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スパイスのテンパリング方法

みなさん、スパイスを使って料理をするとき、しっかりテンパリングしていますか?実はこのテンパリング、料理の香りの8割を決めるといわれる、とても重要な作業なのです。
テンパリングって何?という方のために、今回はテンパリングの基本と、これだけは外せない大切なポイントをお伝えします。テンパリングはエスニック料理だけでなく、イタリア料理にも通じる重要な方法です。テンパリングをマスターして、香り際立つ一皿を目指しましょう。

目次

テンパリングとは?

1-1スパイスを油で炒める行為

テンパリングとは、簡単にいうとスパイスを油で炒め、その香りを油に移すことを指します。スパイスの持つ香り成分は油溶性、つまり油に溶けだす性質を持っていますので、油に香りを溶かしだすことで、料理全体にスパイスの香りをまとわせることができます。
よくチョコレートなどで口当たりを滑らかにするために湯せんして溶かすこともテンパリングといいますが、これとは別の意味ですのでご注意を。

1-2スパイスの香りを引き立たせる

テンパリングをすることで、スパイスの香りがぐっと広がりを持つようになります。テンパリング前のホールやパウダーの状態でももちろん香りはありますが、油に移った香りはより華やかに変化します。また、複数のスパイスをテンパリングしてミックスしていくと、香りが複雑に混ざって奥深さが格段に増しますので、ぜひトライしてみてください。

1-3スパイスの香りを油にうつす

スパイスの持つ香り成分の正体は精油、つまりエッセンシャルオイルです。これは水ではなく油に溶ける性質を持っています。料理の最初の段階で油にスパイスの香りをまとわせることで、その香りが最後まで続き、料理のおいしい香りとなります。カレーやペペロンチーノなど香りまでおいしくいただきたい料理では、テンパリングが香りの8割を決める重要な工程ともいわれ、料理のキープロセスになります。

テンパリングする理由

2-1風味に厚みがでる

テンパリングをすることで、料理の風味に厚みを出すことができます。素材の持ち味をスパイスの香りがしっかり引き立ててくれるので、味も香りも芳醇な仕上がりになるのです。料理において香りは味と同じくらい重要な構成要素だといわれていますので、スパイスの香りが際立っていると、より本格的でおいしく味わえること間違いなしです。

2-2料理中に香りが飛びにくくなる

テンパリングによって油の中に香りが溶け込むことになりますので、料理全体にまんべんなく香りがいきわたるようになります。スパイスを入れた瞬間だけ香りが立つけれど、お皿に盛り付けるころには香りが薄くなっている、というのでは意味がありませんよね。テンパリングをすると、口に運ばれるそのときまでしっかりとおいしい香りをキープすることができます。

2-3仕上がりの香りに差が出る

テンパリングを行った油を料理の最後に回しかけると、ひときわ香り高い一品が完成します。中華料理などでも最後に熱したネギ油などを回しかけるのは、そういった理由からです。例えば、普段のカレーの仕上げにスパイスをテンパリングした油をかけると本格カレーに早変わりします。意外と知られていないのですが、スパイシーなカレーがお好みの方はぜひお試しあれ。

テンパリングしたスパイスを使うタイミング

3-1最初 香りをたたせて食材にもうつす

料理のはじめにテンパリングしてスパイスの香りを油に移し、それが料理全体にいきわたることで味と一体化します。代表的な例として、ペペロンチーノは、最初の段階でガーリック、とうがらし、ブラックペッパーなどをオリーブオイルでテンパリングしますよね。その香りがパスタに移ることで食欲をそそる一皿になります。
ちなみに、料理のはじめに使うスパイスをスタータースパイスと呼びます。カレーでいえば、クミンシードやコリアンダーシードなども、テンパリングが効果的なスタータースパイスです。

3-2最後 調味液のひとつとして使う

よりスパイスの香りを引き立たせたいときは、調理の最後に調味液として使う方法もあります。別の鍋で油を熱し、スパイスをテンパリングしたものを最後に回しかけるという方法です。最初にテンパリングした油を使って調理するよりも、より新鮮な香りを強調させたいときに適しています。
また、オリーブオイルにとうがらしやローズマリーなどのハーブを漬けこんでおくと、その香りや風味がオイルに移ります。パスタやピザの食卓の調味液として、よくイタリアンレストランでも見かける手法です。簡単で見た目にもおしゃれなので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

テンパリングの方法

4-1フライパンに油をひいてスパイスをいれる

テンパリングの方法は簡単。フライパンに多めの油をひいてスパイスを入れます。中華料理ならごま油、イタリア料理ならオリーブオイルなど、料理に合わせて油もチョイスしましょう。バターを使うときは、ほかの油より焦げやすいので気を付けて。
油の量は普段より多めの油を思い切って使うのがコツです。油が少ないとスパイスの香りも引き出せません。テンパリングする際にはできるだけ良質の油をたくさん使うのがいいでしょう。

4-2スパイスをいれてから火をつける

おすすめの方法は、油にスパイスを入れてから火をつけること。スパイスによっては加熱しすぎるとはじけたりする場合もあるため、この方法がおすすめです。火をつけたあとはフライパンを傾けて、スパイスが油の中にしっかりつかるようにしましょう。くれぐれも目を離さないようご注意を。

4-3弱火でおこなう

火加減はまず弱火から始めましょう。強めの火加減で一気に熱してしまうと、スパイスの表面だけ焦げてしまいます。焦げてしまうと香りが飛ぶだけでなく、苦みが出てしまいます。そうなると残念ながら一からやり直さなくてはいけませんので、十分気を付けて進めましょう。
油が温まりさらっとした質感になったら、木べらなどでスパイスをやさしく動かしながらじっくり熱していきます。香りが立ってきたと鼻でしっかり感じられることがいちばんの目安です。

4-4複数の場合は固いものから順番にいれる

数種類のスパイスをテンパリングする際は、入れる順番に気を付けるとよいでしょう。焦がしてしまっては元も子もありませんので、焦げにくいものから入れるのがコツです。焦げにくいものといってもなかなかわかりづらいですので、固いものから順番にいれると覚えやすいです。
たとえば、シナモンやローリエははじめにいれ、その次にクミンシードやコリアンダーシード、とうがらしは焦げやすいので最後にいれるとよいでしょう。

4-5焦がさないように注意すること

テンパリングでいちばん重要なポイントは焦がさないことです。スパイスからシュワシュワと泡が出てきたら、鼻を近づけて香りを確かめましょう。スパイスの香りがしっかり立ってきたと感じられたらOKです。
パウダータイプのスパイスをテンパリングするときは、とても焦げやすいのでより注意が必要です。油でいためるというよりは、油通しをするイメージで粉っぽさを飛ばし、さっと仕上げるのがよいでしょう。
もしフライパンが熱くなりすぎたときは、フライパンを持ち上げたり、タマネギなどの具材を投入したりすると温度が下がります。十分にぬらしたふきんで鍋底を冷やすという奥の手もあります。念のため、横にぬれぶきんを用意しておくと安心ですね。

スパイスのテンパリング方法まとめ

テンパリングのコツがご理解いただけたでしょうか。もしかすると、これまで何となくスパイスを使ってきたけど、いまいち香りが立たなかったという方も、テンパリングを意識してみると違ってくるかもしれませんね。
テンパリングがうまくできれば、その料理は8割成功したようなものです。スパイスの香りを自由自在にあやつって、食卓を豪華に彩ってみてはいかがでしょうか。

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