香辛料で下痢になる原因と対策
香辛料やスパイスは料理の味を引き立てる大事な役割があります。スパイスの効いた料理は、ついつい食べ過ぎてしまうくらいおいしいものです。しかし、香辛料の食べ方、使い方によっては残念ながら下痢を引き起こしてしまうことがあります。辛いカレーを食べて下痢になったことがあるという方もいるのではないでしょうか。
今回は、食事をおいしくしてくれる香辛料がなぜ下痢を引き起こすのかについてみていきましょう。また下痢になることなく、上手に香辛料を使う方法についてもご紹介していきます。
下痢になる香辛料の食べ方・使い方
香辛料の使い過ぎ
香辛料を食べて下痢になってしまう理由として、いちばん可能性が高いのは香辛料の使い過ぎです。香辛料の中には辛みや刺激の強いものがあります。その香辛料の刺激的な味や香りは食欲を増進してくれるものですが、量が多すぎると胃腸を刺激して下痢を引き起こす場合があります。
また、香辛料に対する強さは個人差や慣れも大きくかかわってきます。体質によっては香辛料を受け付けない人もいますので、注意したいところです。
食べてるうちに舌の味覚が麻痺して度を超す
香辛料の中でもとうがらしは食べているうちに舌の感覚を麻痺させてしまうことがあります。とうがらしのたくさん入った料理を食べていると、食べ始めはすごく辛くてもだんだん慣れてきますよね。辛さに慣れてくると、ついつい香辛料を食べ過ぎてしまうことになるのです。
また、辛いものが好きな人は、より辛いものを求めてどんどん香辛料をとりすぎる傾向にあります。これは辛さに耐えるために脳が快楽物質を出しているためだそうです。このように刺激の強い香辛料を気づかずにとりすぎてしまうことで、下痢を引き起こしてしまっているかしれません。
辛さを和らげるために大量の水を飲む
辛いものを食べると、辛さを和らげるために水を飲みがちですが、実はこれは逆効果。辛味成分であるカプサイシンは水には溶けないため、逆に口の中に辛味成分を広げてしまうことになるのです。水を飲んでも辛さが収まらず、さらにたくさんの水を飲んでしまう、という連鎖で水分を取りすぎてしまうことも下痢につながるのですね。
下痢になる原因
香辛料には胃腸を刺激しすぎる性質があるものも
香辛料はおいしそうな香りや彩りで食欲をそそる半面、とりすぎると胃腸を刺激しすぎることがあります。香辛料と呼ばれるスパイスやハーブの中には、ヨーロッパでは古くから家庭の薬として使われた歴史を持つものや、漢方薬として現在でも胃腸薬に使われているものもあります。
薬も使い方を間違えれば体によくありませんよね。香辛料も一度に多くの量をとってしまうと下痢などの症状を引き起こしてしまいます。せっかくおいしい食事をいただくのですから、あとで下痢になってしまわないよう適量を心がけましょう。
蠕動運動を高める
とうがらしに含まれるカプサイシンという辛味成分は、交感神経を働かせ、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にさせます。蠕動運動それ自体は、消化した食べ物を移動させたり、お通じをよくしてくれる大切な働きです。
ですが、カプサイシンをとりすぎると蠕動運動が活発になりすぎて下痢を引き起こしてしまうことがあります。さらに、カプサイシンの刺激によって胃腸にダメージを与えることもあります。
胃腸の負担になり消化不良をおこす
香辛料の強い刺激が胃腸を刺激することは前にもお伝えしましたが、実は日本人はこの刺激にあまり慣れていないといわれています。というのもスパイスは古来、肉類の腐敗を防ぐために使われてきたものですが、もともと農耕民族であった日本人は肉を食べるという機会そのものが少なかったのです。近年急速に広まった肉の食文化に合わせてスパイスも広まりつつありますが、日本人にとってはまだまだ新しい文化だということですね。
そういう理由で香辛料が胃腸にとって負担をかけ、消化不良や下痢を引き起こすという見方もあります。珍しいスパイスや新鮮なレシピにはぜひチャレンジしたいものですが、一度に大量の香辛料をとるのは控えるのが賢明かもしれません。
下痢の原因なりやすい香辛料
下痢の原因になりやすい香辛料は、主に辛い成分を持つものが多いですが、ここでは普段口にすることが多い代表的な5つをピックアップしています。
七味唐辛子
うどんやそばには欠かせない七味唐辛子。その主成分は名前の通り唐辛子を細かくくだいたものです。唐辛子は細かいほど辛味が強く、刺激も強くなります。また味覚を麻痺させ、とりすぎていることに気づかなくなってしまうことも。適量を心がけ、アクセントとしておいしくいただきたいですね。
にんにく
韓国料理などでにんにくを食べ過ぎて胃がムカムカした、という経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。にんにくには強い抗菌作用があり、たくさん食べてしまうと胃腸内の善玉菌まで殺菌してしまうのです。特に生で食べると胃腸への負担も大きくなりますので、生食の場合は1日1カケを目安にするとよいでしょう。
マスタード
マスタードはそれ自体辛味の少ないものですが、粉状にしたものやその粉を練ってチューブタイプなどになっているものは辛みも強くなっています。とりすぎなければ大きな心配はいりませんが、刺激性はあるので胃が荒れているときや体調のすぐれないときなどは控えるほうが安心かもしれません。
タバスコ など
タバスコの主原料は酢、塩、唐辛子で、刺激の強い成分が含まれています。料理の味を引き締めるのに大変役に立ってくれる名わき役ですが、これも取りすぎには注意したいもの。
また、最近はタバスコに使われる唐辛子も種類が増え、辛みの強い商品もラインナップされています。気軽に使いやすいタバスコですが、くれぐれもかけすぎにはご注意を。
香辛料でお腹を下さない対策
お腹を下すのはいやだけど、香辛料のきいたおいしい料理は食べたいという人に、少しの心がけでできる対策もお伝えします。
生野菜と一緒に食べる
もっとも簡単なのは生野菜と一緒に食べること。生野菜には消化酵素が多く含まれており、香辛料の刺激成分から胃腸を守ってくれます。加熱した野菜は消化酵素が壊れていることも多いので、生でいただくことがポイントです。また、野菜に含まれる食物繊維は腸内で大腸菌のエサとなって、腸内環境をよくしてくれるというメリットもあり、一石二鳥です。
お腹が不調の場合は香辛料はさけ、整腸作用のあるハーブなどを使う
香辛料で下痢になってしまうのにはもちろん個人差や体質も関係します。お腹の調子がイマイチというときには香辛料はなるべく避けるのがよいでしょう。
ハーブの中には整腸作用の高いものもあり、漢方胃腸薬に使われているものもあります。ニクズクとも呼ばれるナツメグはミリスチシンという成分を含み高い整腸作用を持っています。辛いものを食べたあとは、温かいハーブティーなどで胃腸をいたわってあげるとよいですね。
ほどほどに楽しむ
たとえ薬であっても、用法や容量を正しく守らなければ体に悪影響を与えるように、香辛料も適量を心がけるのがよいでしょう。スパイスや香辛料のきいた料理は食欲をそそり、ついつい食べ過ぎてしまいがちですが、それでお腹を下してしまっては残念。お腹の調子と相談しながら、生野菜と一緒にパランスよくいただくのが、香辛料を楽しむ秘訣ですね。
香辛料で下痢になる原因と対策まとめ
香辛料にはたくさんの効能がある反面、食べ方や使い方によっては下痢などを引き起こしてしまうことがわかりましたね。これまで辛いカレーを食べてお腹を壊したことがあるという方も、その理由がおわかりいただけたかと思います。
自分にあった香辛料を適量楽しむことが、大人の食事のたしなみかもしれませんね。ぜひ参考にしてスパイスやハーブを楽しく生活に取り入れてみてください。
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