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幼児期からの食育のメリットやポイント

幼児期からきちんと食育を行っていくことはとても大切なことです。子どもには好き嫌いなく、毎日美味しくご飯を食べて欲しいですよね。また、食事のマナーや挨拶などもきちんとできるようになり、家族みんなで楽しく話をしながら食事したいですよね。そんな親の願いが実現するためには、幼児期からの食育がとても大切になってきます。

 

幼児期までは食育のみに限らず、教育もとても重要になってきます。「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。これは、幼い頃に形成された性格は死ぬまで変わらないという意味です。簡単に言うと脳や心の形成は3歳までにほとんど完成するので、3歳までに見たり聞いたりしたこと、学んだことや知ったことなどたくさんのことを吸収し、脳や心の形成に大きな影響を与えます。

 

そこで、著しく成長する3歳までに心と身体の健康や成長を支える食育を行っていくことがとても効果的になります。

 

幼児から食育を行うことのメリット

 

3歳までに培われた味覚が一生影響を与えると言われる

人間には、食べ物の味を感じる味蕾が舌の上に約10000個あります。味蕾は、大人も子どもも同様の数があるので舌の面積が小さい子どものほうが大人より味に3倍ほど敏感になっています。子どものほうが味に敏感な理由としては、身体にとっての異物や毒を身体に入れないようにするためです。

 

子どもは大人に比べて免疫力が弱いため、身体に少しでも異物や毒を入れないような仕組みになっているのです。そして、味覚は3歳までにほぼ決まり、8歳までに確定します。3歳までの味覚形成、いわば食育が大切です。

 

食育というとなにをすれば良いかわからないお母さんも多いと思いますが、難しいことはなにもなく栄養バランスの良い食事を家族みんなで楽しく食べればいいのです。

 

まず、全部ご飯を食べさせなくてはと思うことはやめましょう。子どものうちは食欲や気分もあり、食べる量にムラがあるでしょう。それを無理に食べさせる必要はなく、「ご飯を食べることは楽しい」と思わせることが優先です。

 

無理に食べさせるとご飯の時間が憂鬱になることや食べることが嫌いになる可能性もあります。子どもが嫌がる場合は、無理に食べさせずにまずは、お母さんが食べて美味しいことを伝えます。そのあとに「一口だけ」と食べるように促してみてはいかがでしょうか。

 

それでも嫌がる場合は、無理強いはやめましょう。嫌いなものを食べさせる際には、甘みがあるさつまいもやかぼちゃなどと合わせると喜んで食べてくれる子どももいますよ。

 

また、子どもの頃に嫌いでも大人になったら食べることができる可能性もありますのでおおらかに構えましょう。お母さんが怖い顔や厳しい顔をしているほうが子どもの食育には悪影響です。楽しく会話をしながら食べましょう。

味覚の仕組み

 

甘味、塩味、酸味、苦味、旨味

味覚には大きく分けて5種類あり、それぞれ生きていくために必要なものを識別する信号になります。1つずつ説明していきます。

 

甘味は、ご飯・パンなどに含まれるエネルギー源を感知する役割です。塩味は、塩などに含まれるミネラルを感知する役割です。酸味は、腐敗したものを感知する役割です。苦味は、毒物を感知する役割です。旨味は、肉や魚などに含まれるタンパク質(アミノ酸)を感知する役割です。

 

このなかで「甘味・塩味・旨味」の3つは、人間が生きていくうえで必要不可欠な栄養素で母乳にも含まれているため本能的に好む味です。一方で「酸味・苦味」は、異物や毒を見抜くことができ身体を守るために食べるのを避けます。味覚が敏感な子どもにとっては苦手な味ですが、大人になって経験を重ねるごとに好きになる方もいる味です。

 

味蕾の役割と発達(味覚は5ヶ月過ぎから鈍感になっていく)

先ほど説明した食べ物の味を感じる味蕾は、赤ちゃんの頃から発達しています。実は、赤ちゃんは、お腹にいるときから味蕾が備わっているのです。それが5ヶ月以降から少しずつ鈍くなっていきます。

 

ちょうど離乳食が始まるくらいの時期なので母乳以外の味を受け付けられるようにするためでしょう。味覚が鈍くなったといっても子どもは、きちんと味を感知することはできます。まずは、子どもが好む「甘味・塩味・旨味」のみを使用した離乳食から開始しましょう。

 

その際に同じ食材を使い続けるのではなく、様々な食材を使用し味蕾に刺激を与えて脳に刺激を記憶させると有効です。例えば、甘味はエネルギー源である米やパンのみではなく、かぼちゃやさつまいもなども違った甘味を感じますよね。

 

そうすることで子どもは、甘味にもそれぞれ違う甘さがあることや美味しいものがたくさんあることを知り、様々な食材を食べることができるようになります。好き嫌いが生じやすい時期にはなりますが、子どもにとって特にお気に入りの好きな味が見つかりやすいです。

 

幼児の味覚の幅を広げるポイント

色々な素材の味を経験させる(ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングなどは離乳期には使わない)

食材には、それぞれ素材の味があります。素材そのものの味をまず味わい、経験させてあげる必要があります。特に日本特有の伝統食文化である和食はおすすめです。一汁三菜が良い例です。ご飯は、なにもかけたりつけたりせずとも噛めば噛むほどご飯特有の甘味が出ますよね。汁物は、粉末のだしの素を使わずに鰹節や昆布で出汁をとってあげたらいかがでしょうか。

 

また、魚は少量の塩を振って焼くだけで臭みも消え、魚本来の味が引き立ちます。小鉢は、野菜そのものを蒸すだけで野菜特有の甘味が出て美味しいです。例えば、かぼちゃやさつまいも、にんじん、トマトなどがあります。子ども用にわざわざ作るのが面倒くさいと思われるお母さんには、大人用に味付けをする前に子ども用をわけてあげるだけで十分ですよ。

 

大人になったら必然的に濃い味のものや調味料をかけて食べるようになってくるので子どものうちから濃い味のものや調味料をかける必要は全くありません。自然な甘味や塩味、旨味を子どもの味蕾が味わう機会を奪ってはいけません。子どもの味覚を正常に発達させるためにも素材そのものの味はとても大切になります。

 

子どもの頃は、味覚が過敏になりますので味が濃いものは避けましょう。味が濃いものは脳への刺激が強いため味蕾が強く反応し興奮状態になります。薄味ではなく、濃い味の刺激が強いものばかり食べていると味蕾と脳が濃いものしか反応しなくなってしまいます。

 

濃いもののみが好きになってしまうと栄養バランスの偏りや健康被害、固定されたものばかり食べる偏食になってしまいます。子どもの頃から濃い味のものは、将来味覚障害になる可能性が高くなり、今は子どもでも生活習慣病にかかることがあるのです。子どもの将来や健康のために気をつけましょう。

 

繰り返し食べることで嗜好を定着させる

食経験の少なさが「この食べ物は嫌い」と認識しているので食べ慣れることが大切です。子どものときは、食べることができなかったのに大人になってから食べることができるようになったものがある方もいらっしゃいますよね。

 

これは、食べ慣れて美味しさを感じることができるようになってきたからです。よく「おふくろの味」と言いますよね。これもよく食卓に出て食べ慣れることにより、その味が好きになるのです。

 

苦手なものを毎回食べる必要はありませんが、食べやすく工夫することも大切です。やはり、子どもにとって食べやすいものや見た目が美味しそうなものは、積極的に食べたくなります。濾してスープにすれば喉越しが良くなり、スティック状にしてあげれば手づかみで食べやすいです。

 

また、レストランのようにオシャレに盛り付けてあげるだけでも子どもはわくわくし、食欲がわきます。子どもが積極的に食べたくなるような工夫をしてみると効果的ですよ。

 

食事が楽しいと感じる環境をつくる

食事をみんなで美味しく楽しく食べていますか。食卓を家族で囲み、家族団欒でご飯を食べることはとても大切です。食事のマナーや挨拶、お箸の持ち方などを学べる場でもあり、なにより家族で楽しく食べることが「食事は楽しい」「食事の時間が好き」になります。

 

食事が嫌いな子は、今後も食事をすることが疎かになり、それが普通の当たり前のことになってしまいます。栄養は、食事からでしか得ることができません。少しでも食に興味を持ち、食事の時間を大切にする子どもに育って栄養をきちんと摂って欲しいですね。

 

好き嫌いは学習による

 

安全学習、嫌悪学習、嗜好学習、連想学習

子どもは、今までの経験から好き嫌いを判別します。これを学習と言い、いくつか種類があります。まず「安全学習」とは、今まで食べたことないものを食べても問題なかったと判断できることです。子どもだけに限らず、大人も初めて新しい味や食べ物に挑戦するときは緊張しますし不安ですよね。

 

そこで五感を働かせて問題ないか、危険がないか判断します。そこで問題ない、危険がないと判断できることで食べられるようになります。

 

次に「嫌悪学習」とは、初めて食べた際に不味い、不快感などを経験すると二度と食べたくないと判断することです。人間は苦い記憶は比較的鮮明に残るので苦い記憶として残ってしまい食べる機会は減ってしまいます。

 

そして「嗜好学習」とは、初めて食べた際に美味しい、満足感などを経験すると嗜好が増してもっと食べたくなると判断することです。味のみではなく、これを食べたら風邪が良くなった、試合に勝ったなどの成功体験も記憶に残るのでその食べ物が好きになることもあります。

 

最後に「連想学習」とは、楽しい場面で食べたものは連想して好きになり、嫌な場面で食べたものは連想して嫌いと判断することです。例えば、家族みんなで楽しく食べた食べ物は好きになったりします。

 

このように学習すること、いわば記憶はかなり重要になってきますね。良い経験を積み重ねていくことで記憶も良いものに変わり、食べ物の好みも変わってくるかもしれませんね。

 

幼児期からの食育のメリットやポイントまとめ

 

食育は、幼児期から行うことが必要になってきます。無理に行うことや神経質になる必要はなく、子どもと楽しく食事をしていきましょう。

 

きっと家庭で行った食育は、子どもの代から孫の代へと語り継がれていくことでしょう。そして、たくさんの人にも食育の大切さが浸透し、周りに広がっていくと良いですね。

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