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手作りお菓子を売りたい!手作り菓子を販売する方法紹介します

大人になったらパティシエになりたい、と子どものころに考えていた人はいませんか。

 

結局普通の会社員になって家庭に入ってしまった、趣味でお菓子作りをする程度になっている人は大勢います。

 

手作りのお菓子を販売するのは、意外と面倒な手続きが必要になります。そして、それを仕事にするということになると、さらに色々な規則を守る必要があります。

 

それでは、手作りお菓子を販売するためにはどんな方法があるのでしょうか。そして、何を準備する必要があるのでしょうか。ネット販売なども合わせてご紹介します。

 

手作り菓子を販売する形態

 

手作り菓子を販売する形態には、様々な方法があります。一番良いのは実店舗ですが、実店舗を出すためには色々な準備が必要です。

 

まずは、「食品衛生管理責任者」の資格者がいる証明となる「食品衛生責任者証」、「菓子製造業営業許可証」がおりたお菓子つくりのための調理場、そしてお菓子のラッピングにつける「食品表示」を用意します。

 

この3つは、実店舗でもインターネット販売でも必要になります。

 

実店舗

自宅を改造してお店にする、すでにお店があった場所を借りる、ショッピングモールの一角を借りるなど、実店舗を持つ方法も様々です。

 

実店舗を開くことは、販売をする人にとって一番あこがれです。

 

しかし、そこに行きつくまでには様々なハードルを越えていく必要があります。

 

移動販売

公園や路上に移動販売車で移動し、手作りお菓子のお店を出す方法です。

 

実店舗と同じように、基本となる「食品衛生責任者証」、「菓子製造業営業許可証」「食品表示」が必要です。

 

それ以外に、「移動販売用の営業許可」が必要となります。移動販売は、各自治体の保健所に届け出をする必要がありますので、いくら移動ができるからといって、複数の場所で営業をする時は、自治体単位の許可証について確認をして下さい。

 

ただし、お店で作ったお菓子を袋詰めして販売する時は、お店がある場所での「菓子製造業営業許可証」だけで充分です。

 

ネットショップ

楽天やAmazonといったネットショップには、大手企業から一般個人までお店を出すことができます。

 

しかし、手作り菓子は、前評判もなければ知名度もありません。

 

しかも、手作りの場合は賞味期限や消費期限といった安全性に関する保証も考える必要があります。

 

初めは一人で開業することが多いので、大量に受注しない、支払いや注文の仕方を明確にする、決済や発送方法などをはっきりと利用する人が解るようにする、などネット上でも利用する人が解りやすいページを作ることが大切です。

 

イベント

バザーやフリーマーケットなど様々なイベント・マルシェで販売する姿を見ます。

 

こういった場合も営業許可は必要になります。イベントでも「菓子製造業営業許可証(店舗用)」「食品衛生責任者証」が必要になります。

 

この2つの許可証を持っていると、全国どこのイベントでも営業をすることができます。屋外でのイベントやマルシェで販売する場合は、すべての調理済みの菓子やパンは個包で「食品表示」する必要があります。

 

卸・委託販売

自分が作った手作り菓子をカフェやレストラン、すでに店舗を持っているベーカリーや和菓子やさんの片隅で卸・委託販売をすることができます。

 

手作り菓子の販売に必要な資格

 

手作り菓子を販売するためには、食品の管理をするための色々な資格が必要です。

 

資格によっては、自治体が発行するものもありますし、全国で使える資格もあります。数日の講習で取れるものと、色々な資格があると、様々な場面で手作り菓子を販売できます。

 

食品を製造・販売するためには「食品衛生管理責任者」資格が必須

営利目的で食品を製造・販売するためには「食品衛生管理責任者」の資格が必要です。農学部や生命科学部の大学を卒業していると、卒業単位に含まれるためすでに持っている人もいます。

 

また、栄養士や製菓衛生士・調理師の資格があると、食品衛生管理責任者の取得は必要ありません。

 

各都道府県の保健所や衛生局が開催する講習会を受講すれば取得できる

飲食店営業・喫茶店営業・菓子製造業・あん類製造業・アイスクリーム類製造業・乳酸菌飲料製造業・氷雪製造業・菓子種製造業など30種以上の食品関連の製造販売をするために必要な資格です。

 

手作り菓子を販売する場合は、上記の中に当てはまるため必要になります。一緒に販売するうち1人が持っていれば良いので、誰も持っていない時は自治体の講習を受講して、取得しましょう。

 

受講日は各自治体で、月に複数回開催しています。1日6時間の受講で取得することができます。

 

 

製菓衛生師・調理師・栄養士などの資格があれば免除される

製菓衛生師・調理師・栄養士の資格を持つ人は、資格取得の際に「食品衛生管理責任者」が受講する講座をすべて受講済みです。

 

他にも、大学の医学部・歯学部・農学部・生命科学部・薬学部などでは、卒業単位の中ですでに受講しているため、卒業と同時に「食品衛生管理責任者」の資格を取ることができる、またはそれ以上の資格を持つため、資格を取る必要がありません。

 

手作り菓子の販売に必要な許可申請

 

それでは、手作り菓子の販売に必要な許可申請についてご紹介しましょう。

 

菓子製造業営業許可証(施設対象の許可証)

菓子製造業は営業をするための「菓子製造営業許可証」という許可が必要です。

 

店舗の有無にかかわらず営業許可証が必要

最近は移動販売やネットショップ、イベントなど色々な方法で販売することもできます。

 

しかし、その時にも必要になるのが、「菓子製造業の営業許可」という許可書です。

 

これは店舗の有無にかかわらず、手作り食品の販売の時に必要なもので、保健所に申請してもらうことができます。

 

 

保健所へ申請

「開業届」を保健所に提出します。

 

この時「菓子製造業の営業許可申請」、雑貨屋さんや書店とカフェを併設する場合も同じく「食品衛生責任者」の証明書と飲食店営業、または喫茶店の営業許可申請を提出します。

 

食品衛生責任者証(人対象の許可証)

食品関連の製造販売をするために必要な資格です。

 

飲食店営業・喫茶店営業・菓子製造業・あん類製造業・アイスクリーム類製造業・乳酸菌飲料製造業・氷雪製造業・菓子種製造業など飲食を扱う場合は、必ず必要です。

 

飲食店・食品製造所に必ず一人配置することが義務

手作り菓子を販売する場合は、一緒に販売するうち1人が「食品衛生責任者証」を持っていれば開業できます。誰も持っていない時は自治体の講習を受講して、取得しましょう。

 

ここで、過去に食品衛生法に関する何らかの処分を受けていないことと、営業許可を取り消されている場合は2年以上の期間を経っていることも大切です。

 

 

オーナーでなくても構わない

「食品衛生責任者証」は、お店にかかわる人ならだれが持っていてもかまいません。オーナーはもちろんですが、一緒に作業する友人やパートの人、家族が持っていても大丈夫です。

 

 

他の資格を持っていることで免除される場合もある

大学の医学部・薬学部・歯学部・農学部・生命科学部では「食品衛生責任者証」認定のための講座6時間分を、卒業単位ですでに履修済みです。そのため、他の資格を持っていても免除されることがあります。

 

 

栄養士、調理師、製菓衛生師など

資格試験のために、通信課程や専門学校でも、他にも、栄養士や調理師、製菓衛生師の人は、すでに「食品衛生責任者証」認定のための講座を勉強、または履修しています。

 

手作り菓子を販売するには食品表示も必要

 

手作り菓子には、「食品表示」が必要になる場合があります。

 

ラッピングして店頭陳列する場合は食品表示が必要

ラッピングしてお菓子を店頭陳列する場合は、食品表示が必要になります。

 

材料、添加物、アレルギー食品、責任の所在、賞味期限を記載

食品表示で明記するのは「材料(多い順に書きます)、添加物、アレルギー食品、責任者の所在、賞味期限・または消費期限になります。

 

アレルギー食品は義務付けられている「卵・小麦・乳・エビ・カニ・落花生・そば」の7品目と、義務ではないけれどできれば表示をしてほしい20品目「桃・バナナ・ゼラチンなど」があります。

 

特に手作り菓子は「卵・小麦・乳」を使っているものが多いため、表示は義務になります。

 

 

その場で調理して販売する場合は食品表示は不要

喫茶やカフェで出すケーキやドーナツなどのお菓子は、食品表示が不要になります。

 

製造施設外へ持ち出して販売する場合

 

製造施設外へ持ち出して販売する場合、食品表示が必要ない場合もあります。

 

営業許可のある施設で作られたものであれば改めて許可を取る必要はない

元々、営業許可のある施設や工場、工房で作られたものは、改めて「菓子製造業営業許可証」の許可を取らず販売することができます。

 

学校のバザーや文化祭で、駄菓子を販売したり、ドーナツ店で購入したものを販売する時も、これにあたります。

 

キッチンカ―などでの移動販売

キッチンカーで販売する時、キッチンカーの中で製造販売する時は、「菓子製造業営業許可証」が必要になりますが、お店を別に持っていて、お店で作ったお菓子や甘いパンを販売する時は、許可証が不要になります。

 

 

イベントやマルシェ など

イベントやマルシェでの販売の時も、イベント会場で製造することはほとんどありません。そこで「菓子製造業営業許可証」は必要ありません。

 

イベントで「営業許可証」が必要になるのは、ラーメン店やうどん店などです。

 

営業許可取得に必要な条件

 

開業するためには「営業許可取得」に必要な条件の建物や厨房があります。

 

保健所で決められた6つの条件を満たす必要がある

 

許可を得るためには、「保健所で決められた6つの条件があります。それでは、6つの条件についてご紹介をしましょう。

 

1.建物の作り・構造・面積

建物の作り・構造・面積など保険所で決められた基準に達している必要があります。

 

2.床の材質

掃除がしやすく排水のよい、コンクリートやタイル等の耐水性の高いものになります。床の排水性を高めるために、勾配や排水溝を設置することが必要です。

 

3.壁・窓の材質、設置の高さ

床と同様、壁も衛生面の理由と防火の必要から、厨房の壁はステンレスやホーロー製になります。

 

清掃の時、水を使用するため、床から1m以上の高さに防水性の高い材質を使用するようになっています。

 

「窓」、「換気扇」については、換気のために一定時間あけて使用することがあるため、虫やネズミ等の侵入を防ぐために、窓には網戸を換気扇にはシャッターを付けるといった、防鼠防虫の設備が必要です。

 

4.器具の洗浄設備・手洗い設備

シンク(流し)

家庭に多い1槽式のシンクではなく、2槽式であることは必須です。

 

それぞれ水とお湯が出ること、そして1槽のサイズが「幅45cm×奥行き36cm×深さ18cm」以上であることが必要になっています。保健所によって異なるため、事前に保健所への確認が必要です。

 

 

手洗い設備

自治体によって多少の違いがあります。

 

厨房に従業員が使う手洗いが1つ、トイレ内にお客さん用の手洗いを設置する必要が大切です。東京都では、「幅36cm×奥行28cm」以上のサイズであり、手指の消毒器(手洗い用の洗剤)が備え付けられているもの、と決められています。

 

5.給湯設備

給湯設備は、店の営業形態にもよりますが、原則には、「お湯」の出る給湯設備が必要になります。保健所によっては60℃以上のお湯が出なければ許可はおりない、というところもあります。

 

6.冷蔵・冷凍設備、ゴミ箱、保管庫

基本として、冷蔵庫や製氷機、食器や食洗器、オーブン等といった設備は、すべて厨房内に収まっていることになります。

 

冷蔵庫の温度計について

厨房で使用する冷蔵庫・冷凍庫の場合、冷蔵庫のドア外から冷蔵庫・冷凍庫内の温度がわかるものを用意します。

 

業務用の冷蔵庫は、初めから中の温度がわかるようになっていますが、家庭用の冷蔵庫の場合は、温度計を設置し冷蔵庫内の温度を外側から確認できるようにしましょう。

 

 

食器棚、保管庫について

食器棚には必ず戸がついているものにしましょう。食器に埃が付くのを防ぐことが目的なので、材質は木製でもガラス製でも問題はありません。

 

 

ゴミ箱について

ゴミ箱は蓋つきのゴミ箱が1つ以上必要です。

 

キッチンカーの場合も、次のような設備が必要になります。

次のような条件を満たしている必要があります。

 

手洗い等洗浄用シンク

 

給水タンク・排水タンク

 

アルコールスプレー・手洗い石鹸

 

冷蔵庫・冷凍庫の搭載

 

換気扇の設置食品や調理器具を保管する蓋付き容器

 

ゴミ箱

 

運転席と販売室との間の「間仕切り」

 

仕込み場所

 

手洗い専用に1か所

 

調理器具洗浄用に1か所

 

自宅を活用する場合の注意点

 

自宅を活用する場合は、次のような注意点が必要になります。

 

自宅の活用例

自宅を製造場所にするためには、営業許可が下りるキッチンを用意する必要があります。

 

この場合必要なのが、自宅用のキッチンとは別にお菓子製造用のキッチンを用意する必要があります。

 

自宅で製造したものを移動販売・ネット販売する

自宅の空きスペースに、製菓専用のキッチンスペースを作ります。そして、そのスペースで「菓子製造業の営業許可」を申請します。

 

申請したスペースで手作りしたお菓子のみを、移動販売・イベント販売・ネット販売します。

 

 

カフェやお菓子屋さんとして改装・増築

自宅の一部を、カフェやお菓子屋さんとして改装・増築します。

 

この時も、製菓専用のキッチンスペースを作り、そのスペースで「菓子製造業の営業許可」を申請します。

 

6つの条件を満たしていないと営業許可が下りない

次の6つの条件を満たしていないと、営業許可は下りません。

 

建物の作り・構造・面積

 

床の材質

 

壁・窓の材質、設置の高さ

 

器具の洗浄設備・手洗い設備

 

給湯設備

 

冷蔵・冷凍設備、ゴミ箱、保管庫

 

市街化調整区域に指定されていると商用で利用できない

自宅を店にしたくても、住宅専用地域の場合、市街化調整区域に指定されている地域の場合は、商用転用できません。

 

用途を「住宅」から「飲食店やその他の商売目的の施設」に変更できない

地域によって、住宅しか作れない地域があります。こういった場所の場合は、商用転用できないため、役所で確認しましょう。隣接している家で「英語教室」や「ピアノ教室」をやっていても、飲食は異なることもあるため、改築する前に確認が必要です。

 

 

法律違反した場合は、営業停止や撤去命令

仕事として収入を得るためには、様々な法律を守って仕事をすることが大切です。特に飲食に関することは他人の健康を左右する場合もあります。

 

法律違反をすると、営業停止や撤去命令、場合によっては民事訴訟の原因になるかもしれません。しっかりと、法律を守り安全と衛生の両方に気を付けながら、手作りお菓子の販売をしてみましょう。

 

手作りお菓子を売りたい!手作り菓子を販売する方法紹介しますのまとめ

 

近くでお菓子の製造販売をするお店ができたり、知人がネットでお菓子の製造販売をしていると、自分でもできるのでは、と思うことがあります。

 

しかし、「趣味」や好きなことを「仕事」にするためにも、必要な資格や許可をしっかりと確認し、不要な問題を抱えてしまうことなく、気持ちよく手作りお菓子の販売を目指してみましょう。

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