覚えておこう!手作りパイ・パイ生地の保存方法について
忙しい中でも手作りのお菓子を作りたい、と思うことがあります。
しかし、ケーキはスポンジを焼くのが面倒、タルトも生地を混ぜて冷蔵庫で休ませる時間はない、という時、手作りスイーツを諦めていませんか。
こんな時は、アップルパイやミルフィーユを作ってみてはいかがでしょうか。
実は、パイは冷凍保存ができるのです。あらかじめ冷凍しておいたパイ生地を解凍し、パイ生地を使ったスイーツを作ることも可能です。
パイの賞味期限
生のケーキや和菓子、タルトなど生クリームやフルーツを使ったお菓子の賞味期限は、当日です。
しかし、どうしても食べきれない場合は、翌日までなら食べることが可能になります。
同じスポンジケーキでも、生クリームではなくバタークリームを使ったケーキやフルーツタルト、ベイクドチーズケーキは3~5日間冷蔵庫で保存ができます。
それでは、パイの賞味期限はどれくらいでしょう。
フィリングあり(アップルパイなど)
中にりんごやかぼちゃなど色々な素材をフィリングしたパイは、中の素材によって賞味期限が変わってきます。
しかし、基本的なフィリングのあるパイは、中の素材もパイ生地も火が通っているため、季節によっては手作りでも数日間食べることは可能です。
常温の場合
常温でパイを保存していた場合は、基本的に当日食べるようにしましょう。
また、焼き立てで熱々のパイは、パイが冷めるまでが賞味期限の目安になります。
<基本的に当日>
フィリングのあるパイは、基本的に当日食べるようにしましょう。当日食べるのは美味しく食べるための期限です。ケーキ類は焼き立てと、数日たってからでは生地の固さが違ってきます。
そのため、美味しく食べるためには、当日食べるのが一番です。
*暑い夏ならパイが冷めるまで
夏場はどうしても室温が高くなります。冷房を入れていても、ほとんどの家庭の室内は、30度を超えてしまいます。私たちの周囲に存在する菌は、30度前後が一番好きな温度です。
そのため、夏場は長期間保存することができません。熱々のパイなら、冷めるまでが賞味期限になります。
*寒い時期(10℃以下)で、暖房の入っていない部屋なら2日程度
寒い季節になると、昼間の室温が10℃を下回ることもあります。朝・夕は3℃くらいになります。
冷蔵庫内よりも室温の方が、低い場合もあるくらいです。そのため、暖房を使っていなければ室温でも2日程度食べることができます。
北海道では、人間が普段使っていない部屋の室温の方が凍ってしまうため、逆に一定の温度を保つために冷蔵庫に入れることもあるそうです。
*フィリングの材料や状態にもよる
しかし、フィリングの材料や状態によっても違ってきます。
例えば、水分を多く含む素材の場合は、早めに食べることをおすすめします。カレーパイや、シチューパイの場合は、その日のうちに食べて下さい。
*フィリングに水分を含むため傷みやすく、サクサク食感がなくなってしまう
パイの美味しさは、サクサクした歯ごたえです。
しかし、フィリングに水分を多く含むものを長期間放置すると、パイ生地に水分が染み込んでしまいます。そのため、パイ本来の美味しさが失われてしまいます。そこで、賞味期限は作った日で、当日食べるようにしましょう。
冷蔵の場合
冷蔵にした場合も、ほぼ同じです。中が水分の少ないかぼちゃのパイなら、翌日でも大丈夫です。
冷蔵と冬場の室温は、ほぼ同じ温度のため、どちらで保存しても賞味期限は、ほぼ一緒と考えて下さい。
<2、3日程度>
一般的なパイは、冷蔵での保存が2~3日程度になります。これは、アップルパイやかぼちゃパイ、ミルフィーユ、レモンパイも同じです。
<カスタードを使っている場合は2日まで>
ミルフィーユのように、カスタードクリームを使っている場合は、2日までにしましょう。カスタードクリームの賞味期限は、あまり長くありません、そこで、2日以内には食べきるようにして下さい。
冷凍の場合
パイは冷凍することができるスイーツです。そのため、クリスマスの時にパイ生地のケーキはあらかじめ冷凍しておいて、当日解凍して使うこともできます。
特に、パイ生地だけなら、1カ月くらい冷凍保存することも可能です。
<最長で1ヵ月程度>
成型して焼いたパイは、冷凍なら1カ月ほど保存が可能です。パイは生地だけなら、さらに数カ月で冷凍保存ができます。そこで、忙しい時期を見込んであらかじめ生地を作り、冷凍して保存しましょう。
ミルフィーユやアップルパイを作る時に、とても便利です。
フィリングなし(リーフパイなど)
フィリングがないリーフパイなどは、常温でも1週間程度保存が可能です。パイはバターをたくさん使っています。そのまま保存しても良いですが、できれば酸化防止のために乾燥材などを入れた容器で保存しましょう。
常温で1週間程度
フィリングのない、リーフパイなどは、常温で1週間程度保存が可能です。お店で販売しているパイの中には4カ月くらい保存ができるものもあります。
乾燥剤と一緒に容器で密閉
手作りのパイも、脱酸素剤などの乾燥剤と一緒に、密封容器に入れて保存します。常温で1週間保存が可能です。
バザーなどで手作りパイを販売しているのは、手作りでもパイの保存期間が長いためです。
パイの保存方法
作り置きしたい時や、誰かのプレゼントにしたいときに知っておくと役に立つのが、手作りパイの保存方法です。
それでは、パイの保存方法をご紹介しましょう。
焼きあがったパイの場合
焼き上がった手作りパイを保存する時、熱いまま保存することはできません。必ず常温に冷ましてから、保存してください。
冷蔵保存
まずは、冷蔵保存です。手作りのアップルパイやレモンタルトパイは、次の日に食べることもできます。
次の日に食べるなら、そのまま冷蔵保存をしましょう。冷蔵庫で保存する場合は、必ず常温に冷ましてからにします。
<冷めてからラップで全体を覆って冷蔵庫へ>
焼き上がったパイは、常温で自然に冷ましてラップに包みます。ラップできっちりと包んだら、そのまま冷蔵庫で保存をします。
長期に保存することはできませんが、2~3日間なら美味しく食べることができます。食べる時に、レンジやトースターなどで温めると、熱々のパイを楽しむことができます。
冷凍保存
冷凍保存をしたパイは、解凍したら一度に食べてほしいです。そこで、大きなホールのパイは、1度で食べることができる大きさに、一切れずつに切り分けて下さい。
<切り分けて一つずつラップし、保存容器やフリーザーパックに入れて密閉し冷凍庫へ>
大きなパイは、食べやすい大きさに切り分けて置きます。切り分けたパイを、ラップで包んだ後、保存容器やフリーザーパックなどに入れます。
一切れずつに分けておけば、食べる時に食べたい分だけを解凍することができます。
焼く前のパイの場合(フィリングをのせたあと)
パイ生地を生のまま冷凍保存すると、長期に保存ができます。
しかし、中にフィリングを乗せた後はどうなのでしょうか。フィリングの中の水分が出て、生のパイ生地の素材が変わってしまうのでは、ないでしょうか。
冷蔵は不向き
フィリングの入った生のパイ生地は、あまり保存には向きません。どうしても保存をする場合は、冷蔵での保存はやめましょう。
<フィリングの水分が出てくるため>
パイの中身が、チーズなど水分がないものであれば、可能です。
しかし、フィリングのほとんどは、りんごやベリーなどをジャムにしたものやシチューなどです。水分が多く含まれるため、そのまま長時間置くだけでも、生地が変化します。
たくさん作り過ぎて、天板に乗せることができなかったフィリング入りのパイを常温で放置した経験はありませんか。パイ生地が水分を含んでしまい、やわらかくデロンとなってしまいますね。
保存期間が1日であっても冷凍したほうがよい
そこで、生の生地はそのままでも、フィリング入りでも必ず冷凍保存をしましょう。パイ生地は冷凍しても問題がありません。むしろ、次の日に焼く時間がなく食べられないかもしれませんので、冷凍保存をしてしまいましょう。
冷凍する時は、一切れずつラップに包み、そのまま密封容器やフリーザーパックに入れて保存をすると、使う時に便利です。
焼くときは解凍せずに、すぐにオーブンに入れ焼き時間を延ばす
冷凍した生のパイは、解凍せずにそのまま焼きます。常温で戻すなどの手間がいらないのでとても便利です。
もちろん、これからフィリングをするパイ生地の状態の場合は、ある程度解凍し成型できるくらいの半解凍で、利用しましょう。
パイ生地だけを保存する場合
冷凍食品売り場に、パイ生地だけが販売しています。
家庭でも生のパイ生地を冷凍保存することができます。
賞味期限
冷凍食品売り場のパイシートは、1年から数年保存ができるというものもあります。国内で販売されている日本製粉のパイシートは18カ月になっています。
しかし、家庭で作るパイ生地は、人の手に触れているため、市販のものよりも保存期間は短くなります。
冷凍で3週間程度
手作りのパイシートは、私たちの手で捏ねます。そのため、どうしても無菌の工場で作られた冷凍パイシートよりも、賞味期限は短いと考えましょう。
そこで、およその目安としては、3週間以内には使うと考えると安心です。
保存方法
生の手作りパイシートを保存する場合は、できる限り作ってすぐに冷凍庫に入れて下さい。雑菌に触れる時間や機会が少ないほど安心です。
パイ生地を作る時は、手指は良く洗って、エプロンとバンダナをし、調理用手袋・マスクをすると良いでしょう。
生地を作ってすぐに冷凍庫へ
生地は作ったらすぐにラップに包み冷凍庫に入れます。
特に室温が高い夏や、暖房が効いた部屋で作ったパイ生地は、できるだけ早めに冷凍しましょう。
空気に触れないようにラップで包む
菌が繁殖する条件は、温度と酸素・水です。そこで、生地を作ったらすぐにラップをしましょう。ラップをした生地を重ねて、フリーザーパックに入れ冷凍保存すると、使う時に取り出しやすくなります。
解凍方法
生のパイ生地を解凍する時は、必ず低温での解凍になります。凍ったままでは固くなっていて、成型することができません。そこで、冷蔵庫で数時間前に解凍をしましょう。
使う数時間前に冷蔵庫で解凍
パイを作る時は、冷凍したパイ生地をラップに包んだまま冷蔵庫に移します。一度解凍したものは、使いきりになります。再度冷凍するのは品質が変わる原因になりますので、止めましょう。
冷蔵庫で数時間、少し塊が動くくらいまで解凍します。その間にフィリングを作って冷やしたり、オーブンの予熱をします。
半解凍程度の冷たい状態で成型をはじめる
冷凍したパイ生地は、完全に解凍させる必要はありません。まだ、少し半解凍程度で成型を始めます。少し手が冷たくなりますが、手の温度でパイ生地が柔らかくなるため、半解凍で始める方が生地にとってタイミングが良いでしょう。
覚えておこう!手作りパイ・パイ生地の保存方法についてのまとめ
手作りパイとパイ生地の保存方法は、冷蔵でも可能ですが、冷凍保存が一番ということになります。
手軽にパイを作ってみたい、たくさん作り置きしてプレゼントに使いたい、という時の参考にして下さい。
パイは、生地を作った状態で冷凍保存することも、焼きあがったパイを冷凍保存することもできる食材です。
バレンタインやクリスマス、いつも直前にスポンジと格闘していた人はいませんか。
次の機会は、時間がある時にパイ生地を冷凍保存したり、焼く前の状態で冷凍保存し、当日慌てずに熱々のパイを届けましょう。
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