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コーヒーの味と選び方

コーヒーは単に苦いだけというわけではなく、香りやコク、酸味や苦味のバランスで様々な味わいを楽しめる飲み物です。コーヒーの味の違いや味の決め手となる焙煎時間、味の選び方について説明していきたいと思います。

 

コーヒーを味わうとは?

 

コーヒーの味わいは香りによる要素が大きい

味は舌で感じるものですが、「風邪をひいて鼻が詰まっている時は味を感じない」という経験はありませんか?実際は味を感知できないというわけではなく、嗅覚がない状態では味を「舌でしか」感知できていないのです。

 

味覚は匂いが95%、舌で感知するのはわずか5%とされています。つまりコーヒーの場合も、その香りが味わいにとって重要な要素だと言えるのです。コーヒーの香りは焙煎による芳しさが大半を占めていますが、実際はコーヒーの豆本来が持つそれぞれに違った香りがブレンドされています。そのため、種類によって香りが微妙に違ってくるのです。

 

いわゆるコーヒーらしいコーヒーの香りがするのは中南米産、花や果物のような甘い香りは南アフリカ産、木や葉っぱのような力強さを感じる香りはインドネシア産のコーヒーに多いです。もちろん、焙煎の度合いによっても香りは大きく違ってきます。浅煎りの豆はスパイスや果物のような香りを強く感じますし、中煎りになると、浅煎りの香りにチョコレートやナッツ、焦がしたキャラメルのような甘い香りがプラスされます。

 

深煎りの豆になってしまうと、浅煎りの時のフルーティーな香りはほとんど消えてしまいます。そしていわゆる「コーヒーらしい」ロースト臭が強く感じられるようになるのです。

 

深みや余韻となるコク

コクは深みや余韻を作り出す要素であり、しっかりとした重みのある濃厚な味わいのことです。豆が本来持っている脂肪分を上手に抽出することによって、コクのあるコーヒーを淹れることができます。

 

一般的にコーヒーのコクは、苦味・酸味・甘みなどのバランスが良く、かつしっかりと感じられる味わいのことだと言われています。油脂分の乳化作用と味のバランス、この2つがコーヒーのコクにとって大切な要素なのです。

 

舌で感じる酸味や苦味

味わいには匂いが大きく関わってくるとはいえ、舌そのもので感じる酸味や苦味もコーヒーの味わいになくてはならない要素です。

 

酸味、つまり「すっぱい」味と聞くと、苦手だと思っている方もいるかもしれません。しかし、質の良い酸味はすっきりとして心地よく、味わいのアクセントになる要素です。コーヒーの酸味は、口に含んだ時に舌の側面が「きゅっ」となるような味わいです。

 

苦味はコーヒーの味の要とも言える要素です。苦味は舌の奥の方で感じる刺激です。基本的に焙煎度合いが深ければ深いほど苦味が強くなります。

 

コクと苦味の違い

コクと苦味の違いが分からないという意見がありますが、簡単に言うとコクは後味、苦味は舌で感じる刺激となります。もう少し詳しく説明すると、コクは飲んだあと舌に残る濃厚な余韻、苦味はコーヒーを口に含んだ時に舌の奥で感じる刺激です。

 

コクと苦味は違うものなので、コクのあるコーヒーだからといって苦いわけではありません。反対に、苦味は強いけどコクは軽めというコーヒーもあります。

 

コーヒーの味の決め手

 

焙煎が浅いほど酸味が不安定

コーヒー豆の焙煎度合いは

ライト>シナモン>ミディアム>ハイ>シティ>フルシティ>フレンチ>イタリアン

8段階に分けられます。

(それぞれ語尾に「ロースト」が付きます)

 

もう少し大雑把に

浅煎り>中煎り>深煎り

3段階で分類することもあります。

 

8段階の焙煎度合いを3段階に対応させると

浅煎り:ライト・シナモン

中煎り:ミディアム・ハイ

深煎り:シティ・フルシティ・フレンチ・イタリアン

となります。

 

浅煎りはその名の通りまだあまり火を通していない状態で、豆本来の青臭さが残っています。香り・コクともに少なく酸味が強くて味が安定していません。一方で苦味が少なく、紅茶のような味わいです。

 

日本の主流は中煎り

好みは人それぞれではありますが、日本での主流は中煎りです。苦味・酸味ともに控えめでマイルドな味わいが楽しめます。日本のレギュラーコーヒーは、中煎りのハイローストが使われていることが多いです。

 

深煎りは苦味が際立つ

深煎りになるとかなり苦味が際立つ味わいになります。とはいえ、同じ深煎りでもシティローストとイタリアンローストではかなり味が違ってきます。

 

シティローストは標準的な焙煎度で、日本人好みの味わいです。苦味と酸味のバランスがよく、コーヒーの味をもっとも豊かに楽しめるので世界中でも一番好まれています。

 

一方で最も深い煎り方であるイタリアンローストだと、酸味は感じられず濃厚な苦味が際立つ味わいになります。日本ではまだまだ中煎りが主流ですが、近年では好みが多様化してきたこともあり、深煎りのコーヒーも広く市場に出回るようになりました。

 

おすすめの味の選び方

王道のコーヒー

コーヒー初心者にもおすすめなのが、味のバランスがよくコーヒーの王道とも言えるブルーマウンテンやグアテマラです。

 

ブルーマウンテンはジャマイカにあるブルーマウンテン山脈の標高8001200mの地域で栽培されているコーヒーです。その味わいは「黄金のバランス」とも言われ、苦味・酸味・甘味・コクの調和が取れているのが特徴です。すっきりとした酸味と程よい苦味、後半にあらわれる濃厚な甘みとしっかりとしたコクで飲みごたえのあるコーヒーです。

 

グアテマラはやや強めの酸味と果実のような甘い香りが特徴です。強いけれども上品な酸味なので飲みやすく、程よいコクと芳醇な味わいも楽しめます。他の豆との相性も良いので、ブレンドコーヒーに使うこともあります。

 

飲みやすいスッキリコーヒー

モカやキリマンジャロは酸味が強く、スッキリとした味わいで飲みやすいので日本人にも人気が高いです。

 

モカは一般的にイエメン産とエチオピア産がありますが、日本で流通しているのはほとんどがエチオピアのものです。青い果実のような香りとフルーティーで上品な酸味が楽しめます。

 

キリマンジャロはタンザニア産のコーヒーです。酸味は強いですが口には残らないので、後味は雑味がなくスッキリとしています。酸味だけではなく、甘い香りと上品なコクも楽しめる味わいです。

 

まろやかでコクのあるコーヒー

まろやかな味わいがお好みならばコロンビアがおすすめです。酸味も甘みも強めでありながら突出していないので味のバランスがよく、マイルドで上品な味が楽しめます。力強いコクがあるので、エスプレッソで飲むのにも最適です。

 

重厚感のあるコーヒー

どっしりとした重みのある苦味が好きな方にはマンデリンをおすすめします。マンデリンはインドネシア産のコーヒーですが、インドネシアで栽培されているコーヒー豆の5%ほどしかない希少種です。

 

酸味がほとんどなく強い苦味と深いコクが特徴的な味わいです。ブラックでも美味しく飲めますが、ミルクともよく合うので日本ではカフェオレで飲むことも多いです。

 

マンデリン以外だと、あまり有名ではありませんがインド・ジャワ・ウガンダ産なども苦味が強いコーヒーです。

 

コーヒーの味と選び方まとめ

コーヒーの味わいは香りによるものが大きいですが、舌で感じる酸味や苦味、あとに残るコクも味を左右する重要な要素です。

 

コーヒー豆が本来持っている味以外に、焙煎度合いにより苦味や酸味は変わってきます。基本的に煎りが浅いほど酸味が強く、深くなるほど苦味が強くなっていきます。コーヒーは産地により味にかなりの違いがあるので、それぞれの特徴を参考に自分好みの味わいを選んでみてください。

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