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似てるけどここが違う!キッシュとタルトの違いとは?

野菜やキノコ類を固い小麦粉の生地で焼いた惣菜をキッシュといいます。

小麦粉の生地で焼いた型にクリームやフルーツなどを乗せたスイーツをタルトといいます。

どちらも、同じタルト生地を利用しているのに、なぜ呼び方が違うのでしょうか。正確には、キッシュとタルトの生地には違いがあるのでしょうか。

そこで、キッシュとタルトの違いについて、調べてみました。

キッシュとは?

キッシュは、野菜やキノコ類、ベーコンをクリームソースと和えて生地の中に流し込み、焼いたお惣菜です。この時に具を流し込む生地は、スイーツのタルト生地と見た目がそっくりです。

いったい何が違って、呼び名が異なるのでしょう。

キッシュはタルトとは違うのでしょうか。

16世紀半ば頃にフランスのアルザス・ロレーヌ地方で生まれた家庭料理

「キッシュロレーヌ」を通称キッシュと呼びます。名前からもわかるように、ロレーヌ地方の家庭料理ということになります。

キッシュは16世紀半ばごろ、フランスのアルザス・ロレーヌ地方で生まれた定番の家庭料理です。

パイ生地やタルト生地に、生クリームと卵を混ぜたアパレイユというクリームソースに、野菜やキノコ類・肉類を混ぜ、チーズで覆って焼いたお惣菜です。

国や地方によってキッシュの形や具だけでなく生地にも違いがあり、いずれも香ばしさとサクサクとした食感を楽しむことができる、お料理です。

ドイツ語のケーキを意味する「クーヘン(kuchen)」が語源

キッシュはドイツ語でケーキを表す「クーヘン」が語源ではないか、という説があります。

フランス料理なのになぜドイツ語なのかと不思議に感じますが、同じフランスでもロレーヌ地方はドイツに近い地域にあります。

ロレーヌ地方とドイツが近接

ロレーヌ地方は、フランス東部に位置する山間の街です。ぶどうや小麦の栽培とワイン作りが盛んな地域です。フランスの東部といっても、パリよりもルクセンブルクやドイツに近く、ライン川を超えるとすぐにドイツのバーデンバーデンに入ります。

そのため、公用語はフランス語の他に、ドイツ語、アレマン語が使われています。

洋風茶わん蒸しのようなイメージ

キッシュは、卵と牛乳を混ぜて野菜や肉類・キノコ類を混ぜ合わせて焼き上げたものです。器にパイ生地やタルト生地を使いますが、卵の希釈性を利用しているところは、プリンや茶わん蒸しに近いものがあります。

食べたことがない、という人に説明する時は、出汁の代わりに牛乳を使った洋風茶わん蒸しのようなもの、というイメージが近いでしょう。

茶碗蒸しとの違いは、具と器です。具が三つ葉・鶏肉・しいたけ・かまぼこの代わりに、玉ねぎやほうれん草・ベーコン・チーズなどたくさん入っているため、卵液よりも中の具を味わうことができます。

また、茶碗蒸しのような陶器の器ではなく、小麦粉を焼いたパイ生地やタルト生地のため、器ごと食べられるということです。

型はパンにもつながりますので、主食と主菜を一度に摂れる、合理的なお惣菜です。そう考えると、茶碗蒸しというより、うどんが入った「おだまき蒸し」の方が近いともいえますね。

サクサクとした土台

キッシュの楽しさは、サクサクとした土台の美味しさも味わえることです。パイ生地とタルト生地のちょうど中間のパートブリゼのタルト生地を使うと食べやすく、具と一緒に味わうこともできます。

具材を入れて、つなぎのアパレイユ(卵+乳製品)を流し込んで加熱し、チーズで覆う

キッシュの基本的な作り方では、まず卵と牛乳、または生クリームでつなぎのアパレイユを作ります。

キッシュの土台になるパイ生地やタルト生地にアパレイユを流し込み、そこにほうれん草や玉ねぎ・じゃがいも・ひき肉・ベーコンなど好みの具を混ぜます。最後に表面をチーズで覆って焼き上げます。

<具材には野菜・魚・肉などを使うが決まりはなく自由>

良くお店などで見かけるのは、ほうれん草がたっぷり入ったほうれん草のキッシュですが、季節によってかぼちゃのキッシュ、キノコのキッシュもあります。

入れる具材には、絶対これという決まりはなく、魚や肉・ベーコンやハムなど自由に入れることができます。

季節や好み、家の冷蔵庫にあるものを入れると良いかもしれません。

土台はサクサクしたものから、ずっしりとしたものまで

キッシュの土台には、パイ生地を使ったサクサクしたものから、固いタルト生地パートシュクレを使ったものまであります。

パイ生地は、サクサクとした食感を味わうことができますが、パートシュクレはカリカリとした重い生地になります。どちらも好みで利用することもできます。

日本の家庭で、お手軽キッシュを作る時、冷凍のパイ生地を利用する人もいるようです。

<土台にパイを使うこともある>

キッシュの土台でパイ生地を使う場合は、タルト生地よりもサクサクとした食感が楽しめます。パイ生地の中にも、小麦粉と強力粉の配合が異なるものもあるため、好みの分量で作ってみると良いでしょう。

忙しい人は冷凍のパイ生地を、そのまま利用することもできます。

キッシュとタルトの生地の共通点

タルト生地を使うこともあるキッシュですが、土台の見た目はそっくりです。

それでは、どのような違いがあるのでしょう。そして、キッシュとタルトの生地の共通点はあるのでしょうか。

キッシュとタルトの生地は違うのか?

名前だけを聞くとキッシュとタルトは、全く違ったものに感じます。

しかし、キッシュの語源と言われるドイツ語のクーヘンは英語でケーキのことです。そして、ケーキのことをイタリア語やハンガリー語でケーキのことを「トルテ」、フランス語でガトーといいます。さらに、トルテはフランス語では「タルト」といいます。

つまり、キッシュとタルトは同じものを意味しています。

呼び名は違うが見た目はとても似ている

キッシュとタルトは呼び名は違いますが、元々の語源はケーキや洋菓子を意味するものです。そのため、見た目はとても似ています。

基本的なキッシュの土台は、パートブリゼというタルト生地を使う

タルトには、カリカリとした固い生地のパートシュクレ、サクサクとしたサブレのような生地を使ったパートサブレがあります。

そして、もう1つはキッシュの生地にも利用されるパイ生地とタルト生地の中間のような、水分を吸い込みにくいパートブリゼがあります。

キッシュは牛乳や生クリームを卵と混ぜたアパレイユを流し込むため、水分を吸い込みにくいパートブリゼを利用します。

キッシュとタルトの違い

キッシュとタルトでは、同じタルト生地を使っているものもあります。

しかし、一般的にキッシュはタルト生地やパイ生地を使ったお惣菜で、タルトは甘いクリームやフルーツを使ったスイーツを表します。

キッシュには、生地の上に野菜やアパレイユを流し込んだ後、チーズやパイ生地で蓋をするものもあります。

キッシュにはタルト生地が使われているが呼び名が違う

キッシュには、タルト生地の1つパートブリゼが使われています。パートブリゼは、キッシュの他に林檎のタルト「タルト・ノルマンド」、コンスターチを使ったトロッとしたカスタードクリームのタルト「フラン」にも利用されます。

同じタルト生地ですが、呼び名が違っています。

キッシュとタルトの違い

そこで、キッシュとタルトの明確な違いは何でしょうか。何を基準にタルト、キッシュと呼び分けるのでしょうか。

キッシュは惣菜・食事として食べられる要素が強い

キッシュはフランスのロレーヌ地方の伝統家庭料理になります。

タルトは古代ローマ時代のトールタというお菓子が由来で、スイーツになります。

そこで、キッシュはお惣菜、タルトはスイーツと分けて呼ぶことが一般的です。

デザートではなく、甘い具材は使わない

キッシュはお惣菜のため、甘い具材は使いません。玉ねぎやほうれん草、キノコ、かぼちゃ、ジャガイモといった野菜の他にチーズやベーコンをトッピングしています。ソースにも牛乳や生クリームに卵を混ぜています。

タルトは冷たいが、キッシュは温かいまま食べることが多い

タルトはケーキのように食べるため、冷たいまま食べることがあります。

しかし、キッシュは温かい焼き立てのものを食べるのが一番です。

結論

結論を言うと、キッシュはお惣菜、タルトはスイーツということです。

これが一番分かりやすい分け方です。

キッシュは食事、タルトはお菓子

キッシュはお惣菜として食べますが、タルト生地はパイやパンと同じような器になるため、主食と主菜が1つになったものと考えて良いでしょう。ピザやサンドイッチと同じ食事です。

タルトは、甘いクリームや果物、チョコレートを乗せたスイーツ、つまりお菓子になります。

キッシュの作り方

家庭でキッシュを作ったことはありますか。

キッシュを食べる機会は、フレンチレストランのビュッフェや、クリスマスのオードブルくらいという人もいることでしょう。

しかし、ちょっとしたコツがあると、簡単に家庭でも作ることができます。それでは、美味しいキッシュの作り方をご紹介しましょう。

タルト生地の中でも甘味のない「パートブリゼ」

まずは、タルト生地の1つ、パートブリゼを作りましょう。

タルト生地を作ったら耐熱のお皿に生地を敷き詰め、その中にキッシュの具を入れて最後にパイ生地やチーズで蓋をします。

材料(タルト型21cm 4人分)

(パートブリゼの生地)

(キッシュの具)

作り方の手順

まずは、パートブリゼを作りましょう。

  1. 薄力粉と強力粉を混ぜてふるい、ボールに入れ冷蔵庫でよく冷します。
  2. 小さなボールに溶いた卵、牛乳、塩、砂糖を入れて、良くかき混ぜます。
  3. 溶けきったことを確認し 冷蔵庫で冷します。
  4. バターを冷凍庫に入れて硬くして、1~2mm角の大きさに細かく刻みます。
  5. バターを冷やした粉の中に入れて、ヘラでよくかき混ぜます。道具のヘラもよく冷しておくと、生地がしっかりとします。
  6. 生地は切るように10~15分かき混ぜていきます。
  7. ボールの中にバターの固まりが解らなくなるくらいになったら、終了です。
  8. 細かいバターのツブツブの周りに、粉が付いている状態を目指しましょう。
  9. 溶いた卵に塩・砂糖を溶かします。卵に粉を加えて、ヘラでザクザクと切るようにかき混ぜます。
  10. 生地全体が軽くまとまってきたら完成です。
  11. できた生地を軽くまとめてラップに包み、半日以上寝かせます。
  12. 寝かした生地を綿棒で伸ばして、タルト生地の出来上がりです。
  13. タルト生地をタルト型または耐熱容器に入れて、底にフォークで穴を開けます。

具の準備をしている間、冷蔵庫で冷やしましょう。

オーブンは220度に予熱しておきます。

中に入れる具を作ります。

  1. ベーコンは1cm幅に、玉ねぎ、マッシュルームは薄くしスライスし、ほうれん草は食べやすい大きさにカットします。ミニトマトは半分に切っておきます。
  2. フライパンに油をひきベーコンを炒めて、その中にほうれん草、玉ねぎ、マッシュルームを入れて炒めます。
  3. 塩こしょうで味付けをし、フライパンからおろして冷ましておきます。
  4. 溶いた卵、生クリーム、牛乳とナツメグ、コショウ、コンソメをよく混ぜ合わせます。これがアパレイユです。この中に、冷ました具を入れてさらによく混ぜます。
  5. 冷やしたタルト生地に、出来上がった具とアパレイユを混ぜたものを流し込みます。
  6. 上にミニトマトとピザ用チーズをのせ、オーブンで15分焼きます。

スライスチーズを使う時は、1cmくらいの細長いチーズにし、アップルパイのように網目にすると、焼き上がりがきれいです。

生地は、冷凍のパイ生地を使うと、時短になり楽に作ることもできます。

似てるけどここが違う!キッシュとタルトの違いとは?のまとめ

キッシュとタルトの違いは、お惣菜かお菓子かという違いになります。

たくさんの美味しいタルトを販売するケーキ店「フロ プロステージュ パリス」では、フルーツやプリンのタルトの他に、キッシュも販売しています。

「フロ プロステージュ パリス」で買い物をしたことがある人は、「そういえばタルト生地はカリカリ固めで、キッシュはさっくりしている」と思い出していただけたでしょうか。

これが、タルトとキッシュの違いです。

キッシュは、好きな具を入れて焼き上げることができる、美味しいお惣菜です。忙しい時は購入したものも良いですが、たまには自分好みの具を入れて手作りのキッシュを作ってみませんか。

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