感を楽しむベーグルは、グルテンの量が少なめの強力粉になります。

同じ強力粉でも、パンの種類によっても使う強力粉が異なります。

 

お菓子作りにはさっくり仕上がる薄力粉

薄力粉は、小麦粉の中でもたんぱく質量が少ないため、グルテンの含有量も低くなります。強力粉のようなふっくら感やもちもち感はできません。そのため、ケーキなどのふっくら感を出すためには、ベーキングパウダーなどを入れますね。

 

クッキーのようなサクサク感、天ぷらの衣のようなさっくり感を出すためには、グルテンの含有量が低い薄力粉を使います。

 

パンに合わせた選び方

 

同じ強力粉でも、たんぱく質量の量は10%~15%と大きな違いがあります。市販されている強力粉の中には、準強力粉(中力粉)も含まれています。たんぱく質量の含有量が10.5%以下のものは、強力粉というよりも準強力粉つまり中力粉になります。

 

バゲット、デニッシュなどは中力粉

強力粉の分類の中にもありますが、たんぱく質量含有量10%の準強力粉、つまり中力粉を使って焼き上げるのが、サクサクの食感を味わいたい、カリカリ感を味わうフライパンのバゲットやバタール、ドイツパンのベーグル・ブリオッシュ・デニッシュは中力粉を使います。

 

中力粉を使うことで、サクサクのパンを味わうことができます。

 

食パンなどは強力粉

耳までフワフワの食感を楽しむイギリスパンや食パン、日本の菓子パンと呼ばれるものは、たんぱく質量の含有量が多い、グルテンの含有量が高い強力粉を使います。焼いた耳はカリっとしますが、中はもちもちふっくら、焼き立ては最高の食感を味わうことができます。

 

同じようにバターロールや菓子パンの生地には、強力粉を使います。

 

 

外国産と国産の違いと特徴

 

日本では、国産の強力粉と外国産の強力粉が販売されています。業務用は当然のことながら、一般の人でも購入することができます。

 

外国産の小麦粉

日本では小麦粉としてイタリア産・フランス産・アメリカ産・カナダ産の小麦粉が販売されています。イタリアやフランスでは、ピザ用、パスタ用、パン用と色々な小麦粉が作られていますが、日本で一般的に販売されている外国産の小麦粉は、アメリカ産やカナダ産です。

 

生地が膨らみやすく扱いやすい

外国産(アメリカ産・カナダ産)の小麦粉は、グルテンの含有量が高い小麦粉が多くなります。そのため膨らみやすいのが特徴です。

 

パンを焼く前に発酵をして生地を膨らませます。ここで失敗してしまうと、ふっくらしたパンを焼き上げることが難しくなります。発酵の温度加減は難しく、家庭では固いパンや膨らまないパンの原因となります。

 

 

初心者におすすめ

外国産(アメリカ産・カナダ産)の小麦粉は、グルテンの含有量が高いため、より膨らみやすくなります。初めて、パン作りに挑戦する人は、まず外国産の小麦粉を使って、ふっくらしたパンを焼き上げましょう。

 

初心者の人は、パンがしっかり膨らまないと、それだけでパン作りが嫌になってしまいます。まずは、外国産の小麦粉を使って、コツを掴んでみてはいかがでしょうか。

 

国産

日本の製粉メーカーの小麦粉の原料となる小麦は、国産のものよりもアメリカ産などの輸入のものがほとんどです。今回は、小麦そのものが国産の小麦粉に着目してご紹介します。

 

安全性が高く、しっとりもちもち

国産小麦には、

 

北海道産の「はるゆたか」「春よ恋」

佐賀県産の「春風」

福岡県産「みなみの穂」

埼玉県産の「国産フランス」「ハナマンテン」

茨城県産「ゆめかおり」

 

があります。この他にも各地で小麦を製造販売しています。

 

国産ということで、安全性が高くたんぱく質の含有量が外国産よりも少なめが特徴です。グルテンの含有量も少し控えめなため、しっりもちもちの食感を味わうことができます。

 

 

扱いにくく家庭では不向き

慣れた人は、上手に発酵をし国産小麦のパンを焼き上げますが、グルテンの含有量が低い分膨らみにくいといったデメリットがあります。そのため、一定の発酵温度を確保できない家庭では、難しくなります。家庭でパン作りをしたい人、特に初心者の人には不向きな小麦粉になります。

 

パン作りにおすすめな小麦粉の種類とは?小麦粉の種類と特徴をご紹介のまとめ

 

パンを作るためには小麦粉の中でも強力粉が必要です。そして、強力粉1つとっても色々な種類があります。また、作りたいパンによっても小麦粉の種類は違うということです。

 

家庭でも簡単に美味しいパンが焼きたい、と思いませんか。今回は、そんな人のために色々な小麦粉をご紹介しました。

 

ぜひ、自分に合った小麦粉を見つけて、最高に美味しいパン作りに挑戦してみましょう。

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