ガラムマサラの効能と使い方
ガラムマサラというスパイスをご存知でしょうか?なんとなく聞いたことがあるという方、カレーに入っていそうなスパイスというイメージをお持ちの方はいらっしゃるかもしれませんね。ただ、家にあってよく使っているという方は少ないのではないでしょうか。
実はガラムマサラにはたくさんの女性に嬉しい効能があり、カレーだけではない便利な使い方があるのです。スパイスはよくわからない、敷居が高いという先入観を少しはずして、気軽に日常生活に取り入れてみませんか。あなたの暮らしにちょっとした彩りをくれるスパイスになるかもしれません。
ガラムマサラとは
ミックススパイスのひとつ
ガラムマサラとは、「ガラム」=「熱い」、「マサラ」=「混ぜたもの」という意味の言葉だそうです。「混ぜたもの」という名前のとおり、数種類のスパイスをパウダー状にして混ぜ合わせたミックススパイスです。単一のスパイスではなく複数の種類をミックスしているため、効果もいろいろなものが期待できるというわけですね。
3~10種類のスパイスを混ぜた物
実は、ガラムマサラにはどのスパイスをどれくらい混ぜるというはっきりした定義はありません。いろいろなスパイスを使い道や目的に合わせてブレンドして使います。スパイスの本場インドでは、家庭ごとにガラムマサラの調合が違っていて、まさに家庭の味といった感じだそうです。日本でも一昔前までは味噌のブレンドを各家庭で行っており、それぞれの家ごとに味が違っていたので、まさに同じですね。
市販のガラムマサラはメーカーごとにスパイスや配合ブレンドも異なっているので、好みや用途によって使い分けるものいいかもしれません。メーカーによっては辛みの強いものや、チリペッパーが含まれていない辛くないものもありますので、購入する際には成分表示を確認するのがよいでしょう。
一般的なベースは3種類
いろいろなブレンドがあるガラムマサラですが、一般的には「シナモン」「クローブ」「ナツメグ」という3種類のスパイスをベースに作られることが多いようです。ガラムマサラ=「辛い」というイメージを持たれがちですが、ベースとなるこの3種類には辛みはほとんどなく、ブレンド次第で辛くないガラムマサラもあります。
「シナモン」「クローブ」「ナツメグ」
シナモンはお菓子や飲み物にもよく使われますが、いい香りがするだけでなく血糖値を下げる効果もあり、その香りの優雅さから「スパイスの王様」と呼ばれます。クローブは日本では丁子(字)ともいわれ、煮込み料理などに使われますが、非常に強い抗菌作用があります。ナツメグはハンバーグなど挽き肉料理でよく使われるおなじみのスパイスで、消化を助ける効果があります。
このようにいろいろな種類のスパイスをブレンドするので、香りもより複雑で奥深いものになるのですね。さらに香りだけではなく、それぞれのスパイスの効能を一度に得られるのもガラムマサラならではのメリットです。
好みや目的でスパイスをプラスしていく
これらの3種類のスパイスのほかに、ブラックペッパーもよくブレンドされるスパイスのひとつです。そのほかに、辛みを加えたいときにはチリペッパー、香りを強めたいときはクミンやカルダモン、肉料理ならローリエなど料理に合わせてスパイスをプラスしていくことができるのも、ガラムマサラの懐の深さです。
基本のブレンドがわかれば、もちろん手作りすることもできます。ガラムマサラは作り立てがいちばん新鮮で香り高いので、作り置きではなく一回に使う分だけ作ることをお勧めします。レトルトカレーでも仕上げに一振りすれば、劇的に本格カレーになること請け合いです。
ガラムマサラの効能
発汗効果
ガラムマサラのベースとなるナツメグには発汗作用や冷え性の改善効果があります。またナツメグは、インドのアーユルヴェーダや中国の漢方でも使われてきたという歴史も持っていて、その効能は折り紙付きです。
さらに、ブラックペッパーやチリペッパーがブレンドされていれば、よりいっそう代謝効果が高まります。寒くてついつい運動不足になってしまう冬やお正月休み明けなど、ガラムマサラを上手にとりいれてリフレッシュしてみましょう。
健胃効果
シナモンには体内の水分を調節する効果、つまりむくみを取るはたらきがあります。また、ナツメグには胃腸を温め、クローブには胃液の分泌を促進する効果があります。これらは、有名な漢方の胃腸薬にもよく含まれています。体にやさしく弱った胃を元気にしてくれるのは、とても嬉しい効果ですね。ガラムマサラは薬品ではなくスパイス、食品ですので妊産婦の方ももちろん食べることはできますが、辛みの強いものは控え、適量にするなど心がけるのがよいでしょう。
食欲増進効果
スパイスの効いたカレーなどは香りをかぐだけでお腹が空きますよね。ガラムマサラにもそのイメージ通り食欲増進効果もあり、夏バテで食欲がないときなど、上手に使いたいスパイスです。夏の平均気温が40度を越えるインドで生まれたスパイスですから、きっと夏の食欲不振の救世主になってくれるはずです。
このほかにも、アンチエイジングに嬉しい抗酸化作用や糖尿病の予防に役立つ血糖値の安定化作用など、女性に嬉しい効能の宝庫でもあります。
ガラムマサラの使い方
香りが飛びやすい
ありがたい効果がたくさんのガラムマサラですが、香りが飛びやすく、特に熱に弱いという特徴があります。香りを生かしたいお料理に使うときには、ガラムマサラはお料理の仕上げに使いましょう。この特徴にさえ注意してあげれば、あとは気を遣わなくても大丈夫。どんどん使ってみてください。
基本は仕上げにさっと加えるもの
ガラムマサラは熱で香りが飛びやすいため、カレーなどの煮込み料理では仕上げにさっと振りかけるのがよいでしょう。ガラムマサラを加えたら、火を止め蓋をして数分待つと香りがまとまります。くれぐれも火を止めることをお忘れなく。
ご家族の多い方は、子供用に甘口のカレー、お父さん用には辛口カレーと、鍋を分けて作るのは大変ですよね。そんな手間もガラムマサラが解決してくれます。カレーをひと鍋で作り、家族の好みに合わせて仕上げにガラムマサラを振りかければ辛さの調節も簡単です。甘口カレーに満足できなかったお父さんもきっと納得のカレーになることでしょう。
カレーに使われるのが有名な使い方(カレー粉とは別物)
ガラムマサラといえばカレーと思いがちですが、実はカレー粉とガラムマサラは別物です。ガラムマサラはインド生まれですが、カレー粉は意外にもイギリスにそのルーツがあります。18世紀にイギリスの植民地であったインドからスパイスが持ち込まれ、貴族のパーティー向けにおもてなし料理として作られたのがカレー粉の発祥だそう。
また、ガラムマサラは3~10種類のスパイスをブレンドしますが、カレー粉は西洋のハーブも含め20種類以上ブレンドすることもあります。カレーの色を生み出すターメリックが、ガラムマサラには入らないということも大きな違いです。
カレー以外の使い方
タンドリーチキンなど、肉料理の下味、隠し味
ガラムマサラの使い道はもちろんカレーだけではありません。ビールにぴったりのタンドリーチキンはガラムマサラとヨーグルトに鶏肉を漬けて味付けしますし、スペアリブや唐揚げの下味に使えば、「インド感」を抑えながら肉の臭みもばっちり消してくれます。ガラムマサラの基本スパイスとなるナツメグやクローブや単体でも肉の臭み消しにも使われるものですので、下味や隠し味に使うのもOKなのです。
サラダや野菜いため
タマネギやキュウリなどの野菜にヨーグルトとガラムマサラ、塩を混ぜたドレッシングをかければ、インドのサラダ「ライタ」の出来上がり。カレーの付け合わせにぴったりのさわやかな一品です。特にドレッシングは作る過程で熱を加えないため、香りが飛びにくく、スパイシーさを楽しめます。
定番の野菜炒めにも仕上げに一振りしてみるといつもと違ったアレンジが楽しめます。味付けを塩ではなくソースにしてみるのも一興。お料理のレパートリーのマンネリ打破にぜひトライしてみてください。
使用方法は無限大
このほかにも、フライドポテトの仕上げにかけたり、ケチャップに混ぜてソーセージに付けたりと、アイディア次第で使い方は無限大です。ホームパーティーでもガラムマサラは大活躍してくれそうですね。ガラムマサラ=カレーというイメージを外してみると、意外に万能選手なのかもしれません。
料理のアクセントや本格料理に
インドのミルクティー、チャイもガラムマサラを使うと手軽に作ることができます。ミックススパイスなので、ガラムマサラだけで深みのあるチャイが完成します。チリペッパーなど辛み成分のないガラムマサラで試してみてください。
また、本格的なチキンカレーなどを作ってみたいときにも、ガラムマサラは大活躍。いつものお料理と気分を変えたいときには、ぜひガラムマサラを料理のアクセントとして登場させてみてはいかがでしょうか。
ガラムマサラの効能と使い方 まとめ
カレーというイメージしかなかったガラムマサラについて、とても万能なスパイスという認識をもっていただけたでしょうか。スパイスといっても、決して辛いだけではなくいろいろな効能、特徴があります。ぜひ積極的に食卓に登場させて、お料理に飲み物にと大活躍させてみてください。きっと、あなたの生活に潤いと刺激を与えてくれるはずです。
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