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紅茶の歴史と文化

皆さんの生活の中にはすでに紅茶が浸透していると思いますが、この紅茶は、今や日本人の私たちにとっても、午後のティータイムには欠かせない存在となっています。
しかし、この紅茶いったいどこから日本に入ってきたのかご存知ですか?日本や世界にあらゆる歴史があるように、紅茶にもとても興味深い歴史があるのです。
ここでは、そんな紅茶の歴史と文化について触れてみたいと思います。

目次

紅茶が誕生したのはいつ?

紅茶はいったいいつの時代にどこで誕生したのでしょうか?
ここからは、紅茶が誕生した歴史を追ってみましょう。

1-1お茶の始まりは中国

お茶は紅茶だけではなく、あらゆる種類のお茶が栽培されていることをご存知ですか?
お茶と聞くとその原産地が「中国南部〜チベットにかけての山岳地帯」だということは、私たち日本人は学習の中で学んできましたね。
また、すでに紀元前2000年よりも以前からお茶は親しまれ、不老不死の薬として多くの方に重宝されていたようですその後、4世紀にお茶の栽培が始まり、7世紀には緑茶が飲み物として世界に広がりを見せました。
しかし、この時点ではまだ貴族という身分の高い者しかお茶を楽しむことはできませんでした。
そして月日は経ち、中国において農業が導入されると、お茶の生産はより盛んになりました。その結果、一般市民がお茶を口にする習慣が広まり、現在の「紅茶」の原型となる発酵茶が生まれたと言われています。
この頃からシルクロードを経て、アジア各国においてお茶が広まっていったと言われています。

1-2中国のウーロン茶系のお茶がヨーロッパへ

その後、紅茶の歴史はヨーロッパが大航海時代にお茶を中国から輸入し、オランダの東インド会社が中国茶を持ち帰ったことで始まりました。その後緑茶を飲む習慣がフランスやイギリスへ伝わり、ヨーロッパ各地へと広がっていったのです。

1-3嗜好に合わせて紅茶が誕生

紅茶はイギリス人の嗜好に合わせ、お茶の産地で酸化発酵を進め、完全発酵の黒褐色の紅茶が誕生しました。このお茶は、酸化発酵の違いによっては、「不発酵緑茶」「半発酵の烏龍茶」「発酵紅茶」として中国からヨーロッパに伝わりました。

イギリスで紅茶文化が発達

お茶がヨーロッパへ伝えられ、それがイギリスに伝わったことからイギリスにおいて紅茶文化が発達しました。ここからは、紅茶が発達した背景や紅茶がもたらした文化の変化に着目してみていきましょう。

2-1キャサリン妃がイギリス王室に嫁ぎ、それにより紅茶が大流行

1662年、ポルトガルの王女となるキャサリンがイギリス王室に嫁ぎ、その時にお茶と砂糖を持参し、毎日お茶を飲んだそうです。この時代は砂糖がとても珍重品であり、これが貴族の間で大流行したことがきっかけでお茶がより一層イギリスに広まりました。
その後、1669年にオランダからお茶を輸入することを禁じ、それが原因で第三次英蘭戦争が勃発します。この戦争でイギリスが勝利しオランダからのお茶を輸入する権利を奪い、中国とお茶の輸入を始めました。英蘭戦争をきっかけとし、イギリスにおいて紅茶文化が発達しました。
この沖のお茶は現在の紅茶となる半発酵茶であり、イギリス人の口をたしなめるほどの美味しさであることから一気に人気が移り、現在の紅茶文化が完成した歴史があります。

2-2上流階級のステータスから大衆化

お茶はイギリスで売られていた1675年当時は、万病に効く東洋の秘薬という位置づけでしたが、チャールズ2世と結婚したボルドガルの王女キャサリンが、大量の砂糖を持ち込み、宮廷に喫茶としての習慣をもたらしました。
その貴重とされるお茶の中に砂糖を入れ、毎日飲むという贅沢な習慣が、イギリス社会における貴族の中で広く知れ渡り、イギリス東インド会社はお茶を独占輸入することで大英帝国繁栄の基礎を築いたと言われているのです。
そして、イギリス人貴族が集うコーヒーハウスなどでお茶を楽しみ、それが次第に大衆化し、一般人も紅茶を楽しめるようになりました。それからは家庭に紅茶が浸透し、現代は手軽に誰でも紅茶を楽しめるようになったのです。
その後、イギリスは19世紀になり、イギリス植民地のあるスリランカやインドでお茶の栽培を行ない、中国紅茶を凌駕するようになったのです。

2-3有名なアフターヌーンティー

イギリスで有名な「アフタヌーンティー」は、日本でもお馴染みです。これは、ケーキヤスコーン、そしてサンドウィッチなど、紅茶の文化を楽しみ、貴族同士が社交の場として始めたため、作法やマナーを遵守する必要があります。
これは、ティーカップの持ち方から食べ方、その順番まであらゆることが礼儀作法として大切にされてきました。日本ではカジュアルな雰囲気のアフタヌーンティとして親しまれています。
ここで、日本とイギリスや世界における文化の違いを感じますね。

紅茶が日本へ

その後、日本に紅茶が伝わったのはいつ頃なのでしょうか?ここからは、紅茶が日本に伝わった時期や現代の状態をみていきましょう。

3-1初の輸入は明治20年

1887年、日本に紅茶が初めて輸入されました。その時の輸入量は100キロだと伝えられています。
しかもその輸入先であり原産国は、インドや中国ではなくイギリスでした。イギリス紅茶の茶葉は、日本の茶葉の伝統に匹敵すると高い評価を得ていたため、日本においても上流社会の間で大流行しました。
そして、奈良時代に中国から緑茶が入り、日本独自のお茶文化が定着しました。その後、幕末となると日本茶がヨーロッパへ向けて輸出されるなど、貿易も盛んになっていったと言われています。
1906年には輸入食材の老舗として知られる明治屋やリプトン紅茶を輸入販売したことがきっかけで、日本国において一気に上流階級に受け入れられ流行りました。
そして、1972年に三井紅茶が国産紅茶の発売をスタートし、その後、私たちのような一般家庭の間でも、紅茶以外にも、静岡県や三重県、熊本県において国産紅茶が生産されるようになりました。
紅茶は身体に良い成分が豊富に含まれていることから、薬効としても用いられていたようです。

3-2紅茶の輸入が完全に自由化し、親しまれるものへ

その後、日本において第二次世界大戦が勃発し、その後、紅茶の輸入が制限され、自由に飲むことが難しいこともありました。そして、1971年に紅茶の輸入が完全に自由化したことで、より一層日本国内において私たちは紅茶を親しめるようになり、現代に至ります。
さらに、紅茶がティーバッグでつくられるなど、より便利に美味しくいただけるようになっただけではなく、紅茶がとても身体に良いものであると言われ、楽しまれるようになったのです。すでに日本国内において、現在は私たちはあらゆる場所で紅茶を楽しめるだけではなく、自宅でティータイムを楽しむために、市販されている紅茶を手軽に購入できます。
古き歴史あるイギリス文化のように、日本人の私たちの間でも、広く紅茶が浸透し、親しまれていることが分かります。

紅茶の歴史と文化まとめ

紅茶の歴史と文化について触れてみましたが、いかがでしたか?
紅茶は、アフタヌーンティーのイメージから、イギリスが発祥の地であると思いがちですが、実際その当時はオランダから輸入されているものであり、イギリスには1650年頃まで紅茶の文化はなかったことが分かります。これは、イギリスがアジアではなくインドと貿易を行なっていたからだと言われています。
それがキャサリン妃によってイギリス文化に大きな変化をもたらし、その後、日本にも大きな影響を与えるなど、紅茶は私たちの生活の中で切り離せない存在となっています。このように、紅茶の歴史と文化を知ることで、より一層紅茶を楽しめますね。
健康にも効果の高い紅茶をゆっくりと楽しみましょう。

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