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必見!手作り焼き菓子の日持ちと保存方法について

バレンタインの時、とても人気のある男性が「手作りのお菓子はできれば避けたい」ということを言っていました。それは焼き菓子でも同じです。

 

彼はバレンタインになると両手紙袋いっぱいに、手作りや市販のチョコレートやお菓子を受け取り帰宅します。その後3日くらいはお菓子生活になってしまい、中でも手作りのお菓子は日持ちしないため、とても困るそうです。

 

皆さん、いくら好きな人でも手作りお菓子には、日持ちや保存に不安があるということを知っておきましょう。

 

手作り菓子と市販菓子の日持ちの違い

 

手作りお菓子と市販菓子の日持ちはなぜ違うのでしょうか。

 

まずは、その原因から知っておきましょう。

 

手作り菓子には保存料が入っていない

手作りのお菓子には、人工的な保存料は一切ありません。それが、手作りお菓子の良さです。

 

しかし、保存料が入っていない、ということは当然保存がきかない、消費期限が短いということになります。

 

しかし、市販のお菓子には油の劣化を防ぐ「酸化防止剤」やカビの発生を防ぐ「防カビ剤」などを使用します。そのため、日持ちし長期保存可能なものもあります。

 

手袋をしないで作ると雑菌が繁殖しやすい

手作りのお菓子を作る時、素手で作ってしまうことが良くあります。

 

しかし、私たちの手には「表皮ブドウ球菌」という菌が常在しています。

 

表皮ブドウ球菌は、それだけでは何も悪さをしませんが、体内に侵入し病原性を発することもあります。

 

また、鼻の粘膜や手の傷の可能創には、「黄色ブドウ球菌」が常在することもあります。

 

食品製造の仕事をしている人はご存知かと思いますが、仕事の時は必ず工場内で利用するための手袋に作業服・制帽で作業をします。

 

また、定期的に検便や健康診断などを受け、絶対に余計な菌が食品に入らないようにしています。

 

大量生産のパン工場で働く人たちは、手洗いだけで1回に数回行い、作業中は簡単にトイレにも行けないそうです。それでも、指の間や爪の先など、菌の検査をすると「再度手洗い」になるため、とても大変だということです。

 

日本の工場はこのように徹底した衛生環境の中で、市販のパンやお菓子を作っています。

 

しかし、家庭でお菓子を作る時は、キッチンを閉鎖空間にしたり除菌や殺菌をすることなく、素手で生地を捏ねたり成型します。

 

手袋以前に雑菌が繁殖する可能性が高いということです。

 

そのため、市販のお菓子と比較し日持ちも短くなります。

 

日持ちしやすい手作りスイーツは?

 

それでも、少しでも手作りのお菓子をプレゼントしたい、子どもに手作りのおやつを食べさせたいと思うことがあります。手作りのスイーツでは、どんなものが日持ちしにくいのでしょうか。

 

そして、どんな作り方をすると日持ちしやすいのでしょうか。

 

日持ちしにくいスイーツ

日持ちしにくいスイーツは、水分が多く含まれているものです。

 

牛乳、卵を多く使った水分の多いもの

牛乳や卵は、それだけでも必ず要冷蔵になります。たくさん使ったスイーツも当然、日持ちしにくいだけでなく、冷蔵庫での保存が必要です。

 

ゼリー、プリン、生クリーム、カスタードクリーム

手作りのゼリーやプリンは、作った日に必ず食べきるようにしましょう。

 

また、保存する時は美味しさだけでなく保存方法として要冷蔵になります。

 

余ってしまった生クリームやカスタードクリームは、翌日以降まで保存する時は冷凍保存をおすすめします。

 

生クリームやカスタードクリームをトッピングしたりはさんだスイーツも、早めに食べるようにしましょう。

 

ティラミスやシュークリームは、日持ちしないスイーツになります。

 

日持ちしやすいスイーツ

日持ちしやすいスイーツは、水分量が少なく、しっかりと火を通したもの、味の濃い物、アルコールが含まれているものになります。

 

含む水分量が少ない

同じ焼き菓子でもケーキよりも、クッキーや固めに焼いたお菓子をおすすめします。水分量が少ない分日持ちもします。

 

しっかり火を通したもの

バレンタインで生チョコや生キャラメルよりも、水分が少なく中まで火を通したものの方が安全です。

 

フォンダンショコラは、とても美味しいですがトロッとした生の部分があるため、翌日以降に渡すプレゼントには向いていません。作った日に食べてもらいましょう。

 

バターを多く使用しているもの

バターを多く使用したものは、水分が少ないため日持ちします。

 

同じケーキでも生クリームのデコレーションよりも、バタークリームのデコレーションの方が日持ちするため、バースデーケーキを前もって作って置く時はバタークリームにしましょう。

 

チョコレート系(防腐効果)

チョコレートもたくさんの油脂を含むスイーツです。防災用の非常食としても活用されています。

 

そのため、本来ならバレンタインのチョコレートは日持ちするのですが、プレゼント用に作る時より美味しく仕上げるために生クリームを入れてしまうことがあります。

 

作った日よりも後にプレゼントする時は、焼き菓子とチョコレートの組み合わせスイーツを考えてみましょう。

 

焼き菓子

水分を蒸発させた焼き菓子は、スイーツの中で数日から5日ほど日持ちします。

 

クッキー、パウンドケーキ、ブラウニー、ビスコッティ、スコーンなど

クッキーやビスコッティは、3~5日ほど日持ちしますが、同じ焼き菓子でもスポンジケーキは水分が多く日持ちしません。

 

ビスコッティやスコーンにクリームをトッピングする時は、食べる時に改めてトッピングをするようにしましょう。

 

中にサンドするならバタークリームがおすすめです。

 

 

シフォンケーキは水分が多いので意外に傷みやすい

デコレーションの少ないシフォンケーキですが、水分が多いため意外と傷みやすいです。

 

ホールで焼いて残ってしまったら、冷蔵庫に入れて、翌日には食べきるようにします。

 

ただし、美味しく食べるには鮮度も大切

クッキーやパウンドケーキのように、水分が少ないと日持ちします。

 

しかし、いくら日持ちしてもスイーツは美味しい時に食べるのが一番です。できるだけ焼き立て、作り立ての焼き菓子を提供できるようにしましょう。

 

冷蔵庫で保存した場合

ほとんどのスイーツは常温で保存するよりも要冷蔵(冷蔵保存)になります。それでは、どれくらいの日まで食べることができるのでしょうか。

 

カスタードクリーム:1日

カスタードクリームは卵を使用しています。生クリームよりもこってりして見えますが、水分を多く含むため1日で使い切るようにしましょう。

 

生ケーキ:2日

生ケーキのスポンジは2日間持ちます。

 

しかし、上にカスタードクリームやフルーツをトッピングすると、傷みやすくなります。特にカットフルーツは翌日には鮮度が落ちてしまいますので、スポンジだけにしましょう。

 

どうしても保存する時は、密封容器に入れて冷凍庫で保存をしましょう。

 

プリン・ゼリー:3日

焼きプリンや寒天・ゼラチンを使ったプリン・ゼリーは冷蔵庫で保存して3日までです。

 

焼き菓子:5日

水分が少ない、クッキー・パウンドケーキ・スコーン・ビスコッティは冷蔵庫に入れて最長5日まで日持ちします。

 

しかし、バターも劣化しますので、それを過ぎないように気を付けましょう。

 

焼き菓子の保存方法

 

焼き菓子の保存で一番良いのは、空気を抜いてしまう方法です。バザーや作品展、文化祭で販売する時に、密封した袋でクッキーを販売していることがあります。

 

保存のしかた

 

まずは、焼き菓子の保存方法のご紹介です。

 

空気を通さないガス袋に乾燥剤を入れて密閉

手作りの焼き菓子やチョコレートを、入れる袋に「ガス袋」というものがあります。100袋で300円~500円程度でお菓子材料の専門店などに置いてあります。

 

お菓子と一緒に脱酸素材(ケプロン)を入れ、専用のシーラーでキッチリ、中に出来るだけ空気が入らないように密封します。

 

中の酸素を抜くことで、バターの酸化を防ぐ役割があります。

 

「焼き菓子」菓子をより日持ちさせるコツ

焼き菓子をより安全に日持ちするための工夫と注意点をご紹介しましょう。

 

調理器具は乾かしてから使う

調理をする時、できるだけ調理器具にも原因菌を付けないようにします。余裕があれば、一度3分くらいで75℃以上の熱湯で煮沸しましょう。

 

時間がなくても、きれいに洗ったら乾いた布巾でしっかりとふき、水分を残さないようにします。

 

完全に冷えてからラッピングする

ラッピングする時に熱が残っていると、袋の中に水分がこもり湿気やカビの原因になる場合があります。

 

熱いうちに保存すると水分がこもり湿気やかびの原因に

クッキーやケーキはしっかりと粗熱を摂り、冷ましてから袋に入れます。熱いうちに袋に入れてしまうと、保存用袋の内側に湿気がこもり、かびの原因になります。

 

乾燥剤を入れる(紅茶のティーバックでも代用可)

袋の中には必ず、脱酸素材(ケプロン)を入れて乾燥させておきます。家庭で食べるためにわざわざ脱酸素剤を用意するのはもったいない、という時は紅茶の茶葉が乾燥材の役割を果たします。

 

そのままではなくティーバッグを利用してください。

 

手作り菓子の冷凍保存

 

手作り菓子を冷凍保存すると、長持ちします。こういった性質を利用し、クリスマスケーキのスポンジを11月くらいに作って冷凍しておくという方法を取る家庭もあります。

 

冷凍保存に向くものは1ヵ月程度日持ちする

お菓子の保存には、冷凍保存に向くお菓子を、冷凍保存しておくという方法もあります。冷凍焼けを防ぐように保存しておくと、1カ月近く保存することができます。

 

美味しく食べるには2週間以内に

しかし、冷凍してもぎりぎりまで保存しても美味しく食べられるとは限りません。できるだけ10日~14日(およそ2週)の間に食べきるようにしましょう。

 

冷凍しても美味しく食べられるスイーツ

冷凍しても美味しく食べられるスイーツにはどんなものがあるのでしょうか。

 

焼き菓子

クッキーやビスコッティ・パウンドケーキは、すぐに食べない分は冷凍して保存します。ガス袋やラップでしっかりと包み、冷凍庫に入れます。

 

 

スポンジケーキ

スポンジケーキは、焼いてデコレーションしてあるものでも、冷凍保存ができます。密封容器に入れて冷凍庫に入れましょう。

 

デコレーションしていないものは、食べやすい大きさにカットし、ラップして冷凍庫に保存すると、食べる時に便利です。こちらもきるだけ10日~14日(およそ2週間)で食べきるようにしましょう。

 

 

タルト

タルトは一度に食べる分ずつラップして、密封容器かフリーザーバッグなどに入れて冷凍します。

 

食べるときはできれば半日くらい前から冷蔵庫に移して自然解凍をする方が、美味しく食べられます。

ラップしたまま電子レンジで500Wで20秒弱解凍しても食べることができます。

 

 

パイ

アップルパイのように大きなものは、食べやすい大きさにカットし、1つずつラップして冷凍します。この時、しっかりと冷ましてからラップするようにしましょう。

 

 

生クリーム

ホイップした生クリームは、オーブンシートにあらかじめ1回分ずつ絞り出して、冷凍します。コーヒーや甘味に浮かべて利用することができます。

 

そのまま冷凍すると、お菓子ようの生クリームとして利用することができません。液体のまま冷凍する時は、料理用に使うようにしましょう。

 

 

和菓子

今川焼やどら焼き、大福も1つずつラップして冷凍保存することができます。食べる時は、自然解凍、または電子レンジ500wで短時間解凍してください。

 

冷凍保存に向かないスイーツ

冷凍保存ができないスイーツもあります。

 

ゼリー・プリン

牛乳や水を使って固めたゼリーやプリンは、冷凍すると分離してしまいます。冷凍保存することができません。

 

 

カスタードクリーム

カスタードクリームは、そのまま冷凍保存すると分離して舌触りが悪くなります。そこで、タルトにあらかじめ絞ったり、お菓子に混ぜ合わせて冷凍します。

 

しかし、クリームそのものが冷凍向きではないので、できるだけ冷凍保存はやめましょう。

 

 

チョコレート

長期保存がきくチョコレートですが、冷凍すると白くなります。チョコレートは急激な温度変化に弱いため、保存は冷蔵庫に入れるようにします。

 

 

水ようかん

水ようかんは寒天と砂糖、水、餡で作ります。冷凍すると水が分離してしまい、解凍すると本来の姿では無くなります。ただし、水を少なめにしそのまま「小豆バー」のようなアイスとして食べることはできます。

 

解凍方法

冷凍したスイーツを食べる時は、できる限り自然解凍にします。

 

常温でなく、冷蔵庫でゆっくり解凍する

自然解凍といわれて常温で解凍する人もいますが、急激な温度変化を嫌うお菓子もあります。そこで、時間はかかりますが「冷蔵庫内」で半日から1日かけて自然解凍をするようにしましょう。

 

必見!手作り焼き菓子の日持ちと保存方法についてのまとめ

 

手作りお菓子の保存についてのご紹介でした。

 

手作りお菓子は添加物を入れずに作るため、とても安心です。

 

しかし、その分劣化も早く進みます。また、衛生面でも除菌や殺菌が不十分のままお菓子つくりをすると、それだけ劣化が早く危険になります。

 

安心して手作りお菓子を食べるためにも、周囲の人に贈るためにも、衛生面の安全を考えて、鮮度の良いお菓子を提供しましょう。

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