焼酎の甲類と乙類の違いについて
皆さんは、焼酎がお好きですか?
焼酎には甲類と乙類という2つの種類があります。
ワインにも高級ワインと手軽なワインがあるように、焼酎にも原料の味を活かした高級品もあれば、比較的リーズナブルに楽しめるものもあります。
甲類と乙類では、原料や蒸留方法などでアルコール度数やカロリーにも違いがあり、値段も違いがあるようです。
それでは、甲類と乙類には、どのような違いがあるのでしょうか。検討してみましょう。
焼酎の甲類と乙類とは?
焼酎は、原料やアルコール度数、蒸留方法によって甲類と乙類の区別があります。それぞれの基準は、酒税法によっても異なり、味わい方も違ってきます。
また、アルコール度数が違うため同じ分量のカロリーにも違いがあります。
日本酒やウイスキーに銘柄や作る地域で違いがあります。
しかし、焼酎の場合はそれ以外にも違いがあるのは、とても面白いですね。
酒税法による分類方法
私たちの周りには色々な法律があり、お酒に関する法律もあります。
お酒に関する法律は酒税法と言います。酒税法はお酒の製造や販売免許等について、日本で決められている法律です。酒税法はアルコールの濃度等も決められていて、国税庁が管轄しています。
酒税法の中で、焼酎はウイスキーやブランデーと同じ蒸留酒の1つになりますが、そこからさらに、蒸留の方法やアルコール度数、原料で、乙類・甲類に分けられています。
蒸留の処理方法や原料によって区別されている
酒税法では、単式蒸留焼酎または本格焼酎と呼ばれるものを「乙類焼酎」と、連続式蒸留焼酎を「甲類焼酎」と分けています。
単式蒸留焼酎の乙類焼酎は、昔ながらの製法によって蒸留される焼酎です。時間をかけずに、原料の本来の味わいを生かした、風味の焼酎が造られます。
甲類焼酎は、連続式蒸留という方法で製造され、複数回にわたって蒸留と加水を繰り返し、純粋にアルコールだけを抽出したような、お酒が出来上がります。
比較的リーズナブルなものが多く、果実酒作りに利用するホワイトリカーも、甲類焼酎になります。
乙類焼酎は日本古来より受け継がれる製造方法(かつて旧式焼酎と呼ばれていた)
乙類焼酎は、日本古来より受け継がれる単式蒸留という製造方法で造られた焼酎です。
「本格焼酎」と呼ばれ、原料本来の味わいや香りを楽しむことができます。地方や使われている原料によって、それぞれの特徴があり、中には沖縄の古酒など高級焼酎もあります。
瓶や甕などで販売されることが多く何かにブレンドするよりも、そのまま氷や水、お湯割りで飲むことが多いようです。
甲類焼酎は比較的新しいもの
甲類焼酎は連続式蒸留という製造方法で作られています。
ホワイトリカーなど、果実酒作りに利用されたり、手軽に飲めるペットボトルタイプのものもあります。
その製造方法は比較的新しいもので、味や香りにくせがないため、カクテルや酎ハイ、サワーにも利用されています。
価格もリーズナブルなものが多く、ワインのテーブルワインのような感覚で飲むことができます。
乙類焼酎
乙類焼酎は、昔ながらの伝統的な単式蒸留という方法で蒸留して作ります。
単式蒸留焼酎
乙類焼酎は単式蒸留焼酎になります。乙類焼酎は芋や小麦、そば、米などの原料を蒸し、一次発酵をします。
そこに米・麦・そばを蒸して作った麹と、水などを混ぜ単式蒸留という方法で作ります。
別名:本格焼酎、ホワイトリカー2
単式蒸留焼酎は、別名「本格焼酎」または「ホワイトリカー2」と呼ばれています。酒税法で乙類焼酎に区別されます。
本来ホワイトリカーは、甲類の焼酎の場合で言われている別名になります。
ウイスキーをブラウンリカーという言葉に対して、透明な焼酎をホワイトリカーと呼びます。そこから乙類焼酎の本格焼酎もホワイトリカー(2)と称することもあります。
単純構造のアナログな蒸留器を使って一度だけ蒸留
乙類焼酎の単式蒸留焼酎は、古くからの製法によるアナログな蒸留器を使って一度だけ蒸留した、蒸留方法で作るものになります。
アルコール度45%以下にしたもの
乙類焼酎に区分される単式蒸留焼酎は、アルコール度を45%、または45度以下にしたものになります。
甲類焼酎が35%以下ですので、乙類焼酎の方がアルコール度数が高くなります。
米や麦などを原料
乙類焼酎は、米や麦などを原料にして作られていますが、他にも芋やそばなど穀類や芋類も原料に作られています。
甲類焼酎と比べると味や香りに原料のクセが強く現れる
何度も連続で蒸留して加水していく甲類焼酎と違い、蒸留が一度だけの乙類蒸留は、原料そのものの個性が現れます。クセが強く現れるという表現もされています。
泡盛も乙類に含まれる
沖縄の伝統的な焼酎、泡盛は乙類焼酎の原点とも言われています。乙類焼酎と違う点もありますが、酒税法では泡盛も乙類焼酎に含まれています。
甲類焼酎
甲類焼酎は、連続式蒸留機で蒸留した焼酎です。
連続式蒸留焼酎
甲類焼酎の蒸留法、連続式蒸留焼酎は廃糖蜜や酒粕、でんぷん質原料を発酵させたもろみを原料にします。
原料を、連続式蒸留機によって、何回も蒸留を繰り返していきます。
発酵後のもろみを連続で蒸留して繰り返すことで、不純物が取り除かれます。酒類原料用及び穀類原料のアルコールが純粋なものになります。
別名:ホワイトリカー、ホワイトリカー1
ウイスキーがブラウンリカーと呼ばれるのに対して、焼酎はホワイトリカーと呼ばれています。
廃糖蜜や酒粕などを原料
甲類焼酎は、廃糖蜜や酒粕、でんぷん質の穀類を原料として作られています。
何度も蒸留をかけた無味無臭の純度の高いアルコール
甲類焼酎は、連続式蒸留によって何度も蒸留をかけるので、最後は無味無臭の純粋で純度の高いアルコールに仕上がります。
アルコール度36%未満にしたもの
アルコール度は、乙類焼酎よりも低く、36%未満になります。
糖質ゼロ
甲類焼酎は、糖質ゼロになるため、ダイエット中でも安心して飲むことができます。
味や香りのクセが少なく、すっきりと飲みやすい
甲類焼酎は、味や香りのクセが少ないため、すっきりと飲みやすいのが特徴です。クセがないためジュースやコーラなどと合わせることができ、酎ハイやサワーなどの原料として利用できます。
甲乙混和焼酎
甲乙混和焼酎とは、甲類焼酎と乙類焼酎の2種類を混ぜ合わせた焼酎になります。
単式、連続式焼酎を混合したもの
甲類焼酎と乙類焼酎の混合になりますので、蒸留の方法も単式・連続式焼酎を混合したものになります。
甲類、乙類、どちらの容量が多いかで呼び名が変わる
甲類焼酎と乙類焼酎は、混合する時にどちらの容量が多いかで呼び名が変わります。
甲類が50%以上なら「甲類乙類混和」
甲類焼酎と乙類焼酎の混合で、甲類焼酎が50%以上の場合は、「甲類乙類混和」焼酎と呼ばれています。
甲類が50%未満なら「乙類甲類混和」
同じように「乙類甲類混和」焼酎甲類が50%未満、つまり乙類が50%を超える焼酎を呼びます。
飲みやすくクセの少ない甲類焼酎に、乙類焼酎の強い風味が加えられ、飲みやすさはそのままで引き立つ味や香りを楽しめる
甲乙混和焼酎とは、甲類焼酎と乙類焼酎のそれぞれの良い点を引き出しています。
飲みやすくクセが少なく、強い風味が加えられています。飲みやすさはそのままで、乙類独特の引き立つ味や香りを楽しむことができます。
どこが違うの?焼酎の甲類と乙類の違いについてのまとめ
焼酎には甲類と乙類があります。甲類と乙類は酒税法によって決められています。
甲類と乙類は、蒸留方法と原料が違いますが、それぞれの良い点を合わせたものもあります。
蒸留法や価格の違いはもちろんですが、それぞれの特徴を生かして、サワーを楽しんだり焼酎が持つ風味も楽しみましょう。
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