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マクロビオティックの意味

日本でも各地で料理教室やワークショップが開催され、その独特の食事法が注目されている「マクロビオティック」ですが、はじめてこの言葉を聞いた方は、なんだか難しそうなイメージをもたれるかもしれません。

 

本来その言葉には、長く生きるための理論、方法という意味があり、とてもシンプルなものなのです。ここでは、そのマクロビオティックの意味について詳しくご説明していきましょう。

 

マクロビオティックとは

 

マクロビオティックは、マクロビ、生食、玄米菜食という呼び方もされています。本来の単語の意味としては、「マクロ=大きい、長い」「ビオ=生命」「ティック=術、学」という3つの部分から成り立つ言葉でビオは、生物学(バイオテクノロジー)と同じ語源でもあります。

 

それぞれの言葉を合わせると「大きな生命学」「長寿学」というような意味になり、「長く生きるための方法」「健康に生きるための理論」という意味を示しています。つまり、マクロビオティックとは、食事のことだけではなく方法、理論そのものを指す言葉であり、考え方自体を意味するものなのです。

 

マクロビオティックのはじまり

マクロビオティックは、日本人の桜沢如一が提唱した「生食」であり、その理論は最初アメリカを中心として広まりました。海外で有名なモデルや歌手などがマクロビオティックを実践したことで健康意識の高い人々にその存在が知られるようになったのです。

 

その後ヨーロッパなどにも広まりをみせ、最終的に現在のように日本へも普及していったという流れがあります。

 

日本人の提唱した学問ですが、日本では世界より遅れての浸透となりました。まだその内容を知らない、名前も聞いたことがないという方もいる状況ですが、これからの発展、これからマクロビオティックを学ぶ場も増えていくという期待もされています。

 

マクロビオティックの原則と意味

 

マクロビオティックには2つの大きな原則があります。その原則を意識して食事を整え、食べることで生活全般の意識も変化し、よりよい生き方を目指すという考え方につながっているものです。

 

身土不二(しんどふじ):暮らす土地の旬のものを食べること

人が健康に暮らしていくためには、自分が暮らしている土地でできたもの、またその季節にあった旬のものを食べる、という考え方です。現在では地元の食品、旬の食品、伝統食は身体によいもの、という意味に使われることも多くなっています。

 

わざわざ遠くから運ばれてくる食材には、輸送コストをはじめ長期保存のための農薬や添加物が使われているリスクもあります。その負担を軽減し自分の体にも安全で安心できるものを取り入れるためには、結果的に近くでとれた食材を使うことがよいということです。

 

また、マクロビオティックでは、熱い地方の食べ物は自然と暑さを和らげ、寒い地方の食べ物は身体をあたためる力があるという働きを定義しているため四季のある日本の場合は、旬の食材を食べることで身体のバランスがとれるという考え方をしています。

 

一物全体(いちぶつぜんたい):自然の恵を残さず丸ごといただく

食材は、ひとつのものを丸ごと食べる、皮や葉、根っこも残さずすべてをいただくという考え方です。例えば、大根なら葉っぱはもちろん、皮、ひげ根まで全ての部分を調理して食べるようにします。

 

穀物も白米など精製したものでなく、玄米や雑穀など種子として命のある状態のものを選択します。食材の本来の状態、丸ごとの状態にはまだ生命力が宿っており、そのまま撒けば芽をだし育ちます。

 

つまり、生命エネルギーが高く、栄養価としてもとても高い状態であるため食べることで身体へのバランスもよいと考えられています。

 

陰陽のバランスをとる

もうひとつの大きな原則として「陰陽のバランス」があります。マクロビオティックには、すべての食材に「陰」と「陽」があるとされ、この陰陽のバランスを考えて食事をすることが大切にされています。

 

陰陽の区分細かなガイドラインがあり意味がありますが、例えば「陰」の食材とは、上に向かってのび、身体を冷やす作用があるものを指し、夏野菜のキュウリなどは陰の食材になります。

 

また、「陽」の食材とは、地中に向かってのび、身体をあたためる作用があるものとされ、冬野菜のゴボウなどは陽の食材となります。

 

身体から熱を取り除きたいときには、キュウリを食べるようにし、逆に身体をあたためたいときには、ゴボウを食べる、そんな風に食事をすることで体のバランスがとれ、中庸の状態を維持することを目指します。

 

また、マクロビオティックには調理法にも陰陽が存在します。陰性の調理法には、火を使うことが少ない、冷たいもの、あまり時間をかけない、圧力をかけない、油や水を多くつかう、野菜を小さめに切るなどの方法があり、サラダなどは陰性の調理法でつくる料理になります。

 

陽性の調理法には、火をつかう、時間をかけて煮込む、圧力をかける、油や水を少なくする、野菜は大きめに切るといった方法があり、シチューなどの煮込み料理は陽性の調理法にあたります。

 

このような2大原則と陰陽論を基本的な思想としてマクロビオティックは構成されています。他にも食材の選び方から食べ方まで細かなガイドラインもありますので興味のある方は学びを深めてみるとよいでしょう。

 

マクロビオティックの意味は、「自然と調和をし、健康な暮らしを実現することを目的とした考え方」であり、この考え方をベースに食事、生活を実践する教えともいえるものなのです。

 

マクロビアンとベジタリアンの違い

 

玄米菜食を基本とするマクロビオティック実践者をマクロビアン、菜食主義の意味をもつベジタリアンを混同している方も多くいますが、2つの主義、考え方にはかなり大きな違いがあります。

 

また日本で一般的にベジタリアンのポピュラーな定義としては、「野菜を食べ、肉を食べない人」という意味でとらえている方も多いかと思いますが、ベジタリアンの定義はかなり流動的で広い意味がありますのでその点からもベジタリアンがマクロビオティックと同じだとは言えません。

 

ベジタリアンとは

ベジタリアン運動のはじまりは、19世紀頃とされています。当時のベジタリアンは、肉や魚を食べず穀物や野菜などの植物性食品を中心にした食生活をすることを指していたようですが、現代では定義も流動的となり、肉、乳製品・卵、動物製品など避けるべき対象の分類も細分化されており、その理由も宗教的理由や生命の尊厳、環境問題や食糧問題と多岐にわたっています。

 

代表的なベジタリアンのイメージとしては、「ビーガン」があげられるかと思いますが、ビーガンは、食用だけでなく、衣料用などの目的でも動物を殺すことや苦しみを与えることを否定しており、その結果肉を食べない主義のことを言います。

 

具体的には、動物の肉を食べないだけでなく、卵や乳製品も食べず、毛皮やウールなども身に着けることをしません。

 

マクロビアンとは

一方、マクロビオティックを実践する人は、先にあげた2大原則「身土不二」や「一物全体」そして「陰陽」の思想に基づいた食生活をし、健康や長寿を目的としています。その結果環境の保護や地域保護に貢献できるという役割などはありますが、動物保護の観点が主ということではありません。

 

穀物を中心として野菜を多くとることも食べ方としては似通っていますが、根本的な主義主張は全く異なるところからの派生となっています。

 

また、基本的に禁止されている食べ物はなく、肉に関しても体調や自分のバランスをとるため必要に応じて食べることもありますので完全な菜食主義というわけでもないのです。

 

このようにベジタリアンとマクロビアンは、その主義や思想、最終的な目的にも大きな違いがあるということがわかるのではないでしょうか。

 

2大原則や陰陽バランスなど含め奥の深いマクロビオティックですが、最初からすべてのルールを守ろうとすると難しく感じてしまうかもしれません。

 

最初は、ストイックになりすぎないようにし、自分にあった方法から少しずつはじめてみるというつもりでも構いません。ゆっくりと楽しみながらマクロビオティックライフをスタートしてみましょう。

 

マクロビオティックの意味まとめ

 

マクロビオティックの意味について説明しました。一般的には、厳しい制限のある食事法と認識されているマクロビオティックですが、食制限の内容、また、ベジタリアン、マクロビアンという名称に対してもイメージとの相違いがあったかもしれません。

 

まだまだ奥の深いマクロビオティック、興味のある方はぜひ深く学んでみることをおすすめします。

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