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手づくりパンはどうして膨らまないの?その原因と対処法について解説!

手作りでパンの1番多い失敗は、膨らまないことです。皆さんにも経験があるのではないでしょうか。なぜ、レシピ通りにしているはずなのにパンが膨らまないという事態が起こるのでしょう。パンが膨らまないのには原因があります。

 

その原因や膨らまなかった時の対処法についてご紹介しましょう。

 

パンが膨らむメカニズム

 

まずは、パンが膨らむメカニズムを理解しておきましょう。

 

発酵

発酵することで、生地が倍以上に膨らみます。この工程を十分に行うことで生地がしっかりと膨らみ、フワフワのパンに仕上がります。

 

一次発酵、二次発酵ともに時間なども決まっていますので、レシピを見つつ目の前の生地の丁度いい具合を見計らって時間を調整しましょう。

 

イースト菌

イースト菌は発酵中に糖分を分解して炭酸ガスを発生します。

その炭酸ガスをグルテンが取り込むことで生地を膨張させるのです。

 

グルテン

発酵中にイースト菌から発生した炭酸ガスがパンを膨張させるのですが、その炭酸ガスはパンの生地から抜けてしまいます。それを防ぐのが、グルテンです。

 

小麦粉に含まれるグルテンというたんぱく質の存在が、大きな役割を果たします。グルテンはグルタミン酸を多く含むので、粘り気があり炭酸ガスを逃しません。

 

パンが膨らまない原因

 

それでは今度は、パンが膨らまない理由を考えてみましょう。パンが膨らまない理由は沢山ありました。

 

計量と手順が適当

パンを作る時に一番重要なことは、レシピ通りにすることです。目分量で作っても決していい結果にはなりません。まずは、レシピ通りに正確に計量することが大切です。

 

材料の入れ忘れ

材料の入れ忘れはしていませんか?材料の入れ忘れは水分量に関わります。その材料がないだけで、パンが仕上がりません。

 

材料の入れすぎ(イースト、塩など)

塩やイースト菌を入れすぎてはいませんか?

 

塩の役割としては、適量入れると生地の構造を引き締めてくれて、弾力のあるしっかりとしたパン生地を作ってくれます。

 

だからといって、多く入れすぎてしまうと塩の殺菌力によってイースト菌を殺してしまいます。

 

パン作りは正確さが大切

材料にはそれぞれに役割があります。その役割はレシピ通りに入れることでいい仕事をしてくれるのですが、過不足があるとその役割を果たすことができないどころか、パンに悪影響を与えてしまいます。

 

レシピ通りにするように心がけましょう。

 

ドライイーストが古い

原因の1つにドライイーストが古いということがあります。

 

ドライイーストの保存期間は、保存状態にもよりますが1年ほどは大丈夫です。そのため、料理教室などで重宝されています。頻繁にパンを作らない方やパン作りビギナーさんにおすすめです。

 

開封後は必ず冷蔵庫で保管しましょう。次に作るまでに時間が空くのであれば、冷凍庫で保管します。なるべく空気に触れないことがポイントです。

 

古くなったイーストは膨らまない、発酵不足

イーストが古くなっているとその働きも鈍くなります。そうすると、どんなに発酵してもその働きが悪くなり結果としてパンが膨らまなくなります。

 

捏ねが不足している

 

グルテンがきちんと形成されていない

捏ねが不足してしまうと、グルテンをしっかりと形成することができません。

 

グルテン膜

グルテン膜を作るのは、捏ねるという作業が大切です。捏ねることを怠ると、どんなに炭酸ガスが発生してパンが膨らむ状態になってもそれを逃がしてしまうことになるのです。

 

捏ねのコツ

捏ねるコツをご紹介しましょう。

 

1.手のひらの付け根の部分で生地を台にこすりつけるように捏ねる。

2.最初はベタベタしても大丈夫。スケッパーなどで生地をかき集めて繰り返す。

3.生地が台から離れやすくなり、生地全体がつながって塊になったらOK。

 

発酵不足

発酵が不十分ですと、パン生地が膨らみません。

 

充分に炭酸ガスが保持されない

発酵中にイースト菌が炭酸ガスを発生させます。

その炭酸ガスがパンの膨張に大きな影響を与えますが、発酵が不足するとその炭酸ガスがあまり発生しません。

 

正しい発酵手順を紹介

発酵は正しく行う必要があります。

 

<一時発酵>

温度30~40℃、湿度70~80%がベストです。

 

一番簡単な方法はオーブンの発酵機能を使うことです。発酵器を使って行う方法もあります。

肝心なことは温度と湿度を保つことです。

 

逆に、一定の温度や湿度を保つことができれば、使い捨てカイロやこたつを使っても可能です。

発酵前より1.5~2倍の大きさにしましょう。

 

終了のポイントはフィンガーチェックを行うとわかりやすいです。

 

<二次発酵>

リーンなパンは、温度40℃、湿度80~85%を保ちます。

リッチなパンは、温度35~38℃、湿度80%を保ちます。

 

こちらもオーブンの発酵機能を使うと便利です。発酵前より1.5~2倍の大きさにします。

 

一次発酵と同様に、終了のポイントはフィンガーチェックを行いましょう。

 

生地の乾燥

生地が乾燥しているという現状は起こっていませんか?

 

ベンチタイムにそのまま放置

ベンチタイムだからとそのままの状態で放置していると、生地からどんどん水分が抜けていきます。

 

発酵しにくくなる

生地の休憩タイムなのに、生地から水分が抜けてしまうほど放置してはいけません。生地が乾燥すると発酵しにくくなります。表面が乾燥するとパンが膨らむ際に表面がガチガチになっているので、うまく膨らまないのです。

 

また、発酵がうまくいかないと、炭酸ガスの発生にも大きな影響が出てきますので、パンが膨らみづらくなってしまうのです。

 

打ち粉のし過ぎ

パン生地の水分がうばわれる

打ち粉は適量なら問題ありませんが、しすぎてしまうと生地に粉が多く含まれてしまい生地が乾燥してしまいます。その乾燥で、発酵が妨げられてしまいます。

 

プロは打ち粉をほとんど使いません。ほんのわずかな粉だけで作り上げてしまいます。

 

パン生地を捏ねる際、最初のうちはどうしても手についてしまいますが、それは仕方ありません。

それで正しいのです。だんだんと手につかなくなってきますので、あまり多くの打ち粉をしないようにして、捏ねていけば塊になることを思い浮かべて頑張りましょう。

 

形成が出来ていない

パン生地に傷、とじ目が閉じられていない

パン生地を発酵させる前に、生地を丸める工程でしっかりととじ目が閉められていなかったり、傷がついている可能性があります。しっかりと閉められていないと、発酵中にでる炭酸ガスがそこから抜けてしまうのです。

 

炭酸ガスを蓄えておくことができないと、パンは膨らみません。

 

形成時の注意点

形成時には、人差し指と親指でしっかりとつまむようにぎゅっとくっつけましょう。

 

ホームベーカリーで膨らまないときの対処法

 

ホームベーカリーはパン作りの強い味方です。ビギナーさんには特になくてはならない存在でしょう。

 

しかし、残念ながらホームベーカリーでも失敗することもあります。そんなときはどんな対応をすればいいのでしょう。

 

変圧器のチェック

ホームベーカリーを使用して膨らまない原因として一番多いのは、捏ね不足です。本来、生地がしっかりと生地を捏ねるように設計されていますが、それができない場合があります。

 

それは、電圧が足りない場合です。電圧が足りないと、力を発揮することができなくなります。

 

ホームベーカリーを使っているのにパンが膨らまないという現象が起こってしまった場合は、まず変圧器をチェックするようにしましょう。

 

グルテンの量を増やす

ライ麦パンや全粒粉パン、米粉パンなどが最近人気になっている今、ホームベーカリーで作ってみたいと思う方が多いでしょう。

 

しかし、これらはグルテンが少なく、膨らみにくいという特徴があります。つまり、作るのが難しいということです。

また、ドライフルーツやチョコレートを入れることもあるでしょう。その量が多いとグルテンを傷つけてしまい、膨らまないこともあります。

 

これらのパンを作る場合は、通常の強力粉を加えてグルテンの量を増やすようにします。

ドライフルーツやチョコレートは、粉に対して2割程度に抑えましょう。

 

発酵の時間を変える

ホームベーカリーの場合、発酵時間も適切に行わるはずですが、膨らまない場合は時間を変えてみるのも1つの手です。

 

少しだけ時間を長くするだけで、しっかりとパンが膨らむようになります。

 

手づくりパンはどうして膨らまないの?その原因と対処法について解説!のまとめ

 

手作りパンが膨らまないということはよくある失敗です。

そんな失敗を繰り返さないために、いろいろな原因を知ることは大切です。

 

沢山の原因がありますが、それらはレシピ通りに作ればほとんど回避されます。

でも微調整も必要です。

おいしい手作りパンが食べられるように、レシピをしっかりと把握して作りましょう。

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