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パン作りのグルテンの役割とは?フワフワのパンを焼き上げるために

パンを作るために、必要なものが生地の原料が小麦粉です。小麦粉に含まれるたんぱく質の一種がグルテンです。

 

グルテンは、穀物の胚乳から生成されるたんぱく質の一種、グルテニンとグリアジンが水を吸収して、網目のようにつながったものです。小麦粉に含まれるグルテンの含有量で、パンの食感が変わってきます。それでは、パン作りにおけるグルテンの役割について、ご紹介しましょう。

 

グルテンとは?

 

小麦粉はたんぱく質の含有量により強力粉、中力粉、薄力粉に分けられます。小麦粉の主成分は、グルテニンとグリアジンが結合してできるたんぱく質で、グルタミン酸を多く含みます。これがグルテンです。

 

グルテンにはグルタミン酸が含まれますので、独特の食感だけでなく焼きあがったパンの旨味にもなります。

 

小麦粉独自のたんぱく質

グルテンは、小麦粉独自のたんぱく質で、含有するたんぱく質の80%以上になります。同じ穀類でも米には含まれていません。そのため、グルテンが食べられないセリアック病の人は、「グルテンフリー」の食事として米を食べるようにしています。

 

米粉のパンというのは、このグルテンが含まれていません。同じ穀類で、必須アミノ酸の含有量もほとんど変わらない米ですが、グルテンの有無という意味では、小麦粉と全く異なります。

 

小麦粉には、このグルテンが含まれているから、独特のふっくらもちもちした食感のパンを焼いたり、もちもちツルツルの麺を作ることができます。

 

弾力性と粘着性をもつ

グルテンは水に溶けない不溶性の物質です。小麦粉のグルテンには、弾性の高いグルテニン(弾力性)と伸展性を持つグリアジン(粘着性)がほぼ同じ量含まれています。この粘り気の強さが、コシのあるうどんを作ります。そして、弾性がふっくらしたパンに仕上げます。

 

グルテンの形成

 

グルテンは、そのままでは特性を発揮することはありません。そのままでは、ただのサラサラとした粉状のものです。グルテンは水と混ぜることで作られる小麦たんぱく質特有の物質です。

 

水と小麦粉を合わせてよく混ぜることで形成される

小麦粉に水を加えて煉ると、小麦粉の主成分である多糖類のデンプンが洗い流され,あとに粘着性の高いものが残ります。これがグルテンです。

 

グルテンは麩質とも呼ばれ、和食に使われる「生麩」や「焼麩」は、小麦粉のグルテンそのものになります。

 

小麦粉に入っているたんぱく質のグルテニンとグリアジンに水を加えて、よく混ぜることでグルテンを構成するシステインというアミノ酸が、他のシステインと化学的に結合して網目構造を作ります。これが、弾力性と粘着性を生成します。

 

伸びが良いグリアジンと、高弾力グルテニンが結びつく

たんぱく質のグルテンは、小麦粉を水とこねることでグルテニンとグリアジンが結びついたものです。

グリアジンは粘着性が高い物質で、水と混ぜると伸びが良くなります。

 

これが、パンの「ドゥ」と呼ばれるものです。パン生地をこねながら生地を伸ばす光景を見ることができますね。

 

パンよりも分かりやすいのがピザの生地です。ピザ生地は、混ぜた小麦粉を麺棒を使って、どんどんと伸ばして生地を作ります。

 

弾力の高いグルテニンが、小麦に含まれる穀類たんぱく質の主成分です。グルテニンは、小麦に由来するグルテリンの一種です。グルテニンは、パン焼きにおいてパン生地の硬さ、つまり高弾力を生み出します。この弾力がふわふわのパン生地や、ピザの生地を作ります。

 

こねることで網目で細い繊維状になる

グルテニンとグリアジンが結びつくと、網目で細い繊維状になります。グルテニンとグリアジンをこねて混ぜ合わせると、この繊維が絡み合って、独特の弾力性と粘着性を作ります。

 

パン作りのグルテンの役割

 

パンが膨らむためには、さらにイースト菌というものが必要です。イースト菌を発酵させることで炭酸ガスが生まれてパンが膨らんでいきます。

 

イーストの炭酸ガスを包み込む

イースト菌は、パン生地に含まれる糖類のグルコースに作用して発酵します。イースト菌は発酵すると、炭酸ガス(二酸化炭素)とエタノールを発生します。これをアルコール発酵と言います。

 

グルテンの力でパンが膨らむ(風船のような感じ)

アルコール発酵したイースト菌は、グルテンの力で空気の穴(気泡)を閉じ込められて膨らみます。アルコール発酵によって発生した炭酸ガスの気泡の表面に、グルテンの薄い層が膜を作り、その間にイーストやでんぷん粒を閉じ込めるような形を作ります。

 

グルテンは、ちょうど、アルコール発酵でできた炭酸ガスの気泡を覆う、風船のような役割をします。

 

ピザの生地では、中心から生地を伸ばし丸くします。この時、円の周囲に空気が集まり焼いた時に生地の「土手」のようなものができます。ピザ生地の周囲に作られている土手は、生地の時に作ったものではなく、発酵によって作られた気泡が、焼いたことによって膨らんだものです。

 

小麦粉を使った麺のコシもグルテン

麺は、イースト菌を使った発酵などをしません。そのまま、グルテンの弾力性と粘着性を利用したものになります。弾力性が高いほど、麺にコシが出て歯ごたえの良いものになります。

 

うどんは、グルテンを形成するための、煉りによってコシが出る美味しいうどんになりますが、煉りすぎるとただ固いだけのうどんになってしまいます。

 

また、生地を熟成させる時間によって、うどんのコシの強さに違いが出てきます。

 

熟成時間が短い讃岐うどんはコシが強く弾力性のあるうどんになりますが、生地を1日寝かせる伊勢うどんなどは、コシが少ない柔らかいうどんになります。

 

コシが強い讃岐うどんを食べたいときは、できるだけ混雑している時間に行くと、生地を熟成させる時間が短いため、コシの強いうどんが食べられるそうです。

 

グルテンが多いパンの特徴

 

グルテンが多いパンは、ふわっとしてもちもち感があります。そのため、パンに使う強力粉は薄力粉や中力粉よりも、グルテンの量は多くになります。

 

逆に、サクサク感を出したいパンやクッキーは、グルテンの少ない強力粉や、薄力粉を使います。天ぷらの衣を作る時に、煉りすぎると衣に弾力が出て重くなってしまいます。しかし、粉っぽさが残る程度にサッと混ぜると、さっくりとした衣になります。

 

多い順に強力粉、中力粉、薄力粉

小麦粉は、グルテンの量によって、強力粉、中力粉、薄力粉に分けられます。

 

グルテンはたんぱく質の多い強力粉に多く含まれる

グルテンの量は、強力粉・中力粉・薄力粉に含まれるたんぱく質の量によって異なります。そして、その量によって使われる用途も異なります。

 

小麦粉のたんぱく質量と、グルテン量の比較と使用される用途を表にしてみました。

 

しっかりふくらみふわふわのパンになる

グルテンが多い強力粉を使うことで、グルテン特有の弾力性と粘着性を最大限に発揮し、パンはしっかりとふくらみ、外はカリカリ、中はふわふわのパンが焼きあがります。

 

グルテンは、ふわふわのパンを焼き上げるために、なくてはならないものということです。

 

パン作りのグルテンの役割とは?フワフワのパンを焼き上げるためにのまとめ

 

ふわふわ食感のパンを焼き上げるために必要なグルテンです。薄力粉や中力粉にも含まれますが、イギリスパンや食パン特有のフワフワ感を出すためには、強力粉が一番です。

 

小麦粉のグルテンを上手に生かして、あなたもふわふわの美味しいパンを焼き上げてみませんか。

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