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マクロビオティックの基本知識

雑誌やネット上にも頻繁に登場する「マクロビオティック」という言葉、健康や美容によいイメージはあるけれど、具体的にはよくわからない…そんな方も多いのではないでしょうか。マクロビオティックは、意識の高いハリウッドスターやスーパーモデルなどセレブリティに支持されて話題となった食事法や考え方です。

 

日本でも健康志向の高まりとともに興味をもつ方が増え、最近ではスーパーやコンビニにもたくさんの商品が並ぶようになってきました。では、その気になるマクロビオティックの魅力をご説明していきます。

 

マクロビオティックとは

 

マクロビオティックとは、日本人が提唱し根付かせた食生活の知恵であり、健康的なライフスタイルをするための考え方です。

 

食生活では、玄米をはじめとした穀物を主菜とし、旬の野菜や海藻の入ったみそ汁、漬物を添えて食事をいただく、そういうシンプルな日本の食卓をベースとしています。またそこに陰陽の理論を加え食材のバランスや産地へこだわり、食材や調味料の使い方など、細かなガイドラインも設けて体系化がされています。

 

厳しい食制限をイメージしてしまう方もいますが、禁止された食物はありません。肉、卵、乳製品、化学調味料、白砂糖などはできるだけ避けるようにとされていますが、「陰陽」「身土不二」「一物全体」という考え方をベースに日本の伝統的な食事での食生活を実践することを通じて自然と調和しながら健康な暮らしを実現することを目的としています。

 

日本での呼び方には、「マクロビオティック」を短縮化した「マクロビ」「マクロ」、また玄米を中心とした献立を推奨することから「玄米菜食」、養生食を基本とする考え方から派生した「生食」という呼び名も使われています。

 

語源としてはmacrobiotic-「macro-マクロ」は、もともとギリシャ語で「大きい」「長い」といった意味を持つ単語で「bio-ビオ(バイオ)」は「生命」、「tic-ティック」は「術」「学」といった意味を持っています。

 

アメリカを中心に世界に広まったマクロビオティックですが、実は日本発祥のものです。現在広まっている「マクロビオティック」を提唱したのは、日本人である桜沢如一(さくらざわ・ゆきかず)とされており、ジョージ・オーサワという名前で海外でも知られています。

 

桜沢氏は日本に古くから伝わる養生食、食育の要素をもとに日本人医師であった石塚左舷の「食物養生法」を引き継ぎ、東洋の「易」の原理を加えたマクロビオティックの基本「生食」を確立しました。

 

その後ヨーロッパなど世界各国でも普及させるため付けられた「マクロビオティック」という名称が、外国から逆輸入されたかたちで日本に広まりました。

 

また、菜食主義を意味する「ベジタリアン」とマクロビオティックが混同されていることも多いのですが、全く別のものです。ふたつの大きな違いとしてマクロビオティックには「陰陽」の思想があるということ、また鳥や獣の肉を避けるという方針はあっても肉食を否定しているわけではないため完全菜食というわけはありません。

 

マクロビオティックの意味と考え方

 

マクロビオティック原則の二つのキーワード

身土不二(しんどぶじ)

地元のもの、風土に適したものを大切にし、旬のものを食べるという考え方です。

 

身(からだ)と土(土地)は、不二(結びついているもの)という意味合いがあり、風土に適した身体になれば健康を保つことができるとし、そのためには、自分の居住している土地で採れたものを食すという考え方です。

 

具体的には半径150km以内でとれるものが推奨されており、地産地消という言葉とも同意とされています。また輸入食品など遠くから運ばれてくる食べ物には、鮮度を保つため農薬や添加物などの問題が指摘されているため安心安全のためにもできるだけ近くのものを食べるという選択が推奨されています。

 

一物全体(いちぶつぜんたい)

「食べ物の命をまるごといただく」という考え方です。

 

例えば穀物では、まけば芽がでてくる状態の生命力のある玄米を選び、野菜ではたくさんの栄養が含まれた皮や節、葉、根っこなども捨てることなく食物をまるごと調理し、全体を食します。

 

調理法も灰汁を抜いたり、ゆでこぼしたりせず、そのまま蒸す、煮るという方法が多くとられるため必然的に無農薬、無化学肥料で栽培した安全なものを選択することにもつながります。また、捨てる部分が少ないということは、ゴミを減らすことになり、自然との共生にもつながるとされています。

 

陰陽論(いんようろん)

マクロビオティックでは、全ての食べ物にも「陰」と「陽」が存在すると考えます。

 

陰性とは遠心力・静・冷・水分過多のもの、陽性とは求心力・動・熱・水分過小のものという分類がされており、ひとつの食材にも陰と陽が存在し、また調理法でも陰と陽の分類があります。

 

この陰と陽のバランスをとるように食事を整えることで身体のバランスがとれ「中庸」と呼ばれる状態を維持する生活が推奨されています。

 

マクロビオティック食のメリット

 

マクロビオティックが推奨する食生活を実践すると心身に様々な変化が起こります。具体的には以下のメリットがあげられます。

 

身体的な面でのメリット

・健康維持

・体質改善、

・体力向上

・不眠の解消

・便秘解消

・にきび、吹き出物改善

・血行、冷え性改善

・美肌効果

・成人病予防

・アンチエイジング効果

 

精神的な面でのメリット

・ストレスの軽減、

・精神力向上、

・人間関係の円滑化

・気力の向上

・生活習慣の改善

 

社会的な面でのメリット

・農業や土地を守ることにつながりエコロジー、環境負荷の低減に貢献

 

マクロビオティック食の取り入れ方

 

マクロビオティックを取り入れてみようと考えたとき、目安になるのが食事面でのガイドラインです。

 

1.食事のバランスを考える

特に食事バランスのガイドラインは重要とされ、以下の割合で食物摂取バランスが考えられています。

・玄米などの未精製全粒穀物:5060%

・野菜:2530%

・豆・海藻:1015%

・その他(果物・ナッツ類など):510%

 

2.基本は「玄米食」

穀物の中心として食べるものは、「玄米」です。食材をまるごといただく一物全体の考え方に基づき、パンや麺類を食べる場合も、全粒粉をつかったものなど精製されていない食材の使用が基本となります。

 

特に玄米には、精製された白米にはない栄養素(ミネラルやビタミン、食物繊維)が多く含まれていて栄養価も高く、発芽前はフィチン酸という物質も含まれ、体内の重金属や化学物質を排出してくれる解毒作用やデトックス効果もあるとされているため食のベースとなっています。

 

また、玄米や全粒粉を食べることは、血糖値が急激に上がることも避けられるため高血圧や肥満になりにくいというメリットもあるとされています。

 

3.野菜はまるごと食べる

野菜の皮は剥かず、基本的には洗うだけで調理をします。大根や人参など根菜類の葉っぱも捨てずに使い、皮も根も残すことなく食べるようにします。

 

自然の力でおいしく育った生命力のあふれる野菜の全てのパワーをいただくという考えですが、まるごと食べるということは、表面についている肥料や農薬のことに気を配ることにもなるため無農薬や有機野菜を選ぶように推奨されています。また、地元でとれた野菜を買って食べることもマクロビオティックの身土不二の思想につながります。

 

4.甘味料・調味料の選び方

マクロビオティックの考え方では、精製した食品を避けることが望ましいためまず、白砂糖を使わないようにします。

 

マクロビオティックの陰陽の観点からも極陰性の食材とされる白砂糖は、体を冷やすとされていますので身体のために避けるようにし、甘味料が必要なときは精製のされていない米飴やメイプルシロップをつかいます。

 

塩は、未精製の自然塩を選び、醤油、味噌なども保存料や化学調味料が入っていないものを使います。

 

5.肉は食べない?避けるべき食材

マクロビオティックでは肉類は、「できるだけ避けたい食材」に位置付けられています。動物性たんぱく質は、分解されにくく体に負担がかかるという考え方があり、たくさんの量をとることはよしとされていません。

 

また、陰陽の観点から肉は、強い陽性の食べ物とされているため食べるときには陰性の食材や調味料を組み合わせや蒸すなど陰性に分類される調理法を使います。

 

他には白砂糖使った市販のお菓子やスイーツなども避けるべき食べ物です。白砂糖は、単糖類で体内に取り込まれると血糖値を急激に上げインシュリンを大量に発生させることから体に負担がかかるとされています。

 

甘みをつけるときには、白砂糖の代わりに多糖類である米飴などを使いますが、これも大量に摂取することは控えなければなりません。

 

6.よく噛んで食べる

マクロビオティックは、「噛む」ということにも意識を向けて行います。玄米食など硬い食材は必然的に噛む回数が多くなりますが、食材をよく噛んで食べると消化がされやすくなり、胃腸への負担も減らせるというメリットもあります。

 

具体的には、ひと口ごとに30回噛むことが目安とされています。噛むということは、あごの発達をよくし、唾液が出ることから虫歯や歯周菌の予防にもなります。また、たくさん噛むことは長い時間をかけて食べることになるため、食事の満腹感も得やすくなり食べ過ぎの防止にもつながります。

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