答えはなんと「300種類」です!確かにカクテルは、2種類以上の飲み物をミックスして作るものなので、ほぼ無限大の組み合わせがあると言っても過言ではないのですが、「同じ材料でも作り方が違えば別のカクテルになる」ということはご存知ですか?
そこで今回の記事では、「カクテルの技法と基本的な作り方」というタイトルで、代表的な4つの技法について、それぞれの作り方や特徴を詳しく解説していきたいと思います。
- 目次
- 1. 基本的な作り方
- 1-1. 代表的な4つの技法
- 1-2. カクテルによって使い分け
- 1-3. 同じ材料でも技法によって異なるカクテルとなる
- 2. ビルドの作り方
- 2-1. グラスに直接材料を入れ混ぜる
- 2-2. 氷をいれる→材料をいれる→バースプーンでかき混ぜる
- 2-3. 初心者向け
- 2-4. ロングドリンクのほとんどがビルドで作られる
- 3. ステアの作り方
- 3-1. ミキシンググラスで混ぜてグラスに注ぐ
- 3-2. 冷やす工程が大切
- 3-3. ショートドリンクで使用する作り方
- 3-4. 材料の特徴がストレートに出る
- 4. シェイクの作り方
- 4-1. シェイカーを振って作る
- 4-2. 混ざりにくい材料を混ぜる
- 4-3. 味がまろやかになる
- 5. ブレンドの作り方
- 5-1. ミキサーで混ぜてシャーベット状にする
- 5-2. シャーベットが溶けてしまわないようミキサーを冷やしておく
- 5-3. フローズンカクテルなどに使用される
- 6. カクテルの技法と作り方の基本まとめ
基本的な作り方
カクテルと聞くと、バーテンダーがシェイカーに材料を入れてシャカシャカとシェイクして作るイメージが強いかもしれませんが、作り方はシェイクするだけではありません。「シェイク以外の作り方は?」と聞かれて、パッと答えられる方は少ないかもしれませんね。
1-1代表的な4つの技法
ビルド、ステア、シェイク、ブレンド
「シェイク」以外にも、カクテルの代表的な作り方として「ビルド」「ステア」「ブレンド」が挙げられます。カクテルというのは、単にシェイクして作るだけでなく、材料の性質やどんなものを作るのかによって様々な作り方があります。料理と同じで、焼く・煮る・揚げるなど色々な作り方があるということですね。
1-2カクテルによって使い分け
それでは、なぜこのような作り方に違いが生まれたのでしょうか。実は、同じように混ぜて作っても、混ぜ方によって味に違いが出るからなのです。また、カクテルの材料には混ざりやすさに差があったり、混ぜすぎると変色してしまうものなど色々あるので、材料に一番ピッタリな技法でミックスすることが大切だと言えます。
1-3同じ材料でも技法によって異なるカクテルとなる
カクテルでは、材料のお酒やフルーツの風味が重要な役目を果たすのはもちろんなのですが、混ぜ方によって味や香りに違いが出てくるため、カクテル作りの際には「どうやって混ぜるのか」がとても大切になります。このように、材料が同じでも混ぜ方を変えると風味にも差が出てくるので、別物のカクテルとして提供されることがあるのです。
ビルドの作り方
ビルドは、英語で書くと「build」で、「建物などを建てる」というのが中心的な意味ですが、そこから転じて「土台・基礎・基本的な」という意味にも解釈される言葉です。その意味で、ビルドはカクテル作りにおける基本的な技法だと言えます。
2-1グラスに直接材料を入れ混ぜる
ビルドは、飲むためのグラスに直接材料を入れてミックスするだけなので、とてもシンプルです。しかし、単に混ぜるだけと言っても、美味しいカクテルにするためにはいくつか注意すべきポイントがあります
2-2氷をいれる→材料をいれる→バースプーンでかき混ぜる
それは、「グラスに入れる順番」と「混ぜ方」です。順番としては、先にグラスの氷を入れておいてから、材料となるお酒やジュースを加えてバースプーンでかき混ぜるのですが、この時にかき混ぜすぎないこともポイントです。
混ぜすぎると、中の氷が解けて水っぽいカクテルになってしまいますし、ジンジャーエールやソーダなどの炭酸系を入れていた場合には、混ぜすぎたせいで炭酸が抜けて美味しくなくなってしまうからです。
2-3初心者向け
以上のようなポイントさえ押さえれば、ビルドは誰でも簡単に作ることができる技法なので、初心者でも手軽に自宅で美味しいカクテルを楽しむことができます。ちなみに、居酒屋などで出てくるカクテルも、大半がビルドの技法で作られたものです。
もしも自宅でビルドでカクテルを作る場合には、家庭用の製氷機で作った氷ではなく、スーパーやコンビニで売っている大きめのロックアイスを使うのがおすすめです。なぜなら、見た目もおしゃれであるだけでなく、家庭用の氷より解けるのに時間がかかるので、すぐにカクテルが薄くならず、しっかりとした味わいを楽しめるからです。
2-4ロングドリンクのほとんどがビルドで作られる
カクテルには、飲み干すまでの時間的長さによって、「ショート」と「ロング」の2つのタイプがあり、ショートはおよそ15分以内でグイっと飲まれるカクテル、ロングは数十分~数時間かけてゆっくり飲まれるカクテルです。
ロングカクテルの多くがビルドで作られる理由は、飲み干すまでの時間が長いため、あまり激しい作り方をしたものだと、飲んでいる間に味が変わってしまうからです。
ステアの作り方
ステアとは、英語で「stir」と表記し、「混ぜる・攪拌する」という意味の言葉です。やることとしては、ビルドとほとんど同じで単に混ぜ合わせるだけなのですが、細かい点でいくつか違いがあります。
3-1ミキシンググラスで混ぜてグラスに注ぐ
ビルドは、飲むためのグラスに直接材料を入れてミックスして、そのまま飲むという技法ですが、ステアは、ミキシンググラスで材料を先に混ぜてからカクテルグラスに注いで飲むという特徴があります。カクテルグラスに注ぐまでにワンクッション挟むことにより、よく混ざった素材の味わいを楽しむことができるようになっているのです。
3-2冷やす工程が大切
美味しいカクテルをステアで作るためには、冷やす工程に要注意です。ステアで作るカクテルは熱に弱いので、少しでも氷が解けると味が薄くなり、美味しくなくなってしまうのです。そのため、ステアで使うお酒・ジュースなどの材料はもちろんのこと、グラスまでしっかり冷やしておくことがポイントです。
3-3ショートドリンクで使用する作り方
ビルドはロングカクテルで使われる技法ですが、キンキンに冷やしたカクテルがぬるくなってしまう前に、短い時間で飲んでしまう際に使うのがステアです。「ショートカクテルは3口で飲むべし」などと言われているくらい、冷たい間に飲み方が美味しいということですね。
3-4材料の特徴がストレートに出る
比較的穏やかな混ぜ方をするステアを使えば、材料の味や特徴をはっきりと感じられるカクテルが作れます。また、激しくミックスすると濁ったカクテルになってしまうという時にも活躍してくれる技法だと言えます。
シェイクの作り方
シェイクは、カクテルの代名詞と言わんばかりのイメージを与えてくれる「シェイカー」を振り混ぜて作るカクテルです。これを使えば、パフォーマンス的な楽しさや雰囲気だけでなく、カクテルの味にももちろん違いが出てきます。
4-1シェイカーを振って作る
シェイカーを使って作ることにより、材料を短い時間で一気に冷やすことができるというメリットがあります。ステアだと、強くミックスできないため材料が冷えるまでに時間を要し、氷が解けてカクテルが薄くなってしまうのですが、シェイクすればカクテルが水っぽくならずに済むのです。
4-2混ざりにくい材料を混ぜる
また、シェイクは、混ざりにくい材料でもしっかりミックスできるだけでなく、ムラがなく均一な仕上がりにしたい時に最適な方法だと言えるでしょう。
4-3味がまろやかになる
さらに、シェーカーを使うことでまろやかな味わいのカクテルができるという特徴もあります。激しくミックスすることで、材料となるお酒やフルーツの角が取れたり、水分が空気を含むことによって喉の通りが柔らかくなるのです。
ブレンドの作り方
ミキサーを使って作るのがブレンドという技法で、一見難しそうに見えるカクテルでも、材料を入れてボタンを押すだけで作れるため、初心者でも簡単に楽しむことができます。
5-1ミキサーで混ぜてシャーベット状にする
ブレンドで作るカクテルは、氷も一緒にミキサーに入れて回すという特徴があります。シャーベット状にして美味しいカクテルにするためにも、しっかりと氷を砕いてなめらかになるまでミキサーを回しましょう。
5-2シャーベットが溶けてしまわないようミキサーを冷やしておく
ミキサーを回すと熱が生じるため、せっかくのシャーベットが溶けやすくなってしまいます。そのため、ミキサーを前もって冷やして温度を下げておいたり、時間短縮のために氷を細かく砕いておくことが大切です。
5-3フローズンカクテルなどに使用される
ブレンドは、シャーベットのようなカクテル、すなわちフローズンカクテルなどを作るための技法です。冷たくてなめらか、綺麗な色をしていて見た目も楽しませてくれるフローズンカクテルですが、自宅でもミキサーさえあれば簡単に作ることができますよ。
カクテルの技法と作り方の基本まとめ
いかがでしたか?今回の記事では、カクテルの作り方として4つの代表的な「ビルド」「ステア」「シェイク」「ブレンド」について解説してみました。材料は同じでも、作り方によってカクテルの味に様々なバリエーションが生まれることがお分かりいただけたかと思います。自宅でも簡単に作れる方法もありますので、ぜひ試してみてくださいね。