手づくりパンがイースト臭い?手作りパンのイースト臭い原因と対処法
おいしいパンを目指し、一生懸命に作ったパンが何だか臭い匂いがすることがあります。出来上がったパンはおいしい匂いでいっぱいのはずなのにどうしてでしょう。
変な匂いの原因は「イースト臭」によるものです。とはいってもイースト菌はパンに欠かせないものです。パンに入れなければいけないものなのに、市販のパンはどうしてイースト臭がしないのでしょう。おいしい匂いのパンを手作りするためにどうすればいいのでしょう。
今回は、そんなパンのイースト臭対策について考えてみましょう。
イースト臭とは?
イースト臭とはどんな匂いで、どのようなときに感じるものなのでしょうか。まずは、その仕組みについて知っておきましょう。
イースト菌の臭いのこと
イースト臭とは酸っぽいような匂いのことです。パン作りを1度でもされたことのある方は、この匂いを経験したことがあるでしょう。パンを作る段階では、そんなイースト臭がします。決しておいしい匂いではありません。
しかし、イースト菌はパンにとって欠かすことのできないものですから、イースト菌を入れないわけにはいきません。作っている段階の匂いは我慢するしかありません。その匂いが手作りパンの醍醐味です。
通常、焼き上がるとイースト菌は死滅してしまうので、焼き上がりのパンからはイースト臭がしません。焼き上がったらおいしい匂いのパンになります。
作り方次第で、焼きあがったパンに臭いが残る
焼き上がったらおいしい匂いがするのが通常ですが、例外もあります。作り方次第で、イースト臭がパンに残ってしまうことがあるのです。おいしい匂いのパンができるはずが、酸っぽい匂いのパンが出来上がると残念でなりません。
イーストの種類と匂い
イーストといっても、種類が沢山あります。その種類によって、特徴も匂いも違います。
天然酵母
天然酵母は穀物や果物に含まれる天然の酵母です。具体的にはリンゴやレーズン、小麦粉などです。温度管理が難しく、扱いが難しいという問題点がありますが、パンに複雑な風味が生まれます。
また、イースト臭はほとんどしません。
生イースト
乾燥していない、生のイーストです。生ものですから保存期間が短いという短所があります。
しかし、イーストの力が強いので、短時間で発酵することができます。
また、耐糖性も強いので、乾燥させたイーストよりもフワフワのパンが仕上がります。ドライイーストと比べると、イースト臭が少ないです。
ドライイースト
乾燥させたイーストのことです。水分が抜けている状態のため長期間保存できます。1年ほど保存がききます。生のイーストに比べると、イースト臭が強いのが特徴です。
セミドライイースト
生イーストとドライイーストの長所を兼ねそろえたのが、このセミドライイーストです。扱いやすいのですが、ドライイーストよりもさらに匂いがきつくなります。
インスタントドライイースト
家庭でパンを作る際に、多く用いられているイーストです。インスタントドライイーストは、あらかじめ発酵させる必要がありません。粉の状態のまま使用することができるので、とても扱いやすいという利点があります。
だた、イースト臭は、数あるイーストの種類の中で最も匂いがきついです。そのため、家庭でつくる時にイースト臭をより感じてしまうのです。
天然酵母から順に下に行くほど臭いが強くなります。匂いだけで選ぶのであれば、匂いのほとんどしない天然酵母ですが、扱いずらいという欠点もあり、どこを妥協して使うかを考えると良いでしょう。
手作りパンがイースト臭い原因と対策
一生懸命に作ったパンの出来上がりからイースト臭がするのは、とても残念でなりません。
おいしい匂いのするパンのはずが、イースト臭がするのはどうしてでしょう。いくつかの原因があります。
イーストが多い
そもそも、イーストが多いという原因が考えられます。パンを膨らませるのに欠かせないイーストですが、そのイーストが多すぎると、パンの仕上がりからイースト臭がするのも当然のことです。
気温が低いとパンが発酵しづらくなるため、対策としてイーストを多く入れる方がいますが、それでは配合が変わってきてしまいます。
イーストの量を増やすことは絶対に避けましょう。
もし、仕上がりのパンからイースト臭がするのであれば、使用するイーストを少し減らしてみましょう。
レシピを見直す必要があります。
軽量が正確でない
また、目分量でイーストを入れてはいませんか?目分量でイーストをいれるのはNGです。パン作りで、目分量は絶対にいけません。しっかりと計量する必要があります。
生イーストとドライイーストの違い
もう1つ注意しなければならないのが、生イーストとドライイーストの違いです。生イーストをドライイーストに代えて使用する場合、量を4割程度に減らす必要があります。そのままの量で使用すると、量が多すぎます。気を付けましょう。
発酵時間が短い
発酵時間が短いと、焼き上がりにイースト臭が残る場合があります。発酵の時間が短ければ、不活性なイーストが残ってしまう可能性があります。パン生地内に不活性イーストがあると、出来上がりにイースト臭が残ってしまいます。
パン作りはとても時間がかかるものです。捏ねるのも発酵するのにも多くの時間を必要とします。
パン作りは急ぐと失敗してしまうのです。落ち着いて発酵段階を見守りましょう。
レシピには発酵時間が記載されていますが、それだけを目安にするわけにはいきません。フィンガーチェックで確認しましょう。
発酵温度が高い
発酵温度が高いと生地の膨らみはよくなりますが、イーストがしっかりと活動しきれないうちに発酵が終わってしまい、結果としてパン生地内にイーストが残ってしまいます。
目安としては35℃より高くなるとイースト臭が残りやすい状態になります。気を付けましょう。
イースト臭いパンを防ぐポイント
イースト臭の匂いのパンは、できれば作りたくないものです。イースト臭の匂いを防ぐにはどうすればいいのでしょう。
分量をきっちり確認
まずは、きっちりと分量を量って作りましょう。パン作りに目分量は絶対にNGです。レシピに書かれている通りの量でパン作りを行いましょう。
イーストをきちんと活性化させる
イーストは沢山の種類があります。メーカーによってもその特徴は違ってきます。その特性を理解しておくと、しっかりと活性化させることができます。間違えた使い方や保存方法をするとうまく発酵させることができません。
保存方法も気を付けなければいけません。一度使ったら、空気に触れないようにして冷蔵庫で保管しましょう。次に使うまでに期間が空くのであれば、冷凍保存しましょう。
正しい発酵をおこなう
正しく発酵することも大切なことです。正しい発酵時間でないと、イーストが不活性な状態になってしまいパン生地の中にイーストが残ってしまいます。イーストが残ってしまうと、出来上がりにイースト臭がしてしまいます。
手づくりパンがイースト臭い?手作りパンのイースト臭い原因と対処法のまとめ
パン作りビギナーさんはよく、イースト臭のするパンを作ってしまいがちです。その多くは、イーストの扱いが間違っているということです。
イーストの種類は沢山あります。その扱い方はそれぞれに違いますので、その特徴や欠点をよく知ってパン作りに取り入れましょう。
おいしい匂いのするパンを焼き上げることができたら嬉しいですよね。
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