体の水分が不足しているとその他にも体に様々な影響を及ぼします。結果的に競技やパフォーマンスにも影響が出てしまうのです。こまめな水分補給は、とても大切なのです。
いつ、どのように水分補給を行うのが適切なのか、スポーツ時の水分補給の役割や補給方法などをご紹介致します。
- 目次
- 1. スポーツ時の水分補給の役割と重要性
- 1-1. 体温調節で大事な役割
- 1-2. 筋肉の動きが悪くなったり疲れやすくなったりする
- 2. 体内の水分とパフォーマンスの関係
- 2-1. 運動中の水分補給の効果
- 2-2. 体重の1%を汗として失うと、スポーツパフォーマンスの低下が始まる
- 2-3. 2%を失うと、自覚症状はなくても動きが鈍くなってくる
- 2-4. 3-4%を失うと、自他ともにパフォーマンスの低下や疲れが認識される
- 2-5. 5%以上を失うと、吐き気やめないなどが生じ意識障害が起こることもある
- 3. スポーツを行う際の水分補給方法とタイミング
- 3-1. 運動前(30分程前までに、250~500mlを少しずつ分けて)
- 3-2. 運動中(喉が乾く前に、20~30分ごとにコップ1杯程度)
- 3-3. 運動後
- 3-4. スポーツ時にOKな飲み物
- 3-5. スポーツ時にNGな飲み物
- 4. スポーツ時の水分補給の役割や補給方法まとめ
スポーツ時の水分補給の役割と重要性
1-1体温調節で大事な役割
水分には、老廃物を排出するだけでなく酵素や栄養素を運ぶ働があります。また、運動時には、体温調節という大きな役割をします。
体内から水分が失われる事を脱水と呼びます。脱水になると、体温調節機能が低下してしまいます。体温調節がうまくいかなくなると代謝して熱を放出することと体の外に熱を逃がすことのバランス逃が崩れ、体温が上がってしまいます。
すると、汗をかこうと皮膚の静脈に水分が回り心臓に回ってくる血液が少なくなります。やがて、心臓が運び出す血液の量が減ることにより筋肉で発生した熱を運べなくなり、更に体温が上がってしまうという悪循環が生じます。運動中は、意識してこまめに水分補給をすることがとても大切です。
1-2筋肉の動きが悪くなったり疲れやすくなったりする
人の体の約60%は、水分でできています。普通に生活をしているだけの状態でも尿や汗、呼吸や皮膚からも蒸発するので大量に失われています。スポーツを行っている間には、汗を大量にかくためさらに多くの水分が失われているのです。
気候や気温、運動量により異なりますが、1時間程度の運動でかく汗の量は約1Lと言われています。水分が失われているまま水分補給をしないと、体内の水分不足で筋肉の動きが悪くなる、疲れやすくなるなど、運動機能にも影響が出ます。
最悪の場合には、脱水症状を引き起こし命の危険もあり得ます。このような状況を避けるためにもこまめな水分補給を十分にして下さい。
体内の水分とパフォーマンスの関係
2-1運動中の水分補給の効果
運動は筋肉の収縮によって行われ二酸化炭素、乳酸、熱などの代謝産物を生じます。水には、筋肉で代謝によってできた熱を血液で皮膚へ運ぶ、汗が皮膚で蒸発する際に皮膚の熱を冷ますといった皮膚の温度を下げる働きがあります。
その結果、体からの放熱を増すために皮膚の血液量が増して皮膚静脈に血液が溜まり発汗が生じます。
例えば、100gの汗が皮膚から蒸発するとその気化熱で約1℃体温を下がります。水分の補給をしないままの状態でいると体の熱を逃がすことができず、体温が上がってしまいます。
以下は、具体的な数字で表した水分が失われた時の人体に及ぼす影響です。
2-2体重の1%を汗として失うと、スポーツパフォーマンスの低下が始まる
体重の1%でも汗として体から水分が失われると、パフォーマンスの低下が徐々に始まります。
2-32%を失うと、自覚症状はなくても動きが鈍くなってくる
体重の2%の水分が体から失われると、自覚症状はないものの確実に動きが鈍くなります。
2-43-4%を失うと、自他ともにパフォーマンスの低下や疲れが認識される
体の水分を3~4%失うと、パフォーマンスの低下や疲れが自他共に認識されます。
2-55%以上を失うと、吐き気やめないなどが生じ意識障害が起こることもある
体の水分が5%以上失われると、吐き気やめまいなどが生じます。最悪の場合、意識障害が起こる可能性があります。このため、汗の量に応じてきちんと水分補給をすることが大切なのです。
スポーツを行う際の水分補給方法とタイミング
3-1運動前(30分程前までに、250~500mlを少しずつ分けて)
運動する直前に水分を摂りすぎることで胃が重くなり、運動の負担となります。適切なタイミングと量は、どのスポーツを行う場合にも競技を行う30分前までに200~250mlの量の水分を少しずつ分けて摂るようにしましょう。
スポーツドリンクには、糖分が含まれています。この程度の糖分であればよいですが、競技開始の30~40分前に糖分を多く含む飲料水を摂ると競技開始直後に急激にインシュリン・ショックという血糖値が下がる状態を起こしてしまうことがあるので注意が必要となります。
3-2運動中(喉が乾く前に、20~30分ごとにコップ1杯程度)
運動中に水分補給を行う場合に大量の水分をいちどに摂取してしまうと水が胃にたまると同時に重くなり競技に支障が出てしまいます。理想は、20~30分毎にコップ1杯(100~250ml)程度をこまめに補給することです。
また、喉が渇いてからではその時はすでに体の脱水は進行しています。飲んだ水分は、体に吸収されるまでに時間がかかりますので、我慢せずに喉が乾いたと感じる前に水分補給を行う事が大切です。
3-3運動後
運動前と運動後に体重を測って、体重差が体重の2%以内に収まっていれば、水分補給が適切に行われていたという事になります。もし、2%よりも水分が失われていた場合はその分以上の水分を補給してください。
3-4スポーツ時にOKな飲み物
汗の99%は水分なので、それを補うためのスポーツ時の水分補給は基本的に水のみで良いです。冷たすぎるものや高度の高すぎるものは、内蔵に負担がかかるのでなるべく避けます。激しい運動をして大量に汗がでる場合、汗と一緒に体の中のナトリウムが汗の出た分排出されます。
体内のナトリウムが不足すると筋肉の痙攣や脱水症状を引き起こす可能性があるので、糖質と塩分の両方が含まれるスポーツドリンクを選ぶことも大切です。市販のスポーツドリンクは思っている以上に糖分が多く含まれているため、通常よりも薄めて飲むのがおすすめです。
3-5スポーツ時にNGな飲み物
緑茶やコーヒーなどは利尿作用があるため、スポーツ時の水分補給には適さない場合があります。清涼飲料水や炭酸飲料水などは糖分が多い飲み物なので、避けた方が安心です。
スポーツ時の水分補給の役割や補給方法まとめ
スポーツ時の水分補給は、体温調節において大きな役割を担っています。体内から水分が失われる事を脱水と呼び、脱水症状を引き起こすと体温調節機能が低下してしまいます。
また、体の水分が失われたまま水分補給をしないでいると筋肉の動きが悪くなり疲れやすくなります。脱水症状は、命を危険に晒す可能性もあるのでこまめな水分補給はとても大切です。
運動中の水分補給の効果は、上昇した体温を下げる働きがあります。体の水分が失われたままでいると、体は熱を放出出来なくなり体温はどんどん上昇してしまいます。体は、水分を失うごとにパフォーマンスや動きが低下し、やがてめまいや吐き気、意識障害を引き起こします。スポーツを始める前に水分を補給する場合は、スポーツをする30分前に200~250mlを少量ずつ摂ります。
運動中は、20~30分ごとにコップ1杯の水分を摂ることが理想です。運動後は、運動前と運動後の体重差が体重の2%以内なら適切な水分補給がされていたということになります。
運動中の水分補給は水か、糖分や塩分が適度に摂取出来るスポーツドリンクが望ましいです。利尿作用のある緑茶やコーヒー、糖分を多く含む清涼飲料水や炭酸飲料水などは控えましょう。