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コーヒーの基本的な抽出方法と種類

コーヒーを抽出する方法も様々な種類があり、それぞれに味わいや向いている豆の挽き方などが違います。コーヒー抽出の基本的な方法と併せて紹介していきます。

目次

コーヒー抽出の基本

1-11杯あたりのコーヒー豆の量を測る

コーヒーを淹れる際は、まず1杯あたりのコーヒー豆の分量を測ります。基本的に1杯分(150cc)のコーヒーに必要な豆の分量は10gですが、1杯分だけを淹れる場合は薄くなってしまうので少し多めに、12gにすると美味しいコーヒーを淹れることができます。

1-2適温のお湯で抽出する

コーヒーを淹れるためのお湯は組み立ての水道水などを沸かして準備しておきます。コーヒーを淹れる時に最適なお湯の温度は82~83℃です。この温度だと酸味・苦味・香りのバランスがよく抽出されるので、飲みやすいコーヒーを淹れることができます。
なお、飲み頃の温度に抽出するためには抽出器具やカップ、ソーサーなどをあらかじめ温めておくことも大切です。お湯の温度が80℃以下になると酸味が強く、苦味が少ないコーヒーになります。もし、適温で淹れたコーヒーが苦すぎると感じたら、低めの温度で抽出してみると良いでしょう。
一方、お湯が85℃以上になってしまうと苦味やエグみが強く出てしまいます。とにかく苦いコーヒーが好きという場合を除き、基本的にはおすすめできない味になってしまいます。
ちなみに、きちんと焙煎された新鮮なコーヒー豆であれば上記の温度で抽出すれば美味しく飲むことができますが、古くなって酸化してしまった豆の場合は90℃以上のお湯で淹れてください。お湯の温度が低いと、薄ぼやけた味のコーヒーになってしまいます。

コーヒーの抽出方法の種類

2-1最も手軽で普及しているペーパードリッパー

コーヒーの抽出方法として一般的に広く普及しているのがペーパードリッパーです。手に入れやすく、抽出後はペーパーを捨てるだけでOKと後始末も簡単なのでコーヒー初心者にもおすすめの方法です。

2-2ペーパーに似ているステンレスフィルター

ステンレス製のフィルターで、形状や抽出の方法はペーパードリッパーと同じです。使い捨てではなく、洗って半永久的に使うことができるのでエコの面でも優秀です。ただし、ペーパードリッパーと比べると高額であるということと、毎回フィルターを洗う手間がかかるというデメリットがあります。

2-3ペーパーとステンレスの中間的存在であるネルフィルター

ネル=起毛のコットン生地製のフィルターで、原理としてはペーパーと同じ抽出方法になります。ただし、ネルフィルターは紙と比べて目が荒く、抽出スピードが早いので淹れる際には多少の技術が必要です。少し粗めに挽いたコーヒー豆で、ゆっくり時間をかけてお湯を注がなくてはいけません。
技術を要するもののその分自由度が高く、淹れ方次第で自分好みのコーヒーを追求できるという点がメリットです。また、洗って繰り返し何度も使えるので紙よりもエコです。
一方で、使用前に煮沸しなくてはいけなかったり、使用後は洗って水に浸けて保管する必要があったりとステンレスフィルターよりも更に手間がかかるという点がデメリットです。

2-4紅茶でなじみのあるフレンチプレス

フレンチプレスは上記で紹介しているドリップとは異なり、浸漬式で抽出します。これはコーヒーの粉をお湯に浸して抽出していくものです。日本では紅茶を淹れる際におなじみの方法ですが、実はもともとコーヒーを淹れる抽出器具として誕生しました。
ポットにコーヒー粉を入れてお湯を注ぎ、3分待ったらフィルターを押し込んで粉とコーヒーを分離させます。手順が少なく難しい技術も不要なので、とにかく手軽にコーヒーを淹れることができるのがフレンチプレスの魅力です。

2-5お店でみかけるサイフォン

喫茶店などお店で見かけることも多いサイフォン。湧き上がるお湯や上下するコーヒーの様子を見ることができ、見た目にも楽しめるので演出効果抜群の方法です。アルコールランプで熱したお湯をフラスコの気体膨張で押し上げ、コーヒー粉と混ぜ合わせます。
火加減とヘラでコーヒーをかき混ぜる作業が淹れる際の重要なポイントですが、それほど難しい技術は必要ないので手順さえ覚えれば初心者でも安定して美味しいコーヒーを淹れることができます。ただし器具が高価であることと、大きいので場所を取ってしまうということがデメリットだと言えそうです。

抽出法別の特徴(それぞれの味わいの特徴を紹介)

3-1ペーパードリッパー

一口にペーパードリッパーと言っても、大きく分けると「台形型」「円錐型」の2種類があり、それぞれに違った味わいのコーヒーになります。台形型の場合は、ドリッパーの下まで降りたコーヒーがろ過される前に底付近に留まります。そのため、苦味や酸味などが溶け合ったまろやかな味わいが楽しめます。
一方の円錐型の場合は底に留まることなく、一気にろ過されていってしまうので酸味や苦味などが混じり合わず、それぞれが際立った味わいになります。豆の挽き方やお湯の落とし方でも味の違いは出ますが、台形型・円錐形それぞれの違いを頭に入れておくことで、自分好みの味わいのコーヒーを出しやすくなります。
また、台形型のペーパードリッパーは底の穴の数によっても味に差が出ます。穴の数が多かったり穴が大きかったりするほどコーヒーがスムーズに落ちていくので、円錐形ほどではないもののすっきりとした味わいになります。逆に穴の数が少なかったり穴が小さかったりすると、コーヒーが底に留まるので濃くてどっしりとした味わいを楽しめます。

3-2ステンレスフィルター

ステンレス製のフィルターは紙とは違いコーヒーの油分やわずかな甘みを吸収しないので、コーヒー本来の味をダイレクトに楽しむことができます。ただし、深煎りのコーヒー豆で淹れる際に使用すると、濃厚になりすぎて重い口当たりになってしまいます。
また、紙ならろ過できる微細な粉が混じってしまうので、舌触りがザラザラしてしまうという欠点があります。コーヒーが好きな人でも、ステンレスフィルターで抽出したコーヒーのザラザラした舌触りがどうしても苦手だという人もいます。

3-3ネルフィルター

ネルフィルターはペーパーとステンレスの中間的存在で、舌触りが良くスッキリとした味わいのコーヒーを楽しめます。ネルはペーパーよりも目が粗いので成分が通り抜けやすく、苦味や酸味が際立った味わいになるのです。
一方で、ステンレスとは違って雑味や微粉はネルでしっかりろ過できるので、ザラザラせず舌触りの良いコーヒーを淹れることができます。少し粗めに挽いた豆を使って、お湯をゆっくり注ぐのがポイントです。

3-4フレンチプレス

フレンチプレスはコーヒー豆がお湯に触れている時間が長いので、他の方法と比べるとコーヒーそのものの味わいを楽しめます。また、他の方法とは違い上に液体を上げてカップに注ぐので油分をしっかりとカップに残しやすい淹れ方です。また、金属のフィルターは紙と比べて油分を通しやすいというのも、油分がコーヒーにしっかりと溶け込む理由の一つです。
油分はうまみ成分でもあるので、フレンチプレスで淹れたコーヒーは口当たりが軽く、飲みやすいという特徴があります。一方で、金属フィルターはペーパーよりも目が粗く微粉を残してしまうので、ややザラつきが感じられるのが気になるという方もいます。

3-5サイフォン

ドリップコーヒーに近い味わいですが、コーヒー豆をお湯に浸すので濃い味わいになります。ただし、高温で抽出するのでスッキリとしており、飲みやすさがあります。また、味が濃い分、豆そのものが持つ違いをよりはっきりと楽しめる抽出方法でもあります。

コーヒーの基本的な抽出方法と種類まとめ

コーヒーは、抽出方法次第で味が大きく変わります。同じドリップでもペーパーだと雑味やざらつきの少ない口当たりの良いコーヒー、ステンレスだと豆本来の味をダイレクトに楽しめるコーヒーになります。
他にもフレンチプレスはコーヒー豆がお湯に触れている時間が長くなるのでよりコーヒーそのものの味わいを楽しめるし、サイフォンは高温で抽出するのでスッキリとした味わいを楽しめます。味わいの違いも含め、抽出方法ごとにメリット・デメリットがありますので、お好みで選んでみてください。

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