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お菓子作りに使用するバターについて徹底解説!

お菓子を作る時に重要なのはバターです。

 

しかし、バターはここ数年の間にどんどんと高騰しています。品不足も進み、バターの代用に何かないかと模索している人もいます。

 

実感されている方も多いかと思いますが、バターが持つ独特に旨味やコクは他の食材で出すことはできません。

 

そんなバターの特徴や種類についてご紹介しましょう。

 

バターとは

 

バターは、牛乳から分離した乳脂肪分(クリーム)をさらに攪拌して、乳脂肪の粒子を包んでいるたんぱく質の膜を壊し、脂肪だけを取り出して練り上げたものです。

 

牛乳から分離させたクリームを攪拌してできた脂肪の粒を取り出し、水洗いして練ったもの

バターとは、牛乳から分離したクリームを、さらに攪拌してできた脂肪の粒を取り出して、練って固めた食品です。

 

バターは乳製品の一種で、牛乳から分離したクリームを、水洗いした後に煉るなどで凝固させた食品です。常温では、わずかに黄色味をおびています。

 

乳脂肪分は80%以上

主成分は脂肪(乳脂肪)で脂肪分は、80%以上になります。100gのバターを作るためには、原料乳が約4.8リットルも必要になります。

 

クリームには、「脂肪球被膜たんぱく質」に包まれた脂肪球というものが浮遊しています。

 

クリームを攪拌すると、脂肪球がぶつかり合い、脂肪球被膜たんぱく質が破れた脂肪滴が集まって固まります。こうして出来上がったのがバターです。

 

お菓子作りでのバターの役割

 

バターには、脂肪を練り上げる時に、食塩を加えて作られた有塩バターと、食塩を加えない食塩不使用のバター「無塩バター」があります。

 

また、バターの原料のクリームを乳酸発酵させてから作る発酵バターとそのまま発酵させずに作る無発酵バターがあります。

 

お菓子つくりでバターを使う時の目的や役割には、いったいどんなものがあるのでしょうか。

 

独特の風味とコクを加える

バターは独特の風味とコクがあります。お菓子を焼く時に、バターを使うことで、コクのある濃厚でおいしいお菓子になります。

 

また、バタークリームには生クリームにはない奥行のある贅沢な味わいがあります。

 

製法によっては、カスタードソースやメレンゲをベースに作るバタークリームは、驚くほどソフトでコクのある風味を作り出します。

 

サクサクと軽い食感になる

小麦粉は、卵白や牛乳といった水分と一緒に捏ねるとグルテンが形成され、もちもちとした食感になります。

 

しかし、バターを加えるとバターの油脂分が小麦粉に含まれているグルテンをできにくくします。

 

クッキーの生地にバターを加えることで、サクサク感が良いクッキーになります。

 

そして、クッキーを作る時に、バターが白っぽくなるまで混ぜるのは、できるだけ空気を含ませて、サクサクした食感にするためです。

 

空気をふくんでふっくらさせる

バターは砂糖を加えて泡だて器で混ぜ合わせると、中にたくさんの空気を抱き込む性質があります。そのため、しっかりとバターを泡立ててから小麦粉と合わせる都、きめ細かい、ふくらんだパウンドケーキを焼くことができます。

 

先にしっかりと泡立ててきめ細かい気泡をたくさん含ませるほど、生地を焼いた時によくふくらみ、ふんわりと出来上がります。冷めた後も、しっとり感が続きます。

 

ケーキのデコレーションにするバタークリームを作る時も、しっかり空気を含ませるように白っぽくなるまで混ぜることで、口あたりの良いなめらかな食感のクリームを作ることができます。

 

パイの層を作る

バターは温度により、固形(5℃前後)からクリーム状(20℃前後)、液状(30℃程度)へと変化する性質があります。

 

パイ生地にバターを練り込む時は、13~18℃で、粘土状になったバタ―を伸ばした小麦粉にはさんでいきます。小麦粉をのばして、固形のバターをはさみ、さらに小麦粉をのばして、と幾層にも生地を重ねていきます。焼く熱を加えることでバターが生地に溶け込んでいくことでパイ生地の層が形成されます。

 

保存性が高くなる

バターは80%以上が乳脂肪で、ほとんど水分を含んでいません。そのため保存性が高く腐りにくいという特徴があります。

 

クッキーにはさんだり、ケーキのデコレーションに、生クリームの代わりにバタークリームを使うことで、風味とコクを与えるだけでなく、保存性も高くなります。

 

バターの特徴

 

サクサクさせるショートネス性

バターと小麦粉を使用することで作り出されるサクサク感をショートネス性と言います。

 

クッキーだけでなくパイやクラッカーなど焼き菓子製品に共通する品質で、「サクサクと砕けやすい性質」を一般的にショートネス性と言います。

 

ショートネスを良い状態につくることが、お菓子の加工の上で重要な点になります。クッキーにおけるショートネス感覚を出すために、小麦粉のグルテンの発生を抑えるバターの役割はとても重要です。

 

バターの配合が少ないクッキーは、グルテンが形成されてしまい、パリッと割れやすい出来上がりになります。

 

空気を抱き込むクリーミング性

バターの固さが20℃前後のクリーム状にあるときに攪拌すると、大量の空気を取り込むことができます。

 

これは、バターやバターを加えた生地がきめ細かい気泡をたくさん含んでいる状態だからです。生地がふっくらとしているのはこの性質によるものです。

 

生地を焼く時、バターの中に混ぜ込まれている気泡を核に、熱によって膨張剤し発生した炭酸ガスが生地の中で大きく膨らみます。そして、キメの細かいふわっとしたお菓子に仕上げます。

 

これがバターのクリーミング性です。

 

柔らかく伸びる伸展性

バターは13〜18℃の時に、固形でありながら自由に形作れる粘土のような柔軟性を発揮します。

 

この性質を利用して、折り込みパイ生地を作るとき、柔らかい生地と柔らかくしたバターを層に織りこむことができます。

 

完全に溶けたバターを再度固めたものはお菓子作りには適さない

バターは高温に非常に弱く、温度変化で性質が変わります。いったん溶けたバターは組織が壊れていることから、再び冷やし固めても風味や口当たりは悪くなります。

 

そのため、一度溶けたバターを再び固めたようなバターをお菓子作りに使用しないようにしましょう。

 

バターの種類

 

日本でバターと言えば、有塩の無発酵バターが一般的です。

 

一方、ヨーロッパでは発酵バターが主流になっています。

 

発酵バター

発酵バターは乳酸発酵させているので、ほのかにヨーグルトのような爽やかな酸味と香りがして、コクと風味が増しています。

 

有塩タイプ

発酵バターにも有塩のものと無塩のものがあります。有塩タイプのバターは、およそ1.5%ほどの食塩が添加されています。

 

発酵バターそのものに、乳酸菌の酸味やコクがあり、お菓子作りよりも食パンやバケットに塗ったり、料理に使われることが多いようです。

 

 

無塩タイプ

発酵バターの甘みに、ほのかな酸味を感じる味わいがあります。無塩のため食パンからバゲット、カンパーニュなどパンに塗って食べることもできます。

 

国産の無塩タイプの発酵バターはミルキーなフレッシュ感もあり、お菓子つくりに使うと、よりバターの風味を上品に味わうことができます。

 

非発酵バター

日本で作られているバターは、ほとんどが非発酵バターです。ヨーロッパは発酵バターですが、アメリカやオーストラリアも非発酵バターが主流になっています。

 

乳酸発酵していないため、ミルクの甘みを楽しむことができるのは、非発酵バターになります。

 

有塩バター

日本で市販されているバターのほとんどが、有塩の非発酵バターです。有塩バターは脂肪を練り上げる時に、2~3%の塩分を添加しています。

 

レシピの材料に塩一つまみと「塩」が材料に書かれている時は、分量の塩を加えずに有塩バターを使いましょう。

 

シュー生地・ショートブレッド・スコーン・チョコチップクッキーなどのレシピの材料に塩一つまみとあったら、有塩バターを使って、一つまみの塩をいれない、という方法もあります。

 

 

食塩不使用バター(無塩バター)

バターは元々、保存性と風味を高めるため、食塩を添加してあるバターでした。

 

しかし、お菓子作りには「食塩不使用」のバターを使うのが一般的になります。

 

保存性のため、以前は無塩バターと呼ばれていたバターには、わずかにも塩分が含まれていたため、「食塩不使用」と表示されるようになりました。

 

お菓子作りでは大量のバターを使うことがあります。少量の塩分でも、味に影響することがあります。そのため、食塩を全く使っていない「食塩不使用」バターが必要になります。

 

有塩バターには200gで3gほどの食塩が添加されています。味が変わってしまうだけでなく、塩には小麦粉に含まれているグルテンの働きを高める作用があります。

 

有塩のバターを使うと、生地に粘り気が出てしまい、ふっくらとした焼き上がりになりません。

 

ふっくらとしたケーキのスポンジを焼きたい時は、食感にも影響が出ますので、「食塩不使用」バターを選ぶようにしましょう。

 

バターをたくさん使うレシピほど、出来上がりに違いが出る

パウンドケーキを作る時、1本当たり200gのバターを使います。200gのバターには3gの食塩が入っているか、入っていないかの違いですが、3gの食塩は小さじ半分以上で、なめるとかなり塩辛いです。

 

そのため、バターをたくさん使うレシピほど、出来上がると有塩・無塩・発酵・非発酵の違いが出てきます。

 

無塩バターと有塩バターの違い

 

それでは、無塩バターと有塩バターには、どんな違いがあるのでしょうか。

 

塩分量

バターには有塩・無塩・食塩不使用の3種類があります。有塩はおよそ1.5%ほど食塩が添加されています。無塩にも、保存のためにほんのわずかですが、食塩を添加しているということです。

 

食塩不使用は、食塩を全く使っていません。

 

賞味期限

それでは、賞味期限はどうでしょうか。

 

無塩バターのほうが短め

バターに添加する食塩は、保存性を高める働きがあります。

 

食塩が含まれていない食塩不使用のバターの賞味期限は、有塩バターよりも1か月ほど短くなっています。

 

入手しやすさ

スーパーなどで一般的に販売されているバターはどの種類になるのでしょうか。

 

一般に売られているのは有塩バター、無塩バターの取り扱いは少ない

一般的に販売されているバターは、有塩バターになります。無塩は種類も少なめです。

 

価格

無塩バターのほうが高い

一般的に無塩バターの方が賞味期限が短いため、作っている種類が少なくなります。そのためほとんどのメーカーで、1箱150g当たり非発酵で20円ほど、無塩バターの方が高めになります。

 

 

有塩バターは安売りされる機会もある

バターが品薄になっているため、最近は少なくなりましたが、有塩バターの方が安く販売される機会もあります。

 

お菓子作りに無塩バターが適しているのはなぜ?

 

お菓子作りには、なぜ無塩バターが良いのでしょうか。

 

有塩バターで代用しても膨らまないなどの問題はない

バターは有塩を使っても、無塩を使っても全体のしっとり感やふっくら感に多少の違いはあっても「膨らまない」といった、決定的な違いはありません。

 

そのため、大勢が同じものを作る、中学校や高校の調理実習ではどうしても材料がそろわないと、班によって「無塩」と「有塩」のバターで作ることもあります。

 

しかし、出来上がりには大きな差はありません。

 

大きな違いは味

有塩バターと無塩バターの大きな違いは味になります。塩分が入っているか入っていないかは、とても大きな違いです。

 

もともと塩を入れないレシピの場合、レシピどおりの味にならない

レシピに「塩」という言葉がないのに、有塩のバターを使ってしまうと、レシピどおりの味にはなりません。どうしても塩辛さは残ってしまいます。

 

塩が入るレシピだとしても、有塩バターで同じ味になるわけでもない

塩一つまみと書いてあるレシピでも、実際には一つまみは1g程度になります。パウンドケーキで200gのバターを使ってしまうと、3gになるため、味は違ってしまいます。

 

発酵バターと非発酵バターの違い

 

最近は、ヨーロッパで主流の発酵バターが日本でも、利用されるようになっています。

 

原料となるクリームに乳酸菌を添加し発酵させてからバターに加工したもの

「発酵バター」は、原料となるクリームを乳酸菌によって半日以上発酵させて作ります。焼き菓子にすると、バターの香り、味、風味の違いが引き立ちます。

 

発酵バターはバターならではの風味がより強い

発酵バターの芳醇な香りは特に焼き菓子にすることで、バターならではの風味をより強く感じることができます。

 

発酵バターを使うことで、手作りのクッキーが高級感のあるクッキーに早変わりします。

 

バターの風味を強調したいお菓子には向く(フィナンシェ、クロワッサンなど)

バターの風味をより強調するお菓子、フィナンシェやクロワッサンは、発酵バターを使うことで、より美味しさが増します。

 

日本では非発酵バターを使うのが主流、ヨーロッパでは発酵バターが好まれている

元々、日本ではアメリカが主流の非発酵バターが一般的ですが、ヨーロッパでは古代から発酵バターが作られ、好まれています。

 

バターとマーガリンの違い

 

バターとマーガリンは似て非なるものです。

 

バター

バターは、乳脂肪から作られる動物性食品、乳製品になります。

 

原料:乳脂肪のみから作られる

バターの原料は「乳脂肪」のみです。

 

 

味:独特のコクがある

バターには乳脂肪独特のコクと旨みがあります。

 

 

香り:独特の風味がある

バターには、乳脂肪特有の芳醇な風味があります。

 

マーガリン

マーガリンは、様々な植物性脂肪を使って作られた人工調味料です。

 

原料:植物性脂肪を使って作られたバターの代替品

日本で作られるバターは、菜種油、ひまわり油などの植物性脂肪を使って作られたバターの代替品です。

 

 

味:あっさりとした味に仕上がる

植物油脂のためバターよりもあっさりとした味に仕上がります。

 

 

香り:香料で添加、焦がすと油っぽいにおい

本来植物油脂には、バターの香りはありませんので、香料を添加しています。また、焦がすとバターと違い風味はなく、油っぽい臭いが残ります。

 

マーガリンがお菓子作りに不向きな理由

マーガリンはお菓子作りの時、バターの代替品にはなりません。風味やコクがなく、油臭が残るお菓子になってしまいます。

 

冷めてから独特の油臭さ

特に、冷めてから食べることが多い焼き菓子や、ケーキでは独特の油臭さが残ってしまい、美味しいものではありません。

 

 

焼き菓子などに求められるバターの風味はしない

焼き菓子はバターの風味があってこそになります。ケーキ用マーガリンもありますが、できればバターを使って欲しいです。

 

バターが乳脂肪のみから作られるのに対し、マーガリンは植物性脂肪を使って作られたバターの代替品ということを忘れないでください。

 

お菓子作りに使用するバターについて徹底解説!のまとめ

 

お菓子作りに欠かせないバターにもこんなに色々あることに驚きですね。

 

洋菓子やバターの風味やコクを味わうことで、さらに美味しさが増します。

 

ぜひ、レシピを活かすバターを選んで、美味しいい焼き菓子作りに挑戦してみましょう。

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